背景・概要

事実Coperionは2025年6月11日、オランダ・ユトレヒト大学の研究チームによる反応押出型ケミカルリサイクル研究を紹介した。研究協力企業としてHerbold Meckesheimの名も挙がっている。

事実研究では、同社製二軸押出機STS 25 Mc11を使用。この装置は、細断または圧縮された廃プラスチックを、同方向回転する二本のスクリューで閉鎖プロセスセクション内で処理し、高いせん断力と集約的な分散により機械的エネルギーを効率的に導入する。

技術的な詳細

事実研究では触媒を用いた機械化学的変換が試みられている。研究リーダーのDr. Ina Vollmer氏は、「触媒をより正確に活用し、より低い温度で化学リサイクルを実現する」ことを目指すとしており、最終的には「ピロリシスプロセスを押出機内で実現する」ことを目標としている。

分析従来のピロリシス(熱分解)は独立した反応炉で行われることが多く、押出機内で反応を完結させる発想は、前処理(溶融混練)と反応(分解)を一体化することで設備点数とエネルギーロスを削減する狙いがあるとみられる。触媒と廃プラスチックの接触効率を高せん断混練でどこまで高められるかが、低温化・反応効率の鍵になる。実験室規模の押出機(STS 25クラス)での知見であり、スケールアップ時の伝熱・滞留時間分布の変化が今後の課題になりうる。

開発段階・実証/導入状況

事実大学の研究チームによる基礎研究として紹介されており、パイロットプラントや商業化計画についての公表情報は確認できない(未確認)。

分析研究目標として「押出機内でのピロリシス実現」が掲げられている段階であり、実証プラントでの検証実績が示されていないことから「開発中」と判定した。今後、パイロットスケールでの実証結果や論文発表の有無が、次の段階(実証実験中)への移行を測る指標になる。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析ケミカルリサイクルの分解工程を、押出機という既存の実用化された装置の延長線上で実現しようとする発想は、新規反応炉への大規模投資を避けつつ既存インフラを転用できる可能性がある点で重要である。

分析押出加工の大きな流れの中では、これまで「原料の造粒・溶融混練」に留まっていた押出機の役割を「化学変換の場」へと拡張しようとする、より野心的な研究方向の一つとして位置づけられる。実用化にはまだ距離があるが、押出機メーカー(Coperion)と学術機関が連携する枠組み自体が今後の技術開発の型として注目される。

分析今後は、パイロットスケールでの反応転化率・生成物組成のデータ公表、使用触媒の種類とコスト、スケールアップに向けた企業との共同研究の有無を注目すべきである。

実務への示唆

分析現時点では基礎研究段階であり、商社が短期的な原料調達戦略に組み込む段階にはない。ただし、押出機内反応によるケミカルリサイクルが実証段階に進んだ場合、機械リサイクルが難しい混合廃プラスチックの新たな出口となりうるため、研究進捗を継続的にウォッチする価値がある。