【2026年7月31日号】プラスチックリサイクル市場状況:ホルムズ海峡リスクで原油急騰、再生材市場は「持続可能性」と「経済性」に二極化

本レポートは、バージン樹脂(プライム)・再生ペレット・スクラップの各市況を、2026年7月31日時点の状況としてまとめたものです。バージン樹脂価格は中国の主要ポリマー市場を情報源とし、付加価値税(VAT)込みの人民元建てで、為替レート 1米ドル=6.7515人民元を基準としています。

主要グレード価格推移(週次)

項目 2026/7/31 2026/7/30 2026/7/24 2026/7/17 2026/7/10
WTI(原油・終値) 83.59 84.46 92.19 78.28 72.08
Brent(原油・終値) 89.03 90.74 100.69 84.23 76.30
ABS 9,800 9,800 10,200 10,000 9,600
PS 8,500 8,500 8,700 8,350 8,000
PE 8,750 8,750 8,850 8,800 8,350
PP 9,400 9,400 9,480 9,550 8,850
PMMA 13,400 13,400 13,250 13,250 13,250
PC 10,900 10,900 10,950 10,850 10,300
PA66 17,750 17,750 17,750 17,600 17,250
PA6 13,000 13,000 12,900 12,400 12,000
POM 8,200 8,200 8,200 8,200 8,000
PET(ボトルグレード) 7,750 7,700 7,750 7,650 7,450
PVC 4,610 4,560 4,710 4,670 4,590

※ 原油(WTI・Brent)は米ドル/バレル(終値)、樹脂各グレードは人民元/トン。

原油市場

原油価格は、中東での供給途絶懸念の再燃が世界的な供給増加観測を上回り、7月を高値で終えました。7月31日のニューヨーク市場では、WTIが前日の83.59米ドルから1.08米ドル(1.3%)上昇し、1バレルあたり84.67米ドルで取引を終えました。ブレントも1.09米ドル(1.2%)上昇し、90.12米ドルで引けました。

今回の上昇は、ホルムズ海峡の通過を試みた複数のタンカーが停船させられたり、引き返しを余儀なくされたりしたとの報道を受けたものです。これにより中東からの原油輸送の信頼性への懸念が再燃し、市場には新たな地政学的リスクプレミアムが上乗せされました。紅海およびバブ・エル・マンデブ海峡の航路をめぐる不安定な状況の継続も、運賃・保険料の上昇やエネルギー安全保障への懸念につながりました。

WTIは7月中に約21%、ブレントは約24%上昇しました。この大幅な月間上昇は、軍事衝突の再燃、船舶航行の制限、米国原油在庫の引き締まりを反映したものです。それでも市場は依然として非常に不安定です。OPECプラスの追加増産、需要の伸び鈍化、中東の海上輸送状況の改善は価格の下押し要因となり得る一方、ホルムズ海峡でさらなる混乱が生じれば、原油は再び急騰する可能性があります。

中国バージン樹脂市場レポート

概況

バージン樹脂市場は当週、米国・イラン間の緊張緩和を受けた原油の急落の後も、不安定な展開が続きました。原油はその後持ち直したものの、季節的な需要の弱さと慎重な購買姿勢により、大半のポリマーは反発に十分追随できませんでした。買い手は総じて、当面の生産に必要な分のみの購入を続けました。当社の価格チャートによると、中国では汎用樹脂およびスチレン系ポリマーが7月22日時点と比べて総じて軟化しました。

ABS

ABSは350元/トン下落し、9,850元/トンとなりました。スチレン市況の弱含み、高値提示への抵抗、季節的な需要低迷が市場の重しとなりました。

PS

PSは80元/トン下げて8,500元/トンとなりました。スチレンによるコスト面の下支えが弱まる一方、下流の買いも限定的なままでした。

PE(ポリエチレン)

PEは100元/トン下落し、8,700元/トンとなりました。原油コストの低下に加え、包装・フィルム需要が弱いままだったことから、HDPE・LDPE・LLDPEのフィルムグレードがいずれも軟化しました。

PP(ポリプロピレン)

PPは150元/トン下げて9,400元/トンとなりました。予定外の設備メンテナンスにより供給は絞られたものの、低い稼働率と限られた下流受注が持続的な回復を妨げました。

PMMA

PMMAは150元/トン上昇し、13,400元/トンとなりました。ただし、光学・装飾用途からの需要は引き続き低調でした。

PC(ポリカーボネート)

PCは50元/トン小幅に上昇し、10,900元/トンとなりました。メーカーはコスト圧力を理由に提示価格の維持を図りましたが、スポット取引は低調なままで、より広い市場では一部グレードで値下がりも記録されました。

PA66

PA66は17,750元/トンで変わらずでした。コスト面の下支えは続いたものの、自動車および電子部品向けの需要は季節的に弱い状況でした。

PA6

PA6は当社の指標チャートで200元/トン上昇し、13,000元/トンとなりました。ただし市場全体はまちまちの展開で、汎用紡糸グレードはベンゼンおよびカプロラクタムのコスト低下による圧力を受けました。

POM(ポリオキシメチレン)

POMは8,200元/トンで変わらずでした。一時的なメンテナンスが一部メーカーの提示価格を下支えしたものの、下流受注の弱さがそれ以上の上昇を抑えました。

PET(ボトルグレード)

PETボトルグレードは100元/トン下落し、7,600元/トンとなりました。週後半には原油・原料コストの持ち直しとともに価格は回復しましたが、買い手は高値の提示品を追うことには慎重でした。

PVC

PVCは4,650元/トンでおおむね安定していました。弱いコスト、潤沢な供給、低迷する建設需要が引き続き上値を抑えました。

まとめ

総じて、中国のバージン樹脂市場は需要主導ではなく、コスト主導の展開が続きました。原油の回復は一時的な下支えとなったものの、加工業者は低水準の在庫を維持し、投機的な購買にはほとんど関心を示しませんでした。

世界のバージン樹脂市場

米国

米国のバージン樹脂市場は、引き続き買い手優位の展開となりました。PEは潤沢な在庫と供給余力による圧力を受け続け、季節需要も市場を引き締めるには不十分でした。PPもプロピレンコストの軟化とともに弱含みが続き、PVCとPETは低調な需要と限られた価格決定力に直面し続けました。メーカーは今後も値上げを発表する可能性がありますが、現在のファンダメンタルズは本格的な回復を支えるには力不足です。

欧州

欧州のPE・PP市場は、夏季休暇、加工業者の稼働率低下、計画的な工場停止により購買活動が減少し、弱含みが続きました。エンジニアリングプラスチックは相対的に安定していたものの、買い手は慎重姿勢を崩さず、当面の必要分のみの購入を続けました。高い生産コストは一定の下支えとなりましたが、消費の弱さがメーカーの値上げ余地を制限しました。

中東

中東の樹脂市場は、地政学および海上輸送の動向に引き続き敏感に反応しました。緊張の緩和により当面の供給リスクプレミアムは低下したものの、販売量の減少と物流面の不確実性の継続が、市場心理を慎重なものにとどめました。輸出価格は引き続き、原油、運賃、域内の供給状況に左右されています。

見通し

見通し:バージン樹脂価格は今後も不安定ながら、総じてレンジ内の推移が続くと見込まれます。地政学的緊張が再燃すれば、原油・運賃・原料コストは急速に上昇し得ます。一方で、世界的な消費の弱さ、潤沢な生産能力、慎重な在庫管理が、メーカーによる持続的な値上げの実現を引き続き困難にするとみられます。

再生ペレット市場

世界の再生ポリマー市場は、持続可能性や再生材含有率の要件を満たすために購入される材料と、主に経済的な効率性を目的に購入される材料とに二分された状態が続いています。ナチュラル色でトレーサビリティのあるポストコンシューマー(使用済み)材や食品接触グレードは大きなプレミアムを維持できる一方、通常の黒色・混色ペレットはバージン樹脂やオフグレード品と直接競合しなければなりません。

米国:rHDPE

米国のナチュラルrHDPEは、再生ポリオレフィンの中で最も高価格帯の材料の一つであり続けています。特に、使用済みの牛乳ボトルや家庭用品ボトル由来の材料が高値です。ナチュラルボトルの原料は限られており、トレーサビリティのある再生材含有を必要とする包装メーカーから強い引き合いがあります。

直近の業界指標では、ナチュラルrHDPEペレットは最高125セント/ポンド(約2,756米ドル/トン相当)と評価されており、バージンのブロー成形用HDPEの約860米ドル/トンと比べ大幅なプレミアムとなっています。この大きなプレミアムは、原料の希少性、ナチュラル色、臭気管理、トレーサビリティ、消費者向け包装への適合性を反映したものであり、通常の再生HDPE用途向けの価格ではありません。したがって、ナチュラルrHDPEを、パイプ、パレット、コンテナなどの汎用製品に使われる黒色・混色HDPEペレットと直接比較すべきではありません。

米国:rPET

米国のrPET価格も、特に透明フレークと食品グレードペレットで比較的高値を維持しています。直近の市場指標では、ロサンゼルスの透明rPETフレークは約1,013米ドル/トンで、東南アジア産のFOB約710米ドル/トンと対照的です。この差は、米国の高い回収・生産コストに加え、国産の再生材への需要を反映しています。

食品グレードrPETペレットは、これまで約73.5セント/ポンド(約1,620米ドル/トン相当)と評価されており、バージンのボトルグレードPETの約1,279米ドル/トンを上回ります。このプレミアムの多くは、食品接触認可、精製処理、トレーサビリティ、ボトルtoボトル適性によるものです。

それでも米国の需要は弱まっており、高水準の在庫と価格競争力のある輸入透明フレークが、国内リサイクル業者のマージン維持を難しくしています。

アジア:rPET

アジアのrPETは高い競争力を保っているものの、総じて米国市場より弱い状況です。東南アジア産の標準的な透明フレークは直近で約710米ドル/トン(FOB)と示されており、プレミアム透明品や食品グレードは、PVC含有量、色、固有粘度、最終用途に応じてより高い価格で取引されています。

日本からは、PET温水洗浄(ホットウォッシュ)フレークが約770米ドル/トン(日本港FAS)で提示されています。海上運賃などの輸出コストを加えると、着地価格は複数のアジア市場での目標買値を上回ります。これは日本のリサイクル業者が直面する難しさを示しています。品質は十分であっても、総着地コストでは東南アジア、南アジア、中東の材料と競争しにくいのです。

需要は選別的なままです。繊維メーカーは引き続き経済性の高い原料を重視する一方、ボトルtoボトル用途の需要家はより高い品質、トレーサビリティ、より厳格な汚染管理を求めています。

アジア:WEEE由来rHIPS

アジアの再生HIPS市場は、引き続き強い圧力下にあります。衝撃強度約9の高品質なWEEE(廃電気電子機器)由来HIPSペレットは、最高で約930米ドル/トン(アジア港FAS)で提示されています。

従来、衝撃強度10超でREACH・RoHS適合の非常に良質なHIPSは、1,000米ドル/トン近くで販売することができました。しかし現在、一部のリサイクル業者はVAT込みで約6,100元/トンでの販売を提示しています。VATを除いた正味価格は、為替レートにもよりますが約720〜730米ドル/トンにすぎません。

あるWEEE処理業者は、5,000トン超の在庫を抱えていると報告されています。これは、在庫が過剰で下流需要が弱い局面では、衝撃強度やREACH・RoHS適合だけではプレミアムを維持できないことを示しています。市場は、衝撃強度と適合性が管理された930米ドル/トン(FAS)の材料と、在庫圧力から正味720〜730米ドル/トン前後で売られる投げ売り品とを区別する必要があります。組成が安定しない、臭素リスクがある、あるいは衝撃特性にばらつきがある通常のHIPSは、そこからさらにディスカウントされて取引されるべき水準です。

アジア:rLDPE(ナチュラル)

グレードAのPEフィルム原料は、直近でベトナム向けに約400米ドル/トン(CNF)で成約しています。通関および輸入関連費用は約250米ドル/トンと見積もられ、当初の着地コストは約650米ドル/トンに上昇します。これには、国内輸送、洗浄、押出、歩留まりロス、電力、人件費、包装、金融コスト、利益はまだ含まれていません。

これらのコストを考慮すると、この取引が商業的に成立するためには、得られる再生材をベトナムで約850米ドル/トン以上で販売する必要があると考えられます。

なお、東南アジアの指標価格は、消費者向けフィルム包装用途に適したナチュラルrLDPEフィルムペレットを対象としており、輸入ベールフィルムや未加工原料は含みません。400米ドル/トン(CNF)という原料価格と現地でのペレット想定販売価格を比較する際には、この区別が重要です。

アジア:rHDPE・rPP

通常のrHDPE・rPPペレットの需要は、アジアの大半で低調なままです。バージン樹脂やオフグレード品の競争力が続いているため、買い手は当面の必要分のみの購入を続けています。

ナチュラルおよび淡色グレードは、より幅広い用途に使用できるため相対的に関心を集めています。黒色・混色グレードは、バージン材に対して明確な経済的メリットがある場合に主に購入されています。メルトフロー、耐衝撃性、臭気、フィルトレーション、水分、色の安定性、汚染といった技術的要因が、プレミアムを獲得できるかどうかをますます左右するようになっています。

欧州

欧州の再生ポリマー市場は、消費の弱さと競争力のあるバージン樹脂価格による圧力を受け続けています。2025年中、欧州の食品グレードrPETペレットは、時期によりバージンPETに対して約566米ドル/トンから約836米ドル/トンのプレミアムで取引されました。しかし、この高いプレミアムは、規制やブランドの公約により義務付けられていない一部の買い手に、再生材使用量の削減を促す結果にもなりました。

ナチュラルrHDPEも、バージン材より大幅に高い状態が続いています。包装用途の需要家は再生材含有義務のために購入を続ける可能性がありますが、一般の製造業者は、技術・規制要件が許す場合には、バージン材やより安価な再生グレードを選ぶ傾向が強まっています。

通常の再生PE・PP・PS・ABSペレットは、価格感応度が極めて高いままです。明確な規制または顧客要件がない限り、買い手は持続可能性のためだけにプレミアムを支払うのではなく、経済的な効率性をますます重視するようになっています。

市場トレンド

再生材市場は、2つの異なる購買動機によって動かされる傾向を強めています。

持続可能性主導の需要は、ナチュラルのPCR(ポストコンシューマー再生)rHDPE、透明・食品グレードrPET、包装グレードrLDPEなど、再生材含有率目標の達成に使われるトレーサブルな材料を支えています。買い手は、供給源の検証、品質の安定性、認証、規制対象用途への適合性に対してプレミアムを支払います。

一方、経済性主導の需要は、通常の黒色・混色・汎用再生ペレットを支えています。これらの材料は、必要な技術仕様を満たしつつコスト削減につながる場合に購入されます。したがって、その販売価格はバージン樹脂、オフグレード材、現地の生産コストと密接に連動します。

いずれの市場も、持続可能性だけに頼ることはできません。再生材は通常、規制上の価値、ブランド価値、経済的メリットのいずれかを提供する必要があり、そのいずれも提供できない場合、購買意欲は急速に減退します。

見通し

見通し:ナチュラルのポストコンシューマーrHDPEと食品グレードrPETは、適切な原料の不足と再生材含有要件を背景に、引き続きプレミアムを維持できる見通しです。ただし、バージン材という代替が存在する限り、買い手は過度なプレミアムには抵抗するでしょう。アジアのrPET、rLDPE、rPP、WEEE由来HIPSは、引き続き厳しい価格競争にさらされると見込まれます。日本の770米ドル/トン(FAS)の温水洗浄PETフレークや、アジアのHIPS上限指標である約930米ドル/トン(FAS)は、高品質材に依然として価値があることを示していますが、取引が成立するかどうかは、運賃、加工コスト、下流需要の弱さが決定づけることになります。また、在庫管理は引き続き決定的に重要です。5,000トン超のHIPS在庫の例は、技術的に優れ、適合性のある材料であっても、生産が実需を上回れば価値が急落し得ることを示しています。

プラスチックスクラップ市場の動向

プラスチックスクラップ市場は依然として極めて厳しい状況にありますが、最大の問題はもはや規制だけではありません。回収業者、加工業者、買い手との最近の議論を踏まえると、主要な問題は、多くの材料が「技術的にはリサイクル可能でも、もはや経済的にはリサイクル可能ではない」ことにあります。

欧州

欧州の輸出業者は、非OECD市場への長期的な販売にますます慎重になっています。しかし、欧州域内でより多くの材料をリサイクルすることも、処理能力が限られ、採算が合わないことが多いため、極めて困難です。その結果、処理が難しいスクラップの価格下落、欧州の選別・洗浄能力への圧力増大、PEフィルムや混合硬質プラスチックの出回り増加、輸出できない材料の処理コスト上昇が見込まれます。

また、輸出可能な欧州材が、アジアの買い手にとって必ずしも安いわけではありません。回収、ベール化、内陸輸送、書類手続き、海上運賃が加わることで、最終的な着地コストは競争力を失い得ます。

一例が、約100米ドル/トンで提示されている欧州産のクリーンなPPロープスクラップです。原料価格は低いものの、加工は複雑です。ロープは破砕前に切断し、海洋での使用に由来する塩分を洗浄で除去し、PETやナイロンの混入を選別で取り除く必要があります。適切な設備を持つリサイクル業者は限られています。加工後の再生PPペレットの販売価格は500米ドル/トンを下回る可能性があり、ゲートフィー(処理受入料)やEPR(拡大生産者責任)による支援がなければ、採算は総じて成り立ちません。

ニュージーランド・オーストラリア

業界経験35年超のニュージーランドの回収業者は、ゲートフィーなしには回収事業を維持できないと説明しています。これは重要な市場シグナルです。多くの低価値プラスチックでは、スクラップの販売収入だけでは回収、ベール化、保管、輸送のコストをまかなえなくなっています。リサイクルは、材料販売だけで成り立つビジネスではなく、廃棄物処理サービスとしての性格を強めつつあります。

オーストラリアも同様の問題に直面しています。材料はあっても、輸出経路の制限と高い国内処理コストが、その商業的価値を下げています。

マレーシア・東南アジア

マレーシアのPEフィルム需要は必ずしも弱くありません。主な問題は、法的に受け入れ可能で、かつ価格競争力のある原料の確保です。検査リスクへの懸念から米国からの輸入に消極的な顧客が多く、欧州やオーストラリアからの供給はより制限されています。PP大型バッグ(フレコン)も引き続き低調です。その結果、取引総量は、欧州スクラップがより自由に輸出できた時期と比べて大幅に縮小しています。

ベトナムは、クリーンなPEフィルム、PET、一部の産業系スクラップへの関心を保っていますが、買い手は総着地コストと加工コストに極めて敏感です。提示価格が低いだけでは、成立する取引にはなりません。

処理が難しい材料:アルミ箔付きPS

アルミ箔がラミネートされたPSの現在の評価額は、約250米ドル/トンにとどまります。PSをペレットに加工する前にアルミを化学的に除去する必要があり、加工コストは500米ドル/トンを超え得る一方、再生PSペレットの販売価格は約700米ドル/トンにすぎません。薬剤、人件費、エネルギー、歩留まりロス、残渣処理を考慮すると、残るマージンは不十分です。

処理が難しい材料:PA6リグラインド

一部のサプライヤーは約500米ドル/トン(CNF)を求めていますが、顧客が支払う意思があるのは約300米ドル/トン程度にとどまります。この乖離は、需要の弱さに加え、水分、粘度、汚染、再生PA6完成品の販売価格への懸念を反映したものです。現時点では、双方の隔たりが大きすぎて商談は成立していません。

処理が難しい材料:ABS押出プロファイル・リグラインド

家具用押出プロファイル由来のABSリグラインドは、当初の約400米ドル/トンの提示から引き下げられ、約300米ドル/トンで提示されています。しかし、この水準でも顧客の反応はほとんどありません。これは、需要が弱く、買い手が色、配合、最終用途に確信を持てない場合には、低価格だけでは不十分であることを示しています。

処理が難しい材料:WEEE由来ABSリグラインド

WEEE由来のABSリグラインドは約550米ドル/トンで成約していますが、市場は薄商いです。臭素、汚染、ポリマーの安定性への懸念から、この材料を受け入れられる買い手は限られており、受け入れ可能な材料であっても、動くのは小口にとどまる可能性があります。

市場の結論

現在の市場は、実際の商業価値を持つ材料と、財政的な支援を必要とする材料とに、ますます二分されつつあります。ナチュラルHDPEボトル、PETボトル、クリーンな産業系スクラップには依然として需要がある一方、マリンロープやラミネートプラスチックなどの処理が難しい原料は、ゲートフィーやEPRによる支援を必要とすることが多くなっています。混合材や技術的に不確かな材料は、理論上はリサイクル可能であっても、実質的な市場が存在しない場合があります。

現在の取引経験から得られる最大の教訓は、「入手できること」と「価値があること」は同じではない、ということです。スクラップがクリーンで非常に安く提示されていても、選別、洗浄、加工ロス、そして最終ペレットの販売価格まで考慮すれば、なお採算が合わないことがあり得るのです。

Dr.Steveの顔写真

香港FUKUTOMI社のCEO
中国リサイクル協会のExective President
香港の大手プラスチックトレーディング会社を長年経営。
最盛期は月間1,500コンテナを取り扱い、世界中の廃プラスチックをリサイクルしてきた。
1年の半分以上を世界各国を飛び回り、プラスチックリサイクルマーケットを観察している。フルマラソンを走るマラソンランナー。

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