2025年3月28日現在のプライム、リサイクル、スクラッププラスチックの市場更新情報です。
プライムバージン価格は、中国の主要なバージンポリマー・
人民元(RMB)表示、消費税込み、為替レートは1米ドル=7.2626中国円。
ニューヨークの原油価格は69.03ドルで取引を終え、トランプ氏が「ベネズエラから石油やガスを購入する国に対しては、米国とのすべての取引に25%の関税を課す」と発言したことを受けて、3週連続の上昇を記録しました。市場関係者は、年後半に在庫が増加すると予想されることから、下押し圧力を見込んでおり、地政学的な出来事、貿易政策、大手産油国の生産方針に市場は依然として敏感な状況です。
中国では、原油価格や原料コストが上昇しているにもかかわらず、プライム・バージン価格は引き続き下落しています。以下は各樹脂の価格動向とその要因です。
中国のABSは、需要の低迷と供給過剰を主因に下押し圧力を受けました。こうした状況下で、メーカーは価格維持に苦戦しています。また、スチレンやブタジエンといった原料コストの変動もABSの価格に影響を与えました。全体として、市場心理は慎重で、買い手はより有利な価格を見越して様子見の姿勢を取っています。
PS市場も、過去2週間にわたり弱含みで推移しました。GPPSおよびHIPSの両方が、下流需要の弱さと在庫水準の高さの影響で価格下落を記録しました。主要原料であるスチレンモノマーの価格変動も、PS価格に影響を与えました。買い手はさらなる値下がりを見込んで購入を先送りしています。
中国におけるPE価格も全体的に弱含みの傾向が続きました。この弱さは、供給の潤沢さ、新しい生産能力の稼働、特に農業用フィルム分野における下流需要の回復遅れが要因です。
PPのプライムバージン価格は変動なく、需給は均衡しています。
PMMAの国内価格はトン当たり16,200元で、600元の下落となりました。これは需給バランスと原料コストの変動の影響によるものです。
PC(ポリカーボネート)市場は供給過剰と地政学的リスクの影響で圧力を受け、過去3カ月で1,400元以上値下がりし、現在はトン当たり10,600元です。市場関係者は、これらの要因が今後も価格を抑えると見ていますが、自動車や電子機器など高機能用途への投資が進んでおり、長期的には需要が価格を下支えする可能性があります。
ナイロンの価格は、PA6が400元、PA66が700元下落しました。業界では2025年から2030年にかけて自動車分野の需要増により年平均成長率(CAGR)6.5%が見込まれていますが、市場関係者は、原料の供給状況や環境規制が将来の価格に影響を与える可能性があると見ています。
POM(ポリアセタール)はほぼ横ばいで推移しており、供給安定性、需要回復、貿易政策などの要因が影響しています。米国、EU、日本、台湾などから輸入されるPOM共重合体に対するアンチダンピング関税の導入は、輸入品との競争を減らし、国内メーカーを下支えしています。
PET(ポリエチレンテレフタレート)の価格は比較的安定しており、包装分野からの安定した需要と需給バランスがその背景にあります。ただし、原料市場や世界的な貿易政策の動向により、短期的には価格の変動が予想されています。
PVC(ポリ塩化ビニル)の価格は、エチレンコストの変動や需給バランスの影響を反映しています。3月初旬には世界のPVC市場で価格動向がまちまちとなり、アジアではエチレン価格の安定や将来のパフォーマンス改善見通しにより、価格は安定しています。アナリストによると、2025年を通してPVC価格は4,800元から6,200元の範囲で変動すると見られており、現在の価格は5,000元です。
中国および東南アジア全域の再生ペレット市場動向:
全体として価格は下落傾向にあり、特にPE、PP、PET、PVCといった汎用樹脂の新材価格が下がっていることが影響しています。ただし、リサイクルペレットやPETフレークがPCR(再生材)としてサステナビリティプログラムに使われる例では例外もあります。HIPSやPSの再生ペレットは、家電用途における需要が増加しており、ブランドによる再生材使用への取り組みが需要を後押ししていることから安定しています。マレーシアのリサイクル業者は、最近強化された港湾での税関検査に起因するデマレージ(滞船料)や遅延によって運用コストが上昇しており、これはサプライチェーンやキャッシュフローにも影響しています。マレーシアでは、自動車部品、パレット、家庭用品、コンパウンド用途として、射出成形グレードの再生PPと再生ペレットの需要が高い状況です。一方で、PC、ナイロン、POMなどその他の再生材は、新材価格の低迷と市場の弱さにより、横ばいから弱含みの状態にあります。
スクラッププラスチック市場は依然として改善しておらず、タイおよびベトナムのリサイクラーの輸入許可が更新されていないため、多くのスクラッププラスチックはマレーシアに流れ込んでいます。マレーシアでは電子廃棄物およびプラスチックスクラップの輸入に対する厳格な管理が行われており、船会社はブッキングを断るケースも出てきています。リサイクル業者は、マレーシア当局もタイやベトナムと同様に輸入許可を更新しないのではないかと懸念しています。販売価格はプライムバージン価格に大きく影響されており、黒色や混色の再生PP(フレキシブルコンテナバッグ由来)ペレットや混色LDPEは500ドルを下回る価格で販売されており、これはリサイクルコストを辛うじて賄う水準です。マレーシアのリサイクル業社は、規制の変化、市場の変動、サプライチェーンの課題といった複雑な状況を乗り越えるため、柔軟な対応戦略を求められています。
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