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スクラップ、再生樹脂ペレット、リサイクル機械についての課題を解決するプロフェッショナルです

2024環境展・地球温暖化防止展 5/22~24 東京ビッグサイトに出展します

プラスチックリサイクルビジネスにおける営業の特殊な側面とは?

プラスチックリサイクルビジネス

※このテーマの動画はこちらから

プラスチックリサイクルビジネスの営業をテーマに解説いたします。営業というのはどんな仕事でも多かれ少なかれついてまわる業務だと思います。では、このプラスチックリサイクルビジネスにおいてはどうなのでしょうか。

プラスチックリサイクルビジネスは他の業種と違うのは、仕入れの限定性です。

製造業あるいは飲食業でも、自分たちが製品を作るための原材料というのはオーダーすれば入手することができます。製品の売り上げが増えれば、その仕入れの発注を増やして増産に対応していきます。

しかし、プラスチックリサイクルビジネスの場合は実はオーダーをするだけではプラスチックの再生原料は入手ができません。決定的に違うのは、リサイクル原料は「増産できない」のです。工場の製造工程で排出される端材(スクラップ)は製造側にとっては、「ロス」でしかありません。製造現場では、この「ロス」をいかに減らすことができるか、必死になって会議と対策を重ねているのです。「最近端材の売れ行きがいいからたくさん出そうか」とは、ならないのです。工場端材由来のスクラップは限定的なものであり、入手が容易ではありません

そのため、リサイクルビジネスにとっての営業とは、仕入れの営業と販売の営業、二つの営業をやらなければいけないのがプラスチックリサイクルビジネスの難しいところということになっています。

普通であれば発注書1枚供給先に送れば原料も入ってくる、それに対して支払をすれば良いわけです。値段については交渉などあるのかもしれませんが、基本的にはどんなレストランでも肉が足りなければ肉、豆腐が足りなければ豆腐をオーダーすれば入手ができます。

ところが、このプラスチックのリサイクルビジネスというのは売り上げが伸びてきたからといって、生産を増やすために仕入を増やそうと思っても、簡単には増やせないのです。

プラスチックスクラップというのは限りがあるわけです工場の端材からしか出てこないわけです。

ヴァージン原料を買えば高いですが、端材(スクラップ)由来の再生ペレットを買えば安いです。ただその端材には供給の上限があるという事です。

スクラップの原料を豊富に確保できているところが強みを発揮することができるということになります。

プラスチックのリサイクルビジネスで営業というのは仕入面と販売面両方あるということを言いました。では、仕入れと販売ではどちらの営業が大事なのでしょうか。

実は、9対1で仕入の営業の方が大事かもしれません。仕入の営業ができないと販売するものもないわけです。原料がなければ何も始まりません。

なんとか仕入ることさえできれば、販売はそれほど難しくはないのです。

例えば、接待交際費10万円あります。どういう割合で使うかと言ったら、9万円を仕入先との予算に使い、残った1万円は販売先にという感じではないでしょうか。ひょっとしたら、一万円も使わないかもしれません。一切使わないかもしれないです。

とにかく仕入をいかに確保・維持して、更に新規を増やしていくか、これが事業の成長にすごく大事になってきます。

仕入の買取単価についても、安い単価でずっと買っていると他の会社にとられてしまいます。

なので、買取価格は高く買わないといけません。他の会社よりも高く買うことが仕入れを長く続けるには重要です。ただし、他の会社よりも高く買うためには、当然ながら高く販売しないと高く買えません。

前述で、仕入と販売どっちが大事かという話をした際に、「仕入が重要」と言いました。確かに、仕入れがないと何も始まりませんが、仕入れを「維持」するには、結局強い販売力で高く販売することも必要になります。

ただし、どちらが先かと言ったら、仕入がないと販売もないわけです。販売だけ強いと威張ってみても、材料(スクラップ)を1円も仕入ることができなければ、何も売るものがないわけです。やはり最初は仕入が大事ということになります。

プラスチックのリサイクルの営業をだいぶやりましたが、このコロナ禍でほとんどお客さん(排出元)を訪問することもなくなりました。現在は新規の営業というのはしていないのですが、古典的なスタイル、プラスチックリサイクル業者の一番古典的なビジネススタイルで言うと営業は、足を棒にして歩き回って、全国車で回って、工場という工場をまわってサンプルをもらっては値段を出すという事をずっと続けることになります。

そうして、少しずつ少しずつ仕入を伸ばしていくことで売り上げを伸ばすことができるわけです。ただ、意識が新規にばかり取られていると、気付くと既存の仕入先を他社に取られるようなことが起きるわけです。油断も隙もあったものではありません。

ということで、新規をとっていくかも大事なのですが、既存のお客様(仕入れ先)をいかにそのまま維持キープするかこれも非常に大事なのです。

また、昨今ではリモートで営業をやるようになってきたのですけれが、実はリモートではあまり新規の案件は出てきません。

では、新規の案件や相談がどのように出てくるのでしょうか。

電話で何回も何回も話して、どんなにリモートで接触をしている先でも、久しぶりにちょっと顔を出しに行く、あるいは食事を一緒にすると、「そうそう、そう言えば」と言いながら机の上にある何かサンプルらしきものを持ってきて、「これ買えない?」とか、「これいくらで売れるかな?」とか、そんな話がポロンポロンと出てくるのです。

やはり会っている時に出てくる確率の方が圧倒的に高いのです。

それがわかっているから、どの会社も営業さんが車でぐるぐる回っていくということをやっているのですが、非常に労働集約的な作業と言えましょう。

とにかくもう営業の頭数揃えて力でガーッと行く、そうやっている会社もありますが、あまり今時じゃないですね。

では、営業をしないでどうやって材料を確保するのだ言うと、そうすると今度は法律の枠組みの中に入ってやるしかないわけです。法律の枠組みの中に入ってやるとその「枠組みの中に組み込まれてさえいれば」ある程度、ある程度ですが、安定的に材料が入ってきます。

例えば容器リサイクル法とか家電リサイクル法などもそうです。こういうところで当然入札という厳しい条件もあるのですが、それにしてもやはり長い間やっていくとそれなりのバランスっていうのができてくるのです。それで容器リサイクル法に関する材料を落札すれば1年間は継続的に材料がずっと入ってくるわけです。

家電リサイクル法の工場などもそうかも知れません。

今度新しい法律で言うと資源循環促進法という法律もでてきますが、この辺を狙っている業者さんもたくさんいらっしゃいます。

その枠組みの中でうまくポジションを確立することが出来れば、安定して材料を入手するチャンスがあるかもしれないということで、一つ法律ができた時というのはチャンスです。

ということで、プラスチックリサイクルビジネスと営業力ということで話ましたが、法律の枠組みの中でやらないのであれば、一生懸命お客さんを泥臭く営業をしなければなりません。これは仕入も販売も両方やらなければならないということになるわけです。

なので、プラスチックリサイクルビジネスと営業力というのは切っても切れないと言えるのではないでしょうか。

以上になります。皆さんの検討を祈ります。(弊社も頑張ります)


村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックフクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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