Nextek・Coveris(英国)、超臨界CO2でポリオレフィンフィルムを洗浄・脱汚染する「COtooCLEAN」実証プラントが本格稼働
Nextek社(英国)とCoveris社は、超臨界CO2抽出技術を用いてポリオレフィンフィルム(PE・PP)から油分・臭気・残留汚染物質を除去する「COtooCLEAN」技術のデモプラントを英国リンカンシャー州のCoveris ReCover拠点に建設し、2026年4月に本格稼働を開始した。今後2年間、産業規模での実証データを収集し、欧州の食品用途向け規制認可取得を目指す。
30秒でわかる要約
背景・概要
事実Nextek社(英国、ロンドン拠点の技術開発企業)は複数年にわたる研究開発の末、2022年12月にAEPW(Alliance to End Plastic Waste)の技術賞を受賞し、COtooCLEAN技術の実証プラント建設を進めてきた。
事実2026年4月、Coveris社との協働により、英国リンカンシャー州のCoveris ReCoverサイトでCOtooCLEANデモプラントが「完全に稼働可能な状態」に至ったことが発表された。9カ月の建設期間と2カ月の試運転を経ての稼働開始である。
分析英国・EU域内では年間280万トン以上のポリオレフィンフィルムが消費される一方、従来の脱汚染技術が確立されておらず、リサイクル率はわずか6%にとどまっているとされる。COtooCLEANはこの「汚染除去のボトルネック」に対応する技術として位置づけられている。
技術的な詳細
事実超臨界状態のCO2は液体に近い密度と気体に近い粘度を併せ持ち、優れた溶媒として機能する。この特性を利用してポリマー構造の内部まで浸透し、油分・臭気・食品接触履歴に由来する残留物質(レガシー物質)を抽出する。
事実プロセスは機械的リサイクル(洗浄・粉砕)の代替ではなく、それらを経た再生材に対する「仕上げ工程(ポリッシング)」として位置づけられている。使用するCO2は醸造プロセス等の産業副産物由来のものを活用しており、原料調達面でも循環性が意識されている。
分析水を使わずCO2を溶媒として使う点は、洗浄工程における排水負荷の低減という観点で注目に値する。ただし超臨界状態を維持するための圧力・温度制御にはエネルギーコストが伴うため、水使用量の削減とエネルギー収支のトレードオフをどう評価するかが今後の技術評価のポイントになると考えられる。
開発段階・実証/導入状況
事実AEPWの説明によれば、Coveris社がリンカンシャー州で実証施設の運営を担い、2026年4月の稼働開始から2年間の実証段階に入る。この期間中に産業規模でのデータを収集し、欧州の食品接触材料に関する規制当局からの認可取得を目指すとされている。
分析「フルオペレーショナル(完全稼働)」という表現は使われているものの、位置づけとしてはあくまで規制認可取得に向けた実証段階のプラントであり、商業生産・販売段階には至っていない。開発段階は「実証実験中」と判定するのが妥当である。
この動きの位置づけと今後の注目点
分析食品グレード用途向けの軟包装フィルムリサイクルは、油分・香料・添加剤等の残留汚染物質の除去が最大の技術的難関とされてきた領域である。COtooCLEANはこの課題に対し、溶剤リサイクル(樹脂を溶解させて不純物を分離する方式)とは異なる「非破壊的な脱汚染」というアプローチを取っている点が特徴的である。
分析今後の注目点は、①2年間の実証で得られるデータが欧州規制当局にどう評価されるか、②CO2回収・再圧縮にかかるエネルギーコストと処理コストの実際の水準、③デモプラントからの規模拡大(スケールアップ)計画の有無、の3点である。
実務への示唆
分析国内でも食品用フィルム包装のマテリアルリサイクルにおいて、油分・臭気の除去は品質面での大きな制約となっている。COtooCLEANのような非水系・低薬剤の脱汚染技術は、将来的に国内の食品グレード再生材需要に対応する選択肢の一つとなり得るが、実証段階の技術であるため、コスト構造や規模拡大の実現性については今後の情報開示を注視する必要がある。
📎 一次情報・出典
Coveris公式ニュース(2026-04-16) →Alliance to End Plastic Waste(AEPW)プロジェクトページ →
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