背景・概要

事実LIXILは2025年1月10日に取り組みを開始し、同月15日、宏幸と共同でFRP浴槽を破砕しマテリアルリサイクルへ転換する取り組みを公式ニュースルームで発表した(取得日2026-08-23)。

事実FRP(繊維強化プラスチック)は熱硬化性樹脂とガラス繊維の複合材であり、熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異なり加熱しても再溶融できないため、従来は焼却によるサーマルリサイクル(熱回収)が中心だった素材である。

技術的な詳細

事実本取り組みでは、使用済みFRP浴槽を破砕したうえで、マテリアルリサイクル(材料としての再利用)へと転換する。具体的な破砕後の用途・原料化プロセスの詳細は、確認できた一次情報の範囲では限定的にしか示されていない。

分析熱硬化性樹脂を含む複合材のマテリアルリサイクルは、再溶融が使えないため、破砕して粉体・粒状にした後にフィラー(充填材)等として別素材に混ぜ込む用途が一般的とされる。FRPをサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへ転換する動きは、焼却時のCO2排出削減にもつながり得る点で、資源循環と環境負荷低減の両面から意義がある。

開発段階・実証導入状況

事実2025年1月の取り組み開始・発表という段階であり、本格的な商用スケールでの継続的な処理実績や処理量の詳細は、確認できた一次情報の範囲では明らかにされていない。

分析発表の位置づけから「実証実験中」と判定した。今後の処理量拡大や継続的な取り組みの公表が、普及度を測る指標になる。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析浴槽をはじめとするFRP製品は、耐用年数を迎えた住宅設備からの排出が今後も継続的に発生する。従来サーマルリサイクルしか選択肢がなかったFRPに、破砕起点のマテリアルリサイクルという新ルートが加わることは、複合材リサイクル全体の選択肢を広げる意義がある。

分析今後は、破砕後の再生材の具体的な用途先、処理量の拡大状況、他の熱硬化性複合材製品(浴槽以外)への展開可能性を注視したい。

実務への示唆

分析商社にとっては、住宅設備の解体・更新時に発生するFRP製品(浴槽、洗面台等)の処理ルートを検討する際、従来のサーマルリサイクル一辺倒からマテリアルリサイクルへの選択肢拡大という動向を踏まえた提案が可能になる。熱硬化性樹脂複合材の再資源化動向は他素材にも波及し得るため、継続的な把握が望ましい。