レーザーフィルターのメッシュと生産量の関係|未洗浄フィルムのRAS・ERA・FCS選び方

押出機に接続されたFIMIC レーザーフィルターの実機
未洗浄フィルムリサイクル/押出・ろ過

レーザーフィルターのスクリーンのメッシュの細かさを変えることで、
どれだけ生産量がかわるのか

Mr.レジンの視点生産量を左右するのは押出機よりろ過のほうで、メッシュとグレードの組み合わせから決めると能力を引き出せます。

スクリュー径150mm・能力700kg/hの押出機で、未洗浄のLDPE/LLDPEフィルムをペレット化する場合。生産量と品質を決めるのは押出機ではなく「レーザーフィルターのグレードとメッシュの組み合わせ」です。RAS/ERA/FCSの3つの選択肢を、実際の数字で比較します。

FIMIC レーザーフィルター スクリュー径150mm 押出機

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COMMON ISSUES

未洗浄フィルムのペレット化で、現場が止まる4つの場面

未洗浄のストレッチフィルムや市場回収のLDPE/LLDPEは、紙ラベル・砂・アルミ箔・金属片が混ざります。押出機のカタログ能力は出ているのに、ラインとしての生産量が上がらないとき、原因の多くはろ過工程にあります。

01能力を出し切れず抑制運転押出機は700kg/h仕様なのに、フィルターの圧が上がるので400kg/h台に絞って回している。
02メッシュを細かくすると量が落ちる品質を上げようと150メッシュにしたら、生産量が一気に下がって採算が合わなくなった。
03スクリーン交換でラインが止まる汚れのひどいロットに当たると詰まりが早く、交換のたびに押出機を停止している。
04紙・アルミが抜けて黒点になるろ過をすり抜けた異物や炭化した紙が、ペレットの黒点・強度低下として出てしまう。

PRECONDITION

前提条件を固めてから、グレードを選ぶ

レーザーフィルターの「何kg/h出るか」は単独では決まりません。押出機の能力・原料の汚れ方・狙うメッシュの3つが決まって、はじめて現実的な数字が出ます。本記事は下記の前提で整理しています。

⚙️ 押出機 スクリュー径 150mm ↓ 能力 700kg/h
🧴 原料 未洗浄フィルム ↓ LDPE/LLDPE
🔬 ろ過精度 50メッシュ ↓ 最も細かい設定で150メッシュ
🧪 異物・汚れ 通常ロット ↓ 汚れの激しい原料で10%程度

1REASON
汚れの度合いで、同じ機械でも生産量は変わる
同じグレード・同じメッシュでも、原料の異物率と汚れ方によってスクリーン表面の目詰まり速度が変わります。カタログ値をそのまま採用せず、自社の原料でどのレンジに入るかを見積もることが重要です。

✓ 数字は必ずレンジで押さえる

2REASON
メッシュを細かくするほど、通過量は落ちる
ろ過精度と生産量はトレードオフです。標準グレードのRASで50〜100メッシュなら500〜600kg/hが見込める条件でも、同じRASで150メッシュを使えば最大400kg/h程度まで落ちます。「どの品質の再生ペレットを、いくらで売るか」から逆算してメッシュを決めるのが順序です。

✓ 品質を先に決め、量は後から合わせる

3REASON
異物の「質」でグレードが変わる
同じ異物率でも、紙・砂のように掻き取れるものと、粘着質で滞留しやすいものでは適したグレードが違います。粘着質の異物はスクレーパー内部に残って炭化の原因になるため、強制的に押し出す機構が必要になります。

✓ 異物率だけでなく性状で選ぶ

3 OPTIONS

150mm・700kg/h押出機に合わせる、3つの選択肢

未洗浄のLDPE/LLDPEフィルムを前提に、FIMICレーザーフィルターから3グレードを比較します。どれも既設の押出機に後付けできます。押出機メーカーは問いませんが、接続部の形状により専用フランジの製作が必要になる場合があります。

選択肢① 標準

RAS

標準グレード/FIMIC社の販売実績の約8割を占める基本モデル(FIMIC社公表)
FIMIC レーザーフィルター RAS 本体

▶ 40メッシュのBグレードペレットを100メッシュで再加工した実例(FEN公式)

  • 使用メッシュ:50〜100メッシュ程度のろ過が可能
  • 生産量の目安:500〜600kg/h(異物・汚れの度合いにより変動)
  • 150メッシュを使用する場合:最大400kg/h
  • 紙・段ボール・金属・砂などの異物に対応
  • スクリーン径325〜800mm(対応処理量300〜3,000kg/h)

RAS(標準グレード)の詳細 →

選択肢② 高品質

ERA

二段式レーザーフィルター/1台で2段階の連続ろ過
FIMIC レーザーフィルター ERA 本体(二段連続ろ過)

▶ 二段式スクリーンによるフィルムtoフィルムリサイクルの解説(FEN公式)

  • 一段目:30〜50メッシュで粗取り(プレフィルター)
  • 二段目:80〜150メッシュで仕上げろ過
  • 生産量の目安:350〜600kg/h(二段目のメッシュと原料により変動)
  • プレフィルターがレーザースクリーンを保護し、寿命を延ばす
  • ろ過エリアを2倍確保した構造/スクリーン径500〜700mm

ERA(二段式)の詳細 →

選択肢③ 高汚染対応

FCS

強制クリーニングピストン付/汚れの激しい原料向け
FIMIC レーザーフィルター FCS 本体(強制クリーニングピストン付)

▶ 異物率が高い原料(アルミ箔・PET繊維・砂の混入)での運転例(FEN公式)

  • 異物・汚れが10%程度に達する激しい汚れの原料に対応
  • 使用メッシュ:50〜100メッシュ
  • 生産量の目安:400〜500kg/h
  • スクレーパー内部をピストンで強制清掃し、滞留・炭化を防止
  • 粘着質な異物に強く、スクリーン寿命を延長して交換頻度を低減/スクリーン径400〜800mm

FCS(強制クリーニングピストン付)の詳細 →

※生産量は当社の実務経験に基づく目安値、スクリーン径・対応処理量・販売実績はFIMIC社の公表値です。

グレード 使用メッシュ 生産量の目安 向いているケース
① RAS(標準) 50〜100メッシュ
(150メッシュも可)
500〜600kg/h
(150メッシュ時 最大400kg/h)
汚れが通常レベル。まず標準構成で投資を抑えたい
② ERA(二段式) 一段目 30〜50
二段目 80〜150メッシュ
350〜600kg/h RASの50〜100メッシュ運転より高い純度を狙いたい(二段目を細かくするほど量は落ちる)
③ FCS(ピストン付) 50〜100メッシュ 400〜500kg/h 異物・汚れが10%程度あり、粘着質の異物で滞留・炭化が起きる

※生産量は、スクリュー径150mm・能力700kg/hの押出機に未洗浄のLDPE/LLDPEフィルムを投入した場合の、当社の実務経験に基づく目安値です。原料の異物率・汚れ方・水分・メッシュにより変動します。スクリーン径および対応処理量はFIMIC社の公表仕様です。

6機種すべての違いを確認したい方は FIMICレーザーフィルター6機種の比較ページ、押出機とセットでの構成は POLYSTAR 二段式押出機ライン をご覧ください。

NUMBERS

フィルターの律速を解消すると、生産量のレンジはどう変わるか

フィルター側がボトルネックになっている状態を解消すると、同じ押出機のまま生産量のレンジが変わる可能性があります。実際に到達するレンジは、選定するグレードと原料により異なります。

BEFORE:フィルターが律速で抑制運転している場合の一例 400kg/h

圧力上昇を避けるため能力を絞って運転。スクリーン交換のたびにラインが止まる。

AFTER:原料に合ったグレードを選定した場合 350-600kg/h

選定するグレードと使用メッシュにより異なります(RAS:500〜600kg/h、ERA:350〜600kg/h、FCS:400〜500kg/h)。

700本記事の前提:押出機能力(kg/h・150mm)
150最も細かいメッシュ(このとき最大400kg/h・当社目安)
0.5-5%メルトロス(FIMIC公表値)
30分週1回・作業者1名・最大30分(FIMIC公表値)

※BEFORE/AFTERの生産量は、スクリュー径150mm・能力700kg/hの押出機に未洗浄のLDPE/LLDPEフィルムを投入した場合の、当社の実務経験に基づく目安値であり、改善幅を保証するものではありません。メルトロス率・メンテナンス時間はFIMIC社の公表値です。使用するメッシュ、洗浄工程の有無、原料により変動します。

FAQ

よくあるご質問

Q押出機が700kg/hなのに、なぜ標準構成(RAS)の目安は500〜600kg/hなのですか?

押出機の能力は「きれいな原料を溶かして押し出す」能力です。未洗浄フィルムのように異物を含む原料では、ろ過工程が律速になります。押出機の定格に合わせるのではなく、原料の汚れとメッシュから逆算した現実的なレンジで設計することをおすすめしています。

Qメッシュを細かくすると、どのくらい量が落ちますか?

グレードによって変わります。本記事の前提条件(スクリュー径150mm・未洗浄LDPE/LLDPE)では、RASで50〜100メッシュなら500〜600kg/h、同じRASで150メッシュを使う場合は最大400kg/h程度が目安です。ERA(二段式)は二段目を80〜150メッシュの範囲で選べ、350〜600kg/hとなります。汚れの激しい原料でFCSを選ぶ場合は、50〜100メッシュで400〜500kg/hです。品質を優先するか量を優先するかで選択が変わるため、狙う再生ペレットの用途と単価から決めるのが確実です。

Q原料の汚れがひどいのですが、どれを選べばよいですか?

異物・汚れが10%程度に達する場合は、強制クリーニングピストンを備えたFCSが適します。スクレーパー内部に滞留した異物をピストンで機械的に押し出すため、粘着質な異物による滞留・炭化を防げます。50〜100メッシュで400〜500kg/hが目安です。

Q既設の他社製押出機にも取り付けられますか?

取り付け可能です。押出機のメーカーを問わず設置できますが、既設機の接続部の形状によってはフランジの製作が必要になります。現地で接続部の寸法を確認したうえで、必要な部材を含めてお見積りします。

Q消耗品やメンテナンスの負担はどの程度ですか?

スクリーンの交換頻度は原料次第で、汚れがひどければ5日程度、きれいな材料なら2週間程度もつ場合もあり、一般的には週1回が目安です。交換作業は作業者1名・最大30分です。スペアパーツはメーカーの部品ポータルから直接調達できます。

※本FAQに記載した生産量・スクリーン交換頻度は、当社の実務経験およびFIMIC社の公表値に基づく目安です。原料の異物率・汚れ方・水分・メッシュにより変動します。

この記事の課題に効く設備

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