背景・概要

事実芝浦機械は2023年10月13日、「第18回芝浦機械グループソリューションフェア2023」(2023年10月31日~11月2日、沼津工場・御殿場工場にて開催)に関するプレスリリースを発表した。

事実同フェアでは、超深溝スクリュー搭載の二軸混練機「TEM-48DS」によるレーザーフィルターを使用した再生プラスチックのペレット化(マテリアルリサイクル)実演、AEセンサーとアナライザを用いた最適な混練状態把握を特徴とする小型混練機「TEM-26SX」、リチウムイオン電池セパレータフィルム製造装置向けの大型混練機「TEM-136DS」、新型プロセスコントローラ「EXTVISOR-Ⅵ」が紹介された。

技術的な詳細

事実TEM-48DSは超深溝スクリューを搭載し、レーザーフィルターを使用して再生プラスチックをペレット化するマテリアルリサイクルの実演機として展示された。

事実同時展示のTEM-26SX小型混練機ではAEセンサーとアナライザを用いた混練状態の可視化により省エネを実現するとされ、新型プロセスコントローラ「EXTVISOR-Ⅵ」も併せて搭載された。センシング技術による歯車箱の故障診断の可視化や、従来は水平方向のみだったバレル摩耗測定を全周方向で実現する技術も紹介された。

分析再生プラスチック原料はフレーク・フィルム片などかさ密度が低いものが多く、通常のスクリュー形状では原料の喰い込み(フィーディング)が不安定になりやすい。超深溝スクリューはスクリュー溝を深くすることで原料の搬送容積を増やし、このかさ密度の低さに対応する設計と考えられる。加えてレーザーフィルターによる異物除去、AEセンサーによる混練状態の可視化を組み合わせることで、原料の供給安定性と品質の均一性の両面から再生材のペレット化を支える構成になっている。ただし、TEM-48DSの処理能力やレーザーフィルターの具体的な捕捉粒径等の数値は、確認できた公表資料の範囲では明らかにされていない。

開発段階・実証/導入状況

事実これらの機種・機能は、自社主催の展示会(ソリューションフェア)における実機展示・実演として発表されたものであり、既存の製品ラインアップに新機能を追加する形での発表である。

分析自社製品としての発表・実演である点から「普及開始過程」と判定した。国内二軸混練押出機のパイオニアである芝浦機械が定期的に開催する自社展示会での実演であるため、既に販売可能な製品ラインアップの一部として位置づけられると考えられる。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析本件が重要なのは、国内二軸混練押出機のパイオニアである芝浦機械が、リサイクル材特有の「かさ密度の低さ」という供給課題と、品質のばらつきという課題を、スクリュー設計とセンシング技術の両輪で解決しようとしている事例である点である。

分析押出加工技術の大きな流れの中では、スクリュー形状の改良によるハード面の対応と、AEセンサー等によるプロセス管理(デジタル化)の高度化が並行して進んでいる点が、他の国内メーカーの動向とも共通する。

分析今後は、TEM-48DSの実機導入事例や処理能力の公表、EXTVISOR-Ⅵの他機種への展開状況、レーザーフィルターの異物除去性能に関する定量データの開示を注視したい。

実務への示唆

分析商社にとっては、リサイクル原料のかさ密度の低さに起因する処理能力の頭打ちという現場課題に対し、国内主要メーカーがスクリュー設計の改良で対応を進めている点は、原料供給元の設備選定や処理能力評価の参考情報になる。