キユーピー・日清オイリオグループ、油付きPETボトル回収実証で目標を大幅超過――洗浄・リサイクル技術検証へ活用
ドレッシングや食用油が付着したPETボトルは、洗浄工程で油分が残留し再生PETの品質に影響するため、リサイクルの仕組みが社会実装されていませんでした。キユーピーと日清オイリオグループは2024年5月に協働を開始し、イオンの協力のもと千葉市内で回収実証実験を実施。2025年2月、目標を大幅に上回る回収結果を公表しました。
30秒でわかる要約
背景・概要
事実油が付着したPETボトルは、リサイクルの洗浄工程で油分が残り再生PETの品質に影響を与えることが懸念されており、社会的なリサイクルの仕組みが実装されていなかった。キユーピーと日清オイリオグループは2024年5月23日、油を使用した商品を扱う両社が企業の枠を超えて協働し、油付きPETボトルの資源循環スキーム構築に向けた技術検証を進めると発表した。
事実協働の目的として、①両社の知見を組み合わせた技術検証の実行、②技術検証に必要な数トン単位のサンプルを効率的に収集すること、の2点が挙げられている。今後の展望としては、使用済み油付きPETボトルから再びPETボトルへ戻す水平リサイクルや、その他用途への活用可能性を幅広く検討するとされていた。
技術的な詳細(回収実証実験の内容)
事実2024年5月29日から11月30日までの約6ヶ月間、イオン株式会社の協力を得て、千葉市内のイオンスタイル幕張新都心・イオンスタイル幕張ベイパーク・イオンスタイル鎌取・イオンスタイル検見川浜・イオン海浜幕張店・イオンマリンピア店・イオン稲毛店・イオンスタイル千葉みなとの8店舗で、各店舗のリサイクルステーション周辺に回収ボックスを設置し、家庭で使用したドレッシング・食用油の油付きPETボトル(キユーピー・日清オイリオグループ以外の製品も含む)を回収する実証実験を実施した。
事実2025年2月18日付の発表では、回収目標重量100kgに対し、実績は約175kg(本数換算で約5,500本)と、目標を大幅に上回る結果となったことが報告されている。あわせて、①回収されたボトルの多くが周知した出し方通りきれいな状態であったこと、②回収対象外の食用油PE(ポリエチレン)ボトルが多く混入し材質区分の周知が難しかったこと、③開始約3カ月後にチラシ配布や表現の工夫(透明ボトルが対象、半透明ボトルは対象外)を行った結果、対象外ボトルの混入割合が減少する傾向が見られたこと、という3点の知見が報告されている。
事実今回回収された油付きPETボトルは「今後の技術検証に活用していく予定」とされているが、ドレッシングや食用油のボトルへの再生利用は予定していないと注記されている。油分を除去する具体的な洗浄工程や薬剤処方など、洗浄技術そのものの検証結果・詳細は、2025年2月時点の発表資料からは確認できない。
開発段階・実証/導入状況
事実現時点で一次情報から確認できるのは、原料となる油付きPETボトルの回収実証実験の結果(回収量・生活者の行動実態に関する知見)までであり、洗浄・水平リサイクル技術そのものの検証結果は公表されていない。
分析回収実証で目標を大幅に上回る回収量を確保できたことは、原料調達面でのハードルを一つクリアしたことを意味する。今後は回収した原料を用いた洗浄・リサイクル技術検証の進展が焦点となるため、開発段階は「実証実験中」と判定する。
この動きの位置づけと今後の注目点
分析食用油メーカーとドレッシング等を手掛ける調味料メーカーが競合関係を超えて協働し、消費財流通大手のイオンを巻き込んで回収実証を行った点は、単独では回収量を確保しにくい「油付着容器」という難しい廃棄物カテゴリでの資源循環モデルの先行事例といえる。
分析今後の注目点は、①回収した油付きPETボトルを用いた洗浄・リサイクル技術検証の具体的な結果、②油付きPETボトルから再びPETボトルへ戻す水平リサイクルが実現するか、それとも他用途へのリサイクルにとどまるか、③実証店舗網が千葉市内から全国へ拡大するかどうか、の3点である。
実務への示唆
分析油分・食品残渣が付着した容器包装のリサイクルを検討する事業者にとって、本件は「まず回収実証で原料の性状・量を把握し、その後に洗浄・リサイクル技術の検証を進める」という段階的なアプローチの参考事例となる。油汚れは再生材品質への影響が大きいカテゴリであるため、今後公表される洗浄技術検証の結果を注視する価値がある。
📎 一次情報・出典
キユーピー ニュースリリース No.23(2025-02-18) →キユーピー ニュースリリース No.38(2024-05-23) →
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