2025年5月9日現在のプライム、リサイクル、スクラッププラスチックの市場更新情報です
プライムバージン価格は、中国の主要なバージンポリマー・
人民元（RMB）表示、消費税込み、為替レートは1米ドル＝7.2382中国円。
2025年5月9日、WTI原油はバレルあたり61.02ドルで終了し、最近の安値である56ドル付近から反発しましたが、1週間前の64ドルには届かない水準にとどまりました。この反発は、OPEC+による41.1万バレル/日の増産、アメリカの第1四半期GDP成長率が0.3%減少したことによる景気後退懸念、中国の成長懸念、アメリカの関税政策など、世界経済に対する懸念が影響しています。原油価格の下落は、米国のシェール生産者の損益分岐点である61～65ドルを下回っており、減産や掘削活動の減少につながっています。
中国のバージン樹脂価格は、原油価格の反発にもかかわらず、依然として下落基調にあります。
ABSは9,400元/トンまで下落しました。スチレン価格の下落、需要の弱さ、高水準の在庫が影響しており、市場の雰囲気は弱く、下流の需要回復は見られていません。山東海江や遼寧金発では設備保守が予定されていますが、価格の下支えにはなっていません。
PS（華東地域のGPPS）は50～100元/トン下落し、7,730元/トンとなりました。コスト支援は限定的で、下流需要が弱く、価格は軟調であり、トレーダーは販売促進のために値引きを行っています。
PEはHDPEで3～15元/トン、LDPEで38元/トン、LLDPEで21元/トンの下落となりました。一部の売り手は販売目標の達成後、供給を制限していますが、買い意欲は引き続き弱いままです。供給減があっても、需要や政策面の不確実性が価格の重しとなっています。
PPは華東地域のラフィアグレードで150元/トン上昇し、7,500元/トンとなりました。原油の反発によるコスト支援はあるものの、下流の買い控えと高在庫により、トレーダーは引き続き値引きで販売しています。連休明けの在庫増加は供給減の影響を相殺しています。
PMMAはほぼ安定しており、直近では100元/トン程度の下落となっています。供給能力は限られており、需要は一定水準にありますが、原料MMAの価格が高く、価格上昇は限定的です。
PCは1万～1万3,000元/トンで推移しています。高在庫と需要の低迷、原料BPA価格の下落が影響しており、山東省では一部メーカーが減産または操業停止に入っています。
PA6は1万500元/トンで取引されており、原料カプロラクタム価格の弱含みにより市場の雰囲気は慎重です。来週には一部工場が再稼働を予定しており、供給増の可能性があります。
PA66は供給過剰が続いており、稼働率は45%を下回っています。アジピン酸やヘキサメチレンジアミンの価格が軟調で、市場は引き続き下落基調にあります。
PETは6,000元/トンで取引されており、原油とPXの供給懸念が価格を支えていますが、下流からの積極的な買いは見られていません。
PVCは華東地域のカーバイド法で4,800元/トン、エチレン法で4,850～5,100元/トンで推移しています。現物市場の取引は鈍く、在庫は高水準で、インドのアンチダンピング政策などにより海外需要の不透明感が続いています。来週の稼働率はわずかに低下する見通しですが、市場への影響は限定的です。
再生ペレット市場では、原料価格がバージン樹脂の値下がりと米国の関税政策の影響を強く受けています。米国向け製品を扱う電気機器関連では注文キャンセルが相次ぎ、PSやABSの再生業者に大きな打撃となっています。一部工場では50%以上の減産が見込まれています。ナイロン、PC、POMなどのエンプラも直近2ヶ月で20～30%の価格下落があり、再生材の競争力は低下しています。スクラップ価格の下落余地も限られており、採算が取れる案件は減少しています。
また、タイやベトナムでは輸入規制が強化されており、マレーシアでは輸入は可能であるものの、手続きの厳格化により多数のコンテナが港に滞留しており、滞船料や通関コストが急騰しています。アジア、米国、欧州では需給のミスマッチ、運営コストの上昇、原料不足が深刻化しており、過去12ヶ月で過去最多のリサイクる業者が廃業に追い込まれています。
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