バーゼル条約プラスチック廃棄物改正
- 何が起きたか
- 混合・汚染廃プラスチック等をY48、危険性を有するものをA3210、一定の単一樹脂等をB3011に分類し、多くの越境移動を事前通告・同意(PIC)の対象とした。
- 誰に関係するか
- 廃プラスチック輸出入業者、商社、リサイクラー、物流・通関業者、輸出国・輸入国・通過国の当局。
- いつから影響するか
- 採択:2019年5月。発効:2021年1月1日。各国の国内実施法、非締約国取引、OECD域内ルールは別途確認。2026年6月23〜26日にジュネーブで開催された第15回公開作業部会(OEWG-15)でPIC制度の強化等が議論され、各国意見の提出期限は2026年10月30日、次回COP18で継続審議予定。
- 商機
- 単一樹脂化、汚染除去、成分分析、B3011適合証明、PIC申請支援、国内再資源化能力の増強に需要がある。
- リスク
- 誤分類、無同意輸出、虚偽申告は違法取引と扱われ、返送、保管・処分費、刑事・行政責任、取引停止につながり得る。
- 推奨アクション
- 契約前にA3210・Y48・B3011の分類、輸出入・通過国の同意、最終リサイクル工程、汚染基準、返送費負担を確認する。
詳細解説
事実バーゼル条約改正は、廃プラスチック輸出が受入国の不適正処理や海洋流出につながる問題を受け、越境移動の透明性を高めるために導入された。危険特性を有するA3210と、特別な考慮を要する混合・汚染廃プラY48は原則PIC対象となる。一方B3011は、環境上適正なリサイクル向けで、ほぼ汚染がなく、定められた単一の非ハロゲン系樹脂等など条件を満たすものを扱う。B3011は「廃プラなら自由に輸出できる」例外ではない。
分析新規参入者は選別・洗浄でB3011品質を作る商機があるが、国ごとの「ほぼ汚染なし」の運用、HSコード、輸入禁止を確認する必要がある。既存商社は分析証明、写真、梱包、最終処理契約、通過国同意を保存し、積出し前にPIC手続が完了していることを確認したい。違法移動時の返送費は大きいため、分類変更や受入拒否時の費用負担を契約で定めることが不可欠である。輸出国側の国内法手続も同時に満たす必要がある。
事実2026年6月23〜26日にジュネーブでバーゼル条約第15回公開作業部会(OEWG-15)が開催され、多数の締約国が参加した(参加規模の詳細は事務局の公式報告書で今後確認予定)。電子廃棄物・繊維廃棄物・有害廃棄物に関する技術的な検討が進む一方、プラスチック廃棄物と船舶リサイクルをめぐっては各国の立場の相違が残り、妥協的な決定にとどまったと報じられている。PIC(事前の情報に基づく同意)制度を新たな廃棄物区分の追加に応じて強化する方向で合意しており、各国からの意見提出期限は2026年10月30日、次回のCOP18でプラスチック関連の議論が継続される予定である。
分析現時点でY48・A3210・B3011の分類基準そのものに変更はないが、PIC制度の運用が今後強化される方向にあるため、越境移動の手続コスト・審査期間が中期的に増える可能性を織り込んでおきたい。本項目は速報段階の情報のため、確定的な制度変更が生じた際は改めて確認する。
📎 一次情報・出典
バーゼル条約事務局|プラスチック廃棄物改正 →
IISD Earth Negotiations Bulletin|Basel Convention OEWG-15報告 →
本記事は公開情報を基にした事業判断用の整理であり、個別案件への法律意見ではありません。対象判定・域外適用の要否は、所管官庁または専門家にご確認ください。
廃プラスチックの越境取引でお悩みですか?
分類判定・PIC手続の確認について、専門スタッフがご相談に対応します。