プラスチックリサイクルビジネスの主要プレーヤー

プラスチックリサイクルビジネス

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プラスチックのリサイクルビジネス、この業界の中にはどういうプレイヤーがいるのかというのをひとつずつお話してみたいと思います。

プラスチックリサイクル業者

例えばリサイクル業者まず一番初めに思い浮かぶのはリサイクル業者プラスチックリサイクル工場ですね。これはもう昔から、ブラスチックが多分生まれたころからあります。生産工程から出る端材を、長年誰かが引き取ってもう1回ペレットにして販売をするということをやってきた業者ということです。

そういう会社というのは結構業歴が長くて40年や50年という会社も意外と多くあります。長い間事業をしているので、その仕入れルート、これがものすごくしっかりしている会社が多いです。大手の会社であるとか大量に出る会社、そういうソース(排出元)を持っている印象です。

それからリサイクル業者の中でも、特に中国向けあるいは香港経由のプラスチックのスクラップの輸出が盛んになったころがあるわけです。この頃に力をメキメキとつけたのは昔のそういうペレットを細々と加工している工場というよりは、大量に集めて大量に流すという輸出業者、スクラップの輸出業者というのがものすごく力をつけたのがこの30年からこの5年くらい前の話でしょうか。

このくらいに商社やブローカー、こういうところで大きく力をつけたところがあったわけです。3年以上前2017年から中国がプラスチックのスクラップを徐々に輸入をしなくなったということになってからやはりちょっとまた勢力図が変わってきたところもあるように思います。そういう商社も自社でペレット加工をしなければいけない時代になってきました。

廃棄物処分業者

もう一つリサイクルされず廃棄物として排出されたものをを集めているのが廃棄物業者です。しかし、ちょっと手を加えればリサイクルできるもの、あるいはなにかの間違いでリサイクルできるのに廃棄物として捨てられているスクラップに目をつけてペレットに加工している会社もあります。

このように、廃棄物業界から参入してくる会社というのも結構あるわけです。一番多いのは破砕機や粉砕機をもって、その材料を粉砕の状態で販売する。さらに、それをペレットに加工する押出機までもって、押出機からできたペレットを販売するところまでやる廃棄物業者というのもいるわけです。数量も多く扱っている場合も意外とあります。

化学メーカー、化学製品業界から

それから3つ目は化学業界から参入してくるというところもあります。これはバージン原料系の会社はあまりないですが、昨今、資源循環とかSDGsとか脱炭素とか騒がれて、重い腰を上げた化学系あるいは大手企業があります。

最近目立つのは、自動車の大手メーカーが化学メーカーあるいはプラスチック原料メーカーのお尻を叩いてプラスチックリサイクルを促進し、循環させるように指示をしているようです。ある意味重要顧客である自動車メーカーのいうことを聞いて化学メーカーが慌てふためいて対応したりしているというケースもよく見かけます。

そういう意味で化学業界、あるいは大手企業がプラスチックリサイクルマーケットに参入してくるという形も見かけられるようになりました。

異業種からの参入

それから以外と参入してくるプレイヤーの中で結構いるのは法規制、新しい法規制ができた時、法規制の枠組みの中で工場(新規参入)が増えるということがあると思います。

例えば容器リサイクル法であるとかこの時容器サイクル関係の工場が、100弱、少なくとも80や90ありました。たぶん今は50ないし60工場くらいに減っていますが、それは容器リサイクル法という枠組みができた時にワーッ新規で増えたのです。法規制の変化の時に一気に参入してくるわけです。

この参入してくるのもいろいろなのですけどもやはりリサイクル関係の業者がやることもあれば廃棄物関係の業者が目をつけてやることもあります。大手商社が目をつけて参入したこともあります。新しい法律ができて新しいビジネスチャンス新しい市場が出るので色々な業界から参入が入ってきます。

それから家電リサイクル法というのもできた時があります。この時はやはり家電リサイクル法というだけあって家電系の関係で家電メーカーが自社関係の工場を立ち上げるという動きが多かったように思います。それでも一部リサイクル業者などもそういうものを引き受けて家電リサイクル工場をやりましたけれども、やはり大手家電メーカーの色がついているところが多いようです。

それから加入してくる業者としては完全異業種から参入してくるというケースもあるわけです。例えば建設業であるとかあるいは何か樹脂製品を作っていた会社が新事業として始めるとか、あるいはどこか商社が始めるとかがあります。

というのもこの脱炭素の流れとか資源循環の流れでリサイクルというものが脚光を浴びています。その中でプラスチックリサイクルというものに目をつけて参入してくる会社というのは確実に多くなってきています。

✅ リサイクル業者、昔ながらのペレット加工をしている業者

✅ 廃プラ系輸出商社

✅ 廃棄物協会関係から参入

✅ 化学業界から参入

✅ 法規制の枠組みができた時に様々な業種から参入

✅ 完全な異業種から参入

こういった形でどういうプレイヤーがどういう形で参入してくるのかいう形を少しお話しさせていただきました。参考になれば幸いです。ありがとうございました。


村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックフクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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