詳しい経緯と内容

事実油化は混合・軟質プラの出口として期待されるが、生成油を既存の製油・石化設備へ安定投入できる品質にすることが難所である。三菱ケミカルとENEOSの設備は、Muraの超臨界水を用いるHydro-PRTを採用し、年2万トンの廃プラ処理能力を掲げる。最新IRでは2025年7月完成、2025年度末までの商業運転開始予定とされるが、2026年8月時点で開始実績は確認できていない。この時間差自体が重要な教訓である。

分析商機は、塩素・金属・水分を抑えた原料調達、前処理、生成油の分析・精製、認証、既存クラッカーへの物流にある。排出者は焼却される複合フィルムの新たな出口を検討できる。一方、新規参入者は反応器の設計能力だけで稼働時期を見積もらず、試運転、連続運転、腐食、油の受入認定、マスバランス監査を工程へ入れるべきだ。特にPVC等の混入は設備・油品質へ影響するため、原料規格と違反時の負担が必要になる。供給者は最低引取保証だけでなく、立上げ遅延時の代替処理先を確保したい。投資評価では公称能力ではなく、初年度の実負荷率と可販油収率を保守的に置き、補助金なしの収益性も確認する。計画案件では、完成と商業運転を分けて追跡することが不可欠である。