背景・概要

事実アルテック新材料株式会社(福井県坂井市)は2025年1月23日、自社サイト・plaplat上で、NGR(Next Generation Recycling machines、オーストリア)製の液相重合(LSP)方式設備を国内で初めて導入し、ボトルtoボトル用途のメカニカルリサイクル事業を開始したことを公表した。

事実業界紙報道(プラジャーナル、有料会員限定記事)によれば、当該設備の年間処理能力は約1万3千トンとされる。この数値は一次情報の本文からは確認できず、二次情報による補足であることに留意が必要である。

技術的な詳細

事実LSP(液相重合)は、粉砕・洗浄したPETフレークを溶融させずに固相・液相状態で重縮合反応を進め、熱劣化で低下した固有粘度(IV値)を回復させる技術である。従来のメカニカルリサイクル(溶融・再ペレット化のみ)では困難だったIV値の回復が可能とされる。

分析PETボトルのボトルtoボトル用途では、飲料容器に求められる強度・成形性の観点からIV値(分子量の指標)が重要な品質要件になる。従来のメカニカルリサイクルは溶融時の熱劣化でIV値が低下しやすく、バージン材との配合比率に制約がかかりやすい。LSPで劣化樹脂のIV値を回復できれば、再生材比率を高めた設計がしやすくなる可能性がある。一方、処理時間の具体的な短縮幅や、回復後IV値のバージン材比較などの定量データは公表資料(一次情報)からは未確認である。

開発段階・実証/導入状況

事実専用設備が国内で稼働し、ボトルtoボトル用途の再生PETペレット製造事業として運転を開始した。

分析実証段階ではなく、国内初導入の専用設備による事業運転が始まっている点から「普及開始過程」と判定した。ただし現時点では単一拠点(福井県坂井市)での導入であり、他社・他拠点への横展開は確認できない。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析このニュースが重要なのは、欧州で先行していたLSP方式のrPET設備が国内で初めて導入され、ボトルtoボトルという食品接触用途で品質要求の高い市場に投入された点である。国内のPETボトルリサイクルは従来メカニカルリサイクル中心だったが、選択肢が広がったことを意味する。

分析押出加工という技術の大きな流れの中では、押出機による溶融再生の前段・代替として、非溶融の重合プロセスで樹脂物性を回復させるアプローチの国内導入初弾に位置づけられる。押出加工の高度化(脱揮・反応押出等)とは別の系統から、再生材の品質底上げに挑む動きといえる。

分析今後は、実際の処理能力・稼働率の一次情報での公表、飲料メーカー等の採用実績、IV値回復の定量データや第三者認証(食品接触材料としての認証)の取得状況、国内での同種設備の追加導入動向を注視すべきである。

実務への示唆

分析商社にとっては、PETボトル原料の販売先(用途)を検討する際、従来のフレーク・メカニカルリサイクルペレットに加えて、LSP方式で処理された高品質rPETという新たな取引カテゴリーが国内に生まれた点が重要である。ボトルtoボトル案件を扱う際は、供給側の処理方式(メカニカルかLSPか)を明示し、品質要件に応じた原料選定を提案できるようにしておきたい。