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スクラップ、再生樹脂ペレット、リサイクル機械についての課題を解決するプロフェッショナルです

2024環境展・地球温暖化防止展 5/22~24 東京ビッグサイトに出展します

バンパーのリサイクル 破砕と粉砕

バンパーのリサイクルをこれから始める方のために、主に売却可能になる前処理についてまとめてみました。

バンパーリサイクルのための前処理

1.バンパーの異物の除去

2.バンパーリサイクルの破砕はどうするか

3.バンパーリサイクルの粉砕はどうするか

4.バンパーリサイクルでの塗装剥離はどうするか

5.ペレット加工までするべきか、しないべきか

参考記事:
バンパーのリサイクル事業のための5つのポイント
大量のバンパーも楽々あっという間に破砕 大型破砕機のご紹介

1.バンパーの異物の除去

バンパーには異物が多くついています。ウレタンや、ネジ、補修に使用されたパテなどです。

バンパーを資源として活用するには、破砕・粉砕処理を行う必要がありますが、特に粉砕処理をするには、金属の異物があると粉砕機の刃がダメージを受けてしまいます。必ず除去しなくてはなりません。

そして、最もやっかいな異物は「塗装」になります。塗装については後述します。

参考記事:レーザーフィルターでバンパーの塗装を自動除去

2.バンパーリサイクルの破砕はどうするか

バンパーのリサイクルにおいては、大量に処理するなら破砕→粉砕の2工程で行ったほうが効率的です。

破砕機であれば、1つのバンパーを5馬力程度で破砕することができます。その後、10馬力程度の粉砕機で10mmアンダーに粉砕できれば十分に資源化され売却可能です。

参考記事:バンパーの粗破砕処理に向く破砕機の情報

3.バンパーリサイクルの粉砕はどうするか

一方で、バンパーを破砕工程なしで一発で粉砕するこももちろん可能ですが、かなり大きな粉砕機を必要とします。

そもそも、近年はバンパーも大型化しており、特にサイド部分の面積が大きいデザインが増えています。昔のように、棒状ではなく、コの字型になっていて、粉砕機の間口も広くないと投入できません。

50馬力程度を利用する会社が多いようですが、上記2の破砕工程を経て、10cm以下にできていれば、10馬力程度の粉砕機で済むのです。

参考情報:バンパー粉砕に適した粉砕機情報

破砕機+粉砕機の二段構え 

メリット:無駄に大きなモーターの機械を使う必要はない、音も小さくて済む

デメリット:機械が2台必要で、初期コストもかかる

粉砕機で一発粉砕

メリット:機械が一台で済む

デメリット:モーターが大きくなり、電気料金がかかり、音も大きい

4.バンパーリサイクルでの塗装剥離はどうするか

塗装があるかないかで、資源としての価値も変わります。

塗装がない場合は、ユーザーに粉砕品を直接販売する可能性も出てきます。塗装がある場合は、粉砕品を集めて混合してペレット加工を行う業者(コンパウンド業者といいます)に販売するのが主な販売先になると思われます。コンパウンド業者であれば、塗装が付いていても、20-30%程度の配合なので、押出機のメッシュ詰まりが左程ひどくないということのようです。

粉砕品の塗装を剥離して「品質の良い粉砕品を作りたい!」という方は別の特殊な設備が必要になります。簡単に言えばお米を精米する原理と同じ原理で塗装をとります。

5.ペレット加工までするべきか、しないべきか

個人的な結論としては、バンパーは単体でペレットにしないほうが良いと思います。異物の除去などがしっかり出来ていれば、粉砕品でも十分に市場価値があります。特に塗装がついているバンパーを無理矢理ペレットにしても、販売価格はそこまで上がりません。

品質のよい粉砕品を作ることに注力したほうが効率よく資金化できそうです。

参考記事:バンパーリサイクルのご相談の具体例記事

村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックフクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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