背景:なぜ洗浄工程が規制対象になるのか

事実本法は1970年12月25日に公布され、1971年6月24日に施行された。工場排水による公共用水域・地下水の汚染防止を目的とし、近年は要監視項目(微量有害物質)の追加や、2012年改正で導入された地下水汚染の未然防止のための構造基準(有害物質を扱う特定施設の床面・配管等の構造・点検義務)など、規制の厚みが増している。プラスチックリサイクルでは洗浄工程が主要な規制対象となり、特にフィルム系リサイクルでは排水量・COD(化学的酸素要求量)負荷が大きく影響する。

具体的に何が求められるのか

事実政令で定める「特定施設」(一定規模以上の洗浄施設等)を設置する事業場は、都道府県知事等への届出、排水基準の遵守、排水の測定・記録(保存義務あり)が求められる。基準は全国一律基準に加え、閉鎖性水域など指定地域では総量規制、自治体条例による上乗せ基準が課される場合がある。

  • 一律排水基準:pH、COD、SS(浮遊物質量)、油分等の項目ごとに数値基準が設定されている
  • 上乗せ基準:都道府県条例により、一律基準より厳しい数値が定められている地域がある
  • 地下水汚染未然防止:有害物質使用特定施設は、床面の構造・定期点検(頻度は施設規模等による)が義務付けられる
📌 実務上のポイント

分析新規参入においては排水処理設備の初期投資が参入障壁となり、簡易洗浄では基準を満たせないケースが増えている。一方で、水使用量削減型プロセス(クローズドループ洗浄)や乾式洗浄技術は、排水量そのものを減らすことで処理設備の規模を抑えられ、コスト優位性を持つ可能性がある。

新規参入を検討している企業にとって何を意味するか

分析排水処理設備は「後から足す」のではなく、設計段階で組み込むことが事業成立の前提条件になる。処理能力に対して過大・過小な設備投資はどちらも収益を圧迫するため、想定原料の汚れレベル(フィルム系か、ボトル系か等)に応じた適正設計が重要。立地予定の自治体が上乗せ基準・総量規制の対象地域かどうかも、事業計画の初期段階で確認しておくべき点。

既存事業者が実務で対応すべきこと

事実定期的な水質測定、記録管理、自治体への届出対応が必要であり、排水基準の地域差(上乗せ基準)にも留意が必要。

  • 特定施設の該当有無を確認し、必要な届出を行う
  • 立地自治体の上乗せ基準(一律基準より厳しい場合がある)を確認する
  • 水使用量削減・クローズドループ化による排水負荷そのものの低減を検討する