スクラップの仕入れ先を長期維持する秘密の技とは?

プラスチックリサイクルビジネスの始め方

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仕入れを長く続けるには

ここでは、プラスチックリサイクルビジネスの「仕入れを長く続けるには」ということについてお話します。

別のページでもお話ししたのがプラスチックの仕入についてです。この業界では仕入れが非常に大事です。「営業」という場合、この業界では販売より「仕入れ」を「営業」と呼ぶくらい重点を置いているのが仕入れなのです。

販売というのはそれほど大変ではありません。高く売るには工夫はいりますが、プラスチックスのクラップビジネスは仕入からすべてが始まります。
仕入れの競争が激しいので、仕入れがなかなか継続しない、というのが悩みでもあるわけです。一生懸命営業をして、仕入れ先を確保したのだけど、しばらく訪問しないうちに別の会社にとられてしまう、などということも日常茶飯事です。

おそらく、「どうしたら仕入れ先と長く付き合えるのか?」と悩む方も多いと思います。

そこで、相手(発生元)の立場に立って考え直してみたいと思います。

例えば、発生している工場でその工場の方は何を本当に望んでいるのかを考えてみます。こちらが、いくら「仕入をしたいですお願いします」と言ったってあちら(排出元)にとってメリットがなければ成立しないわけです。

すぐに取りに来てくれる

発生元というのは、製造現場で工場の排出業者の方は何を考えているのかというと、一番わかりやすいのはプラスチックのスクラップはずっと生産を続けている限りで続けていると言うことなのです。そこで何が必要になるかというと呼んだらすぐに来てくれる、来て欲しい時に来てくれる、遅れずに来てくれることが大事です。

自社便と積み込み作業

となると、やはり自社便を持っているというのは重要になってきます。例えばですが私の会社では自社便を持たずに外部の車だけでやっています。弊社のようなやり方もありますけれども、明日すぐに来て欲しい、とかそういう要求には応えにくいわけです。それと運送会社のドライバーさんというのは積み込みをしてくれません。ということは、積み込みを誰がやるのかというと、お客様の従業員あるいは作業員が積み込み作業をしなければならないわけです。

一方で、自社便のドライバーの場合はフォークリフトを借りて、フォークの免許がある限りはドライバーさんが積み込みをします。そうするとお客様としては積み込む手間が省けるわけです。人をそこに置かなくていいわけです。楽なのです。

そのような対応をしてもらっている引き取り先はなかなか変えるわけにいかないのです。

新しい業者が営業の提案で、「うちは外部の車なので積み込みはそちらでお願いします」と言われても、なかなかそのような提案は通りにくいです。

ということで、やはり自社便を持ってドライバーさんが自分で積み込みまでするという体制を組んで、引き取りに遅れないように頻繁に行くようにして、スクラップの仕入れをガッチリと確保しないといけないわけです。

積み残しをしない

そして積み残しをしないで全部持って行ってくれるというのも重要です。

積み残しには2種類あると思います。ひとつは、単純に積載オーバーで載らない。そうであれば、もう一往復して引き取りにくるなどすればよいということになります。

あともう一つが、「引き取り拒否」です。車には載せることは可能だけど、「このスクラップはいらない」あるいは「できない」と言って、引き取りをしない場合があります。
そうしますと、排出元は困るわけです。また別の引き取り可能な業者を探さなくてはならないわけです。

そこで、排出元と引き取り業者の力関係でいろいろ対応が変わります。

力関係  排出元 > 引き取り先 ⇒ 処理困難なスクラップもセットで引き取り

排出元 < 引き取り先 ⇒ 困難物は置き去りで、廃棄処分

 

このセットで引き取りが、よくあることです。いいとこ取りはできないのです。いいスクラップが欲しければ、悪いスクラップも引き取りする必要があるのです。

この懐の深さをいかに確保するかが、リサイクル業者の腕ということになります。

どの業者にも断られるようなスクラップを引き取りしてリサイクルすることができれば、他に業者が現れてもなかなか引き取り業者を変更するわけにいかないのです。

資材の提供

廃棄物の管理や置き場で必要な資材というのは、意外と排出元で予算が取りにくかったりということがあります。

例えば、スクラップを入れたり運んだりする資材、パレット、フレコン、鉄かごなど、あると便利なものを支給してくれたりすると、これはお客様としては非常にありがたいわけです。

更に、そこの工場ででスクラップの加工に必要なもの、例えばかさがあるものがあった時に圧縮機を提供し、その圧縮機を使ってかさを減らすと輸送費が格段に下がるわけです。それはお客様(排出元)も助かりますし、我々引き取っている側も助かることになるのです。そのイニシャルコストをリサイクル業者が最初に負担してあげると非常に喜ばれるわけです。そうしますと、単純にスクラップを高く買う業者が現れても、簡単には引き取り先を変えるわけにいかないわけです。

場合によっては、その製造現場に置くメッシュパレット(鉄かご)なども支給してあげて、それが製造現場で現場の中で必要な資材として回っていく、そういうことになっているとそのメッシュパレットがないと製造現場もまわらないわけです。

メッシュパレットだって数が嵩むと結構いい金額になります。それを業者を替えるときにうちはメッシュパレットはすみません勉強できませんとなると製造現場が今までメッシュパレットがあったのが当たり前なのになくなってしまうわけです。

そうすると今度はやはりそれは困りますということになるのです。業者を変えないでくださと現場から声があがることになるわけです。ということで実は長い間仕入を確保している会社というのはあの手この手で現場とのつながりを密にしながら、他の業者に簡単に持っていかれないように様々な技をかけています。

買取金額

当然ですが、技の中で一番大事なのはやはり買取の金額です。苦労して獲得した新規先には、いろいろな新しい会社が「スクラップ引き取らせてください」と次々に営業に来ます。その業者が提示する値段よりも、いつも買取価格が安かったら「うちがずっと長年付き合っている業者は値段が安いな」ということを感じ始めることになります。
「うちの買取価格もっと高くならないのか?」という話が社内から出てこないようにするには、他の会社にも負けない買取価格を確保しなくてはなりません。そして、その買取価格でも利益が出るように高い価格で販売をしなくてはなりません。

「高く買って高く売る」ということができていれば、いろいろな会社が来ても「うちの先はもう非常にいい値段で買ってくれてるから結構です」と断ってくれます。

新しい新規の営業先が来ても門前払いにしてもらうくらい、いい値段で買ってあげないといけないわけです。というわけでやはり仕入これを確保するというのは、それなりに真剣にやらなければなかなか長い間永続的安定的に確保というのはできません。

正直にやる

廃棄物とか、スクラップの世界では、結構正直に商売をするということが大事です。(どの世界でも大事ですが)細かい部分で小さな嘘もつかないように、心がけることが大切です。

小さな嘘とは、よくある手口ですが、引き取り重量の報告をごまかすことなどはわかりやすいですね。実際に引き取った重量より軽い重量を報告するということを行う業者も見かけますね。

あとよくあるのは、その処理方法ですね。「輸出は禁止」と言われているのに、こっそり排出元には秘密で輸出などというのは、よくある事例です。

しかし、こういう嘘はいつかバレるものです。その時に大目玉くらって、出入り禁止になるよりも、1円もごまかさずに正直にやったほうが、結局は取引も長く続いてきちんと事業の利益も確保できるのです。

実は、正直さというのは、どの技よりも前提条件として重要ではないでしょうか。

✅スクラップを遅れることなく引き取る

✅来て欲しいと言われたら行く

✅積み込みを自社のドライバーがしてあげる

✅なるべく積み残しせず全部持っていく

✅便利なものパレット、フレコン、鉄カゴを支給する

✅圧縮機、粉砕機を提供してあげる

✅どこよりも値段を高く買う

✅正直にやる(←一番大事)

ここまでやればまあまず途中で切られることはないと思います。ほとんどの場合長く続くお付き合いになるとは思います。仕入先をしっかり確保しながら、そして徐々に徐々に高い販売先を目指してつまり高い付加価値を付けて、高く仕入れてあげるようにしていくということが大事です。
皆様の検討を祈ります。(弊社も頑張ります!)

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