背景・概要

事実Blue Mountain Plastics Recycling(BMP Recycling)は、カナダ・オンタリオ州シェルバーンを拠点に2010年に設立されたPETリサイクル施設で、ボトル飲料水メーカーIce River Springs(アイスリバー・スプリングス、オンタリオ州フェバーシャム拠点)系列のIce River Sustainable Solutionsが運営している。

事実APR(米国プラスチックリサイクラー協会)の公式プロフィールによれば、BMP Recyclingはカナダおよび米国北部の自治体回収施設からPETベールを購入し、色別選別・異物除去を行い、Ice River Springsの飲料ボトル製造ラインへ再生PETフレークを供給する、いわゆるクローズドループの一部を担っている。同社は2010年の稼働開始以来、7億ポンド超のプラスチックを循環利用してきたとAPRのプロフィールは紹介している。

技術的な詳細(洗浄工程)

事実APRの受賞発表資料によれば、BMP Recyclingは「ボトルとサーモフォーム(成形品)を同じ洗浄ラインで同時処理する」手法を確立している。APRの別資料では、同社が受け入れるPETベールには最大30%のサーモフォーム分が含まれており、これをボトルと組み合わせて処理していることが紹介されている。

事実APRは受賞理由として、この手法が回収率の向上、廃棄物の削減、輸送に伴う排出量の削減につながっていると説明している。

分析ボトルとサーモフォームは同じPET樹脂であっても、成形時の結晶化度や添加剤、汚染の付き方が異なるため、通常は別ラインでの処理が想定されやすい組み合わせである。既存設備の運用を工夫することで同一ラインでの処理を可能にしたという点で、大規模な設備投資を伴わない改善策として参考になり得る。ただし、洗浄条件(薬剤・温度・時間等)をどう調整したかという技術的な詳細は、公表資料からは確認できない。

開発段階・実証/導入状況

事実BMP Recyclingは2010年の設立以来、既存の商用洗浄ラインで稼働を続けており、今回のAPR「Processor of the Year」受賞(2026年2月25日発表)は、新技術の実証段階ではなく、既に稼働している運用実績が評価されたものである。

分析以上から、開発段階は「多数導入済み」と判定する。

この動きの位置づけと今後の注目点

分析本件が重要な理由は、業界団体APRが「サーモフォームとボトルの混合処理」という運用上の工夫を、技術革新として公式に表彰した点にある。サーモフォーム(食品トレー等の成形品)はボトルに比べてリサイクルが難しい素材とされてきたが、既存ラインの活用によって回収率を高められる可能性を示す事例といえる。

分析今後の注目点としては、①この混合処理手法が他の再生処理事業者にどの程度横展開されるか、②サーモフォーム比率をさらに高めた場合の再生材品質への影響、③Ice River Springsグループ以外の飲料メーカーとの取引拡大の有無、の3点が挙げられる。

実務への示唆

分析PETリサイクル事業において、ボトル用ラインとサーモフォーム用ラインを別々に構築するのではなく、既存の洗浄ラインの運用を工夫することで混合処理を可能にするというアプローチは、設備投資を抑えつつ回収率を高める選択肢として検討に値する。特に自治体回収の混合ベールを扱う事業者にとって参考になる事例である。