背景・概要

事実EREMA(オーストリア、Ansfelden所在)は2025年6月10日、前処理ユニット(PCU)をツインスクリュー押出機に直結する新製品TwinProを発表した。同社はこれを「独自のプレコンディショニング技術をツインスクリューに直結する初の試み」と説明している。

事実製品開発では、PE-PA・PE-EVOH構成の多層フィルム、嵩密度30~800g/Lの低かさ密度フィルム廃材、薄肉のポストコンシューマー再粉砕材(例:ヨーグルトカップ)に特に焦点を当てているとされる。

技術的な詳細

事実プロセスは2段階で構成される。まずPCUで材料を圧縮・乾燥・加熱し継続的に供給、続いてツインスクリュー(同社のCounter Current®技術を活用)で多層ポリマーを効率的に混合する。同社はこれにより「単一プロセスで高品質再利用ペレットを生産」できるとしている。

分析従来、前処理と混練を別工程・別機器で行うことが多かった中で、両者を直結することで工程数削減とエネルギー効率の改善が期待される。特に多層フィルムのような異種樹脂が層状に組み合わさった原料は、単軸押出機での均質な溶融混練が難しく、二軸押出機による強い混練力が品質確保の鍵になるとみられる。低かさ密度原料の安定供給(ブリッジング防止等)は前処理ユニット側の設計精度に依存する。

開発段階・実証/導入状況

事実「初の試み」として新製品発表された段階であり、公表資料からは実顧客での稼働実績や導入拠点数は確認できない(未確認)。

分析技術的な達成(直結構造の実現)を伴う新製品発表段階にあることから「新規発売」と判定した。今後、実顧客サイトでの導入実績や、対象原料ごとの品質データの公表が普及度を測る指標になる。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析多層フィルムや薄肉容器は、単一樹脂の原料に比べてリサイクルが難しく、廃プラスチックの中でも未活用率が高い部類に属する。この領域を一工程で処理できる技術が実用化すれば、これまで焼却・埋立に回っていた原料の再資源化余地が広がる点で重要である。

分析押出加工の大きな流れの中では、前処理と混練の工程統合による省エネルギー化・省スペース化という方向性の一例であり、難処理原料への対応力強化という業界共通課題への一つの回答として位置づけられる。

分析今後は、対象原料(多層フィルム・薄肉容器)ごとの再生ペレット品質(強度・色調・異臭等)データ、実顧客での連続稼働実績、既存のPCU単体機からの置き換えペースを注目すべきである。

実務への示唆

分析多層フィルムや薄肉容器由来の難処理原料を抱える排出事業者・商社にとっては、これまで再資源化ルートが限られていた原料区分に新たな出口が生まれる可能性がある。導入検討時は、対応可能な層構成(樹脂の組み合わせ)の範囲と、実際の再生ペレット品質データを一次情報の更新に合わせて継続的に確認したい。