背景・概要

事実大成建設は八木熊と共同で、2023年10月より使用済み三角コーンの再資源化実証試験を進めており、2024年1月19日、同社公式サイトでその内容を発表した(取得日2026-08-23)。

事実2025年11月5日には取り組みの拡大版が発表された。この発表で、2024年度(初年度)に東京都内の建設現場10か所から使用済み三角コーン752本を回収したという実績が明らかにされている。752本という具体的な回収本数は、2024年1月19日の当初発表ではなく、2025年11月5日の拡大版発表で示された数値である点に注意されたい。2025年度(2年目)は千葉県への対象拡大、2026年度(3年目)は関東以外への全国展開が計画されている。

技術的な詳細

事実2024年1月19日の発表によれば、取り組みでは、①建設現場で不用となった三角コーンを回収・運搬して集積、②原料製造施設で洗浄・破砕後に粒状のペレットへ加工、③そのペレットを原料に再生品製造施設で再生三角コーンを製造、④建設現場で再生三角コーンを使用、という4段階のプロセスを経る。同発表では「溶融」という工程名は用いられておらず、ペレット化後の成形工程の詳細(溶融の有無等)は確認できた一次情報の範囲では明示されていない。三角コーンという同一製品への水平リサイクルである点が特徴である。

事実2024年1月19日の発表では、再資源化材を主原料に利用することで、三角コーン1トン当たり3.84トンのCO2を削減できる見込みであるとされている。

分析三角コーンは屋外の建設現場で使用されるため、紫外線劣化や汚れの付着が避けられない。破砕前の洗浄工程を含む点は、こうした現場由来の廃プラスチック特有の汚染への対応と考えられる。一般的にペレットから成形品を作る工程では再溶融を伴うことが多いが、本発表ではその工程が明示的には説明されていない。

開発段階・実証導入状況

事実2023年10月の実証試験開始・2024年1月の発表から、2025年11月の拡大版発表(初年度実績752本、今後3か年計画での全国展開)まで、約2年にわたり取り組みが継続・拡大されていることが確認できる。

分析発表から拡大へと展開が継続している点から「実証実験中」と判定した。752本という初年度実績はパイロット的な規模であり、2026年度に計画されている全国展開が実現するかが本格普及の分岐点になるとみられる。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析建設現場で使用される仮設資材(三角コーン、養生シート等)は、使用後の回収・再資源化ルートが確立されていないケースが多い。本取り組みは、同一事業者(建設会社)が使用と回収の両方に関与できる建設現場の特性を活かし、破砕を含む「回収→再生」のループを実現した点で意義がある。

分析CO2削減量を定量化して公表している点も、企業のGHG排出量算定・報告の実務が広がる中で参考になる。今後は、拡大版の具体的な回収規模やCO2削減量の推移、他の建設現場向け資材への展開有無を注視したい。

実務への示唆

分析商社にとっては、建設現場から発生する使用済み資材の回収・再生スキームを設計する際、同一製品への水平リサイクル(三角コーンto三角コーン)という枠組みや、CO2削減量の定量化手法が参考になる。建設会社との協業機会を検討する際の一つのモデルケースとして押さえておきたい。