背景・概要

事実Vecoplan AG(ドイツ・バートマリーンベルクを拠点とする産業機械メーカー)は2025年9月、乾式洗浄技術を専門とするPla.to GmbH(ドイツ・ゲルリッツ)を買収し、完全子会社として事業を継続させることを発表した。

事実Pla.toは水を使わない機械的プロセスによる乾式洗浄に加え、摩擦洗浄機や機械式乾燥機を用いた湿式洗浄プロセスの技術も有しており、買収によりVecoplanは搬送技術・破砕・洗浄までを一貫して提供できる体制を整えたとしている(Vecoplanのリサイクル部門シニアバイスプレジデントMartina Schmidt氏のコメントとして紹介されている)。

技術的な詳細

事実Vecoplan公式発表によれば、乾式洗浄技術は水を使わない機械的プロセスであり、押出成形に適したフレークを生成できるとされている。環境負荷の低さが特徴として説明されている。

事実Vecoplanは社内試験施設「Cleanikum」を保有し、顧客から持ち込まれた実際の材料を用いて試験を行い、乾式・湿式のいずれか、または組み合わせた処理のうちどれが最適かを検証できるとしている。

分析水を使う摩擦洗浄・湿式洗浄はプラスチックリサイクルの洗浄工程で広く採用されてきた一方、排水処理や乾燥エネルギーといったコストが課題となりやすい。乾式洗浄はこうした課題に対する代替・補完的アプローチとして位置づけられると考えられる。ただし、乾式洗浄で対応できる汚染の種類・除去精度がどこまで湿式に匹敵するかは、公表資料からは詳細を確認できない。

開発段階・実証/導入状況

事実Pla.toの乾式洗浄機はVecoplanによる買収以前から商用機械として販売されてきた実績があり、買収後もゲルリッツ拠点で製造・開発が継続されている。

事実2026年3月25日付のVecoplan公式発表では、同年5月5-6日にアムステルダムで開催される「PRS Europe 2026」のスタンドB98に、乾式洗浄技術を中心とした展示を行う予定であることが明らかにされた。

分析既存製品の商用実績があることに加え、大手業界展示会への出展を通じて認知拡大を図っている段階にあることから、開発段階は「普及開始過程」と判定する。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析本件が示すのは、単一のリサイクル機械メーカーが「乾式」「湿式」という異なる原理の洗浄技術を同一グループ内に併せ持つ動きが出てきている点である。フィルム系・混合廃棄物など汚染状態や樹脂種が多様な原料に対し、材料特性に応じて最適な洗浄方式を選べる体制を構築しようとする業界的な流れの一例といえる。

分析今後の注目点としては、①乾式洗浄で処理可能な汚染物・樹脂種の範囲がどこまで拡大するか、②大型化された乾式洗浄システムの開発状況(Vecoplan側のコメントで言及されている)、③PRS Europe 2026での具体的な引き合い状況、の3点が挙げられる。

実務への示唆

分析洗浄設備の選定にあたっては、湿式(摩擦洗浄・薬剤処理)と乾式(機械的処理)のどちらか一方を前提に検討するのではなく、原料の汚染特性に応じて両者を組み合わせる選択肢が広がりつつある点を踏まえておく必要がある。特に排水処理コストや洗浄後の乾燥エネルギーを抑えたい場合、乾式洗浄の適用可否を検討する価値がある。