背景・概要

事実トヨタ紡織株式会社は、令和7年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業(プラスチック等資源循環システム構築実証事業)の一環として、容器包装廃プラスチックから自動車内装部品向けの再生PPを製造する実証事業の報告書を2026年3月付で公表した。本事業は令和7〜9年度の3ヵ年計画で、報告書は初年度の検討結果をまとめたものである。

事実容器包装廃プラスチックはPS・PET・PE・PPが混在しており、自動車内装部品に使われるPPの純度を確保するには、選別工程および押出・コンパウンド工程での異物除去が課題となる。

技術的な詳細

事実回収した容器包装廃プラスチックを、二軸押出機(エクストルーダー、口径30mm・二軸押出2段ベント仕様、吐出量約20〜25kg/時間)でコンパウンドし、ダイス部のスクリーンメッシュによる異物除去効果と生産性を検証した。

分析スクリーンメッシュは押出機内で発生する未溶融樹脂・炭化物・ゲル状異物を除去するフィルターとして機能する。検討の結果、PET・PVC・PS等の異なる樹脂種の混入は低減できる可能性が示された一方、コンパウンド工程でのスクリーンメッシュの目詰まりが継続して発生しており、アルミ箔・アルミ蒸着等の金属異物は処理速度を落とすことで除去できる可能性が示されるにとどまった。単純な二軸押出+スクリーンメッシュだけでは、異物除去率と生産性(処理速度・目詰まり頻度)の両立に限界があることを示す結果といえる。

開発段階・実証/導入状況

事実令和8年度は、令和7年度に検証できなかった、二軸押出機と一軸押出機を連結したタンデム式押出設備による2段階のレーザーフィルターメッシュを用いた異物・異樹脂種除去率向上とコスト検証を行う計画である。

分析単年度の技術検証段階であり、次年度以降も継続検証が計画されていることから「実証実験中」と判定した。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析容器包装由来の再生PPは、これまで主に熱回収や高炉還元剤といった化石燃料代替用途に使われることが多かった。本事業は、より付加価値の高い自動車内装部品用途への展開を、押出加工段階の異物除去技術の検証を通じて具体的に進めている点が重要である。

分析押出加工の大きな流れでは、単軸・二軸押出機単体の性能向上にとどまらず、タンデム式押出やフィルターの多段化など「工程の組み合わせ」による異物除去率の底上げが焦点になりつつある。本事業はその具体的な検証事例として位置づけられる。

分析今後は、令和8年度のタンデム式押出・二段階フィルターによる異物除去率とコストの検証結果、自動車内装部品としての要求物性(引張伸び等)を満たせるかどうかを注目すべきである。

実務への示唆

分析商社としては、容器包装由来の再生PPを高付加価値用途(自動車部品等)へ展開する際、押出・コンパウンド段階での異物除去がボトルネックになりやすい点を踏まえ、原料選別段階での異物混入率データを供給元から取得し、川下の要求品質とのギャップを事前に把握しておくことが望ましい。