詳しい経緯と内容

事実ケミカルリサイクル案件では、完工しても規格品を連続生産し、顧客へ販売できるまでに時間がかかる。EastmanはKingsportでポリエステル更新技術を使い、2024年に規格適合品の生産と売上計上を公表した。対象は機械再生が難しい着色・複雑なPET/ポリエステル系で、分子へ戻して食品接触を含む高品質材料へ再構成する。

分析回収会社にはトレー、ボトル、繊維を組成別に集める商機があり、ブランドにはバージン同等用途の再生材調達先が増える。日本企業は、国内の難再生ポリエステルの前処理や、技術ライセンス・共同用途開発を検討できる。ただし「規格品が出た」ことは、設計能力で一年中動くことや目標利益を達成したことを意味しない。新規参入者は立上げ時の歩留まり、停止、エネルギー、原料値引き、製品構成を追い、初年度EBITDAを過大評価しないことが重要だ。また繊維と包装では染料・添加剤・食品規制が異なるため、原料プールを広げすぎると精製費が増える。契約では用途別の受入仕様と最低量を設定し、オフテイクを設備建設前に確保する。先行案件からの最大の学びは、技術デモではなく規格品の反復生産と顧客認定が事業化の境目になる点である。