🌏 米国・アジア規制レポート 2026年8月号
カリフォルニア州SB54の運用進展、オレゴン州RMAの司法判断待ち、ワシントン州の新規参入、バーゼル条約の国際協議
タイル02「法律・補助金」の米国・アジア規制タブを対象に、直近1か月の改正・施行・パブコメ・訴訟の動きを整理する月次レポート。今月は、既存掲載の5規制のうち2件(カリフォルニア州SB54、オレゴン州RMA)で具体的な進展があり、国際的にはバーゼル条約の作業部会が開催された。加えて、米国で包装EPR法を持つ州が新たに1州増えたため、新規カードとして追加した。マレーシア・タイの輸入規制については、この1か月で確認できる新たな公式発表は見当たらなかった。
今月のポイント
- ①カリフォルニア州SB54:Circular Action AllianceのプログラムPlanが公開意見募集中(〜8/14)。最終計画は10/13までにCalRecycleへ提出、2027年1月のフル実施に向け手続が進行。
- ②オレゴン州RMA:全米卸売流通業協会(NAW)の違憲訴訟で、連邦地裁が2026年2月にNAW会員への執行を差止め。7/13〜17に5日間の裁判が開かれ、判決は8月末までに示される見通し(本レポート時点で未確定)。
- ③ワシントン州:2025年5月制定のSB5284(Recycling Reform Act)により、包装EPR法を持つ米国7番目の州に。2026年に生産者登録手続が集中し、2030年フル実施予定。新規カードとして追加。
- ④バーゼル条約:6/23〜26にジュネーブで第15回公開作業部会(OEWG-15)開催。PIC制度の強化等を協議、プラスチック関連は次回COP18へ継続。
- ⑤マレーシアのCOA制度・タイの輸入禁止は、この1か月で確認できる新たな公式発表なし(既存記事の内容から変更なし)。
今月の主な動き
事実カリフォルニア州SB54では、CircularActionAllianceが6月15日に提出したプログラム計画が8月14日まで公開意見募集の対象となっている。最終プログラム計画は10月13日までにCalRecycleへ提出され、2027年1月1日までの承認・フル実施開始が予定されている。オレゴン州RMAでは、全米卸売流通業協会(NAW)が州際通商条項違反等を理由に提起した違憲訴訟について、連邦地裁が2026年2月6日にNAW会員企業への執行を差止める予備的差止め命令を出した後、7月13〜17日に5日間の裁判が開かれた。担当判事は結審時点で結論を明らかにしておらず、判決は8月末までに示される見通しだが、本レポート作成時点(8月20日)ではまだ判決は出ていない。
事実新たな動きとして、ワシントン州が2025年5月17日に制定したSB5284(Recycling Reform Act)が、2026年に入り生産者登録の実務手続き期限(PRO指定:1/1、PRO州登録:3/1、生産者登録:7/1)を迎えている。同州はカリフォルニア・コロラド・メイン・メリーランド・ミネソタ・オレゴンに続く、米国7番目の包装EPR法制定州となった。国際面では、バーゼル条約の第15回公開作業部会(OEWG-15)が6月23〜26日にジュネーブで開催され、PIC(事前の情報に基づく同意)制度の強化等が議論された。プラスチック廃棄物の分類基準(Y48・A3210・B3011)そのものへの変更はないが、各国意見の提出期限は10月30日、次回COP18で継続審議される。
分析今月最も注目すべきはオレゴン州RMAの司法判断であり、判決次第では制度の適用範囲・執行方法が変わり得る。既に判決が出たとの誤解が広まりやすい局面のため、確定情報が出るまでは「係争中」であることを前提に取引先とのやり取りを行うのが適切と考えられる。
タイル02への反映
- 米国・アジアタブの件数を5→6に更新し、ワシントン州SB5284の新規カード(詳細ページ)を追加した。
- カリフォルニア州SB54・オレゴン州RMAの既存カードの説明文を、今月の進展を反映して更新した。
- カリフォルニア州SB54・オレゴン州RMA・バーゼル条約の各詳細ページ本文を更新し、情報取得日を2026-08-20に更新した。
- マレーシア・タイの2記事は今月確認できる新規情報がなかったため、変更していない。
実務への示唆
分析米国の包装EPR規制は、カリフォルニア・オレゴンの先行2州で「運用段階での調整(規則の意見募集、司法判断)」フェーズに入りつつあり、同時にワシントン州のような新規参入州も現れている。複数州にまたがるEPR対応を個別対応するのではなく、SKU別の販売量・材質データを一元管理する仕組みを早期に構築しておくことが、今後増える州への横展開コストを抑える鍵になると考えられる。アジアの輸入規制(マレーシア・タイ)は制度自体が既に安定運用されている段階にあり、今月は目立った変化がなかった。
※ 日本・欧州・補助金の規制動向は、姉妹タスクが別途月次レポートとして報告します(本レポートの対象範囲は米国・アジアのみ)。
📌 この記事が最も影響する業界ポジション
- 1位:輸出入業者・商社直接影響 — 米国州別EPR規制・アジア輸入規制の変化は取引先要件・書類対応に直結するため。
- 2位:食品・容器包装メーカー直接影響 — 北米向け包装のEPR対応・州別データ集計の負荷に直結するため。
📎 一次情報・出典
CalRecycle|Packaging EPR → Circular Action Alliance|California Program Plan Submission(2026-06-15) → OPB|Oregon’s new package recycling rules go on trial(2026-07-14) → Jefferson Public Radio|Federal judge will decide future of Oregon’s law by end of August → ワシントン州エコロジー局|Recycling Reform Act → Holland & Knight|Washington State Enacts EPR Program → IISD Earth Negotiations Bulletin|Basel Convention OEWG-15 →
米国・アジア向け取引の規制対応でお悩みですか?
複数州EPR対応・輸入規制の実務判断について、専門スタッフがご相談に対応します。