再生樹脂ペレット 価格情報 2024/6/21

ニューヨーク原油は6月21日金曜日、1バレル80.73ドルで取引を終えました。
米ドル高と中東紛争激化により、世界の原油需要の伸びが懸念されたものの、アジア市場では下落しました。
原油価格は7週間ぶりの高値を付けていましたが、米国の原油需要改善と燃料在庫減少の兆候にもかかわらず、下落しました。

原油価格が1バレル75ドルを下回り、季節的な需要の低迷と国内経済の低迷が続く中、プライム価格は6週間以上にわたり下落しています。
価格に影響を与えているもう一つの要因は輸送費の上昇であり、これがPET、PVC、PE、PP、ABS、PMMA、POM、ナイロンなどのプライム素材の輸出競争力に影響を与えています。多くのプラスチック最終ユーザーは、製品の輸入関税を節約するために、ベトナム、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシアなどの東南アジア諸国に移転しており、最終市場は米国と欧州となっています。

EUは中国で生産された電気自動車（EV）に対し、標準の10％関税に加えて、17.4％から38.1％の暫定関税を課す予定であると最近発表しました。
これにより、中国経済は悪影響を受けることになります。特に、より多くの中国製製品が追加関税の対象となる可能性が高いため、新たな生産ラインが稼働する中でプライム価格が大幅に上昇する可能性は低いです。

中国におけるリサイクル材料の価格は、ABSを除いて、価格と需要の面で安定しています。ABSはプライム価格の継続的な下落、在庫過剰、季節要因により、最近の高値から下落しています。対照的にリサイクルPETは、生産者が開始したさまざまな持続可能性プログラムに支えられ、価格と需要が増加しています。
さらに、中国は現在PETフレークの輸入を許可しており、これは中国がプラスチック廃棄物に関する政策を緩和した初めての出来事です。
PEおよびPPリサイクルペレットについては、スクラップのコストが上昇しているため（例：ナチュラルPEフィルム98フィルムは1トンあたり500ドル、グレードAのビッグバッグは280ドル以上）、ほとんどのリサイクルペレットは、ペレットに加工された後、東南アジアの国内市場でそれぞれ850ドル以上と700ドル以上で販売されています。
シートやプレートからのナチュラルPCのリグラインドや、欧州および米国市場での青色のPCボトルの着色など、より多くのリサイクル材料が産業に再導入されています。さまざまなリサイクル業者の原料が不足しており、状況は改善する見込みがなく常態化する可能性があります。

アジア向けの汚れがなく加工しやすいスクラップは、中国国内需要の高まりと日本、EU、その他の先進国からの輸出規制により、入手が困難になっています。
アジアに依然として輸出されているスクラップは、競合する輸出国が支払う価格と同額か、選別のための人件費が高額なため西側諸国では扱えないもの、あるいはリサイクル業者にとって扱いが難しい少量でイレギュラーなものです。

アジアのリサイクル業者は、現在オファーのある材料は高すぎるか面倒すぎると感じています。今日では量があって利益の出る品目は事実上存在しません。これは、商品の国境を越えた移動に対する規制上の制限や、リサイクル業者と競合するプライム材料の過剰供給とは別に、私たちの業界にとっての課題です。

Dr.Steve

香港FUKUTOMI社のCEO
中国リサイクル協会のExective President
香港の大手プラスチックトレーディング会社を長年経営。
最盛期は月間1,500コンテナを取り扱い、世界中の廃プラスチックをリサイクルしてきた。
1年の半分以上を世界各国を飛び回り、プラスチックリサイクルマーケットを観察している。フルマラソンを走るマラソンランナー。