背景・概要

事実アルテック新材料は2025年6月2日、JCII(一般財団法人化学研究評価機構)高分子試験・評価センターより、同社の再生PETペレット「LSP0001」が「食品接触材料用リサイクルプラスチック材料―ポストコンシューマー材料を物理的再生処理した重合体」の基準に適合すると認証されたと、同年7月24日に発表した。同社によれば国内企業として4番目の認証取得となる。

事実アルテック新材料の公式サイト(別ページ)によれば、同社の再生PETペレット製造設備はNGR社製「P:REACT」を採用し、LSP(液相重合、Liquid State Polycondensation)と呼ばれる方式で製造している。認証は食品衛生法のポジティブリスト制度に基づくもので、食品用器具・容器包装の原材料として使用できることが確認された。なお、今回引用したJCII認証取得のニュースリリース自体には「液相重合」という語の記載はなく、この製法情報は同社の別ページ(リサイクルペレット製造販売ページ)による。

技術的な詳細

事実今回の認証は、ポストコンシューマー材料(使用済み製品由来の材料)を物理的に再生処理した重合体を対象とする基準に適合したものである。

分析液相重合(LSP)は、固相重合(SSP)がフレーク・ペレット等の固体状態で処理するのに対し、溶融樹脂の液相状態のまま真空下で重縮合を進める方式とされる。機械的リサイクル(メカニカルリサイクル)で生じやすい分子量低下や着色を抑えつつIV値(固有粘度)を回復させる工程とみられるが、反応条件の詳細や本設備固有の数値(年間処理能力等)は確認できる情報の範囲では明示されておらず未確認とする。食品接触用途では衛生性に加え、成形加工時の押出安定性(粘度・IV値の均一性)が要求されるため、認証取得は品質管理体制の確立を示す一つの指標となる。

開発段階・実証/導入状況

事実認証取得済みで、国内企業として4番目の取得事例となる。

分析認証取得により食品接触用途への供給が可能になった段階であるため「新規発売」と判定した。実際の出荷実績・取引先数は公表資料で確認できず未確認とする。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析食品接触材料向けの再生PETは、安全性認証のハードルが高く、認証取得企業が限られる分野である。国内4社目という位置づけは、国産rPETの供給網が徐々に厚みを増していることを示す。

分析押出加工の大きな流れでは、単なる再生ペレットの製造から、用途別(食品接触・非食品)の品質保証・認証取得へと競争軸が移りつつある。本件はその流れの中で、液相重合という製法面での差別化を伴う事例として位置づけられる。

分析今後は、実際の飲料・食品メーカーへの採用実績、供給量の拡大、他の食品接触認証(例えば米国FDA基準等)への展開有無を注目すべきである。

実務への示唆

分析商社としては、食品接触材認証済みの国産rPETが、輸入材や非認証材と比べて価格・供給安定性の面でどう位置付けられるかを整理し、食品パッケージメーカーへの提案材料として供給元候補リストに加えておく価値がある。