プラスチックスクラップの仕入れに必要な検討ポイントとは?

仕入れに必要な考え方

リサイクルもビジネスを始めるにあたって、すでに仕入れるスクラップ原料が決まっている場合、割とをやるべきことが明確になってきます。

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ところがですね、なんでもいいからリサイクルビジネスを始めたい、という場合はいろいろ考えることがが多くなるわけです。 

仕入れ方針の絞り方

  1. 業界を決めて仕入れする
  2. 会社を絞って仕入れする
  3. 地域で絞った仕入れをする
  4. 樹脂で絞って仕入れする
  5. オーダーがあるスクラップを仕入れる
  6. 高付加価値か薄利多売か
  7. 分別が必要なスクラップを仕入れるかどうか
  8. 洗浄が必要なスクラップを仕入れるかどうか

 参考記事:再生樹脂ペレットを誰に売るべきか?

業界を決めて仕入れする

ネットワークもあるでしょうし、どういうものが出ているかというのもよくご存知だと思います。

射出成形工場を狙うといっても幅広いわけで、自動車関連の精度の高い部品を製造している会社もあれば、生活雑貨や園芸品など割と緩めな製品を製造している会社もあります。

どの業界に絞るかで、樹脂の種類なども決まってきます。その決定により、収益率や購入する機械などもだいたい決まってしまいますので、業界で絞る場合には、既存のリサイクル業者にその業界の内情を聞くことが大事になります。

一方で、エンジニアリングプラスチックの成型などは以前はそれほど多くありませんでしたが、スマートフォンの急速な普及により、高精度な樹脂の成型工場が成長しました。この樹脂は非常に販売価格も高価なので、このマーケットに入れた会社は業績を伸ばしました。

 会社を絞って仕入れする

しかし、業界でも申し上げた通り、業界を選ぶと、その業界と運命共同体です。その業界が昇り基調なのか、下り基調なのか認識しておきましょう。特に、下り基調なら、別のルートも確保してリスク分散しなくてはなりません。

その会社の業績がどうなっていくのか、そもそもその会社が属している業界はどのような業界が認識しておくことは大事でしょう。

業界ごとに仕入れるという考え方もあるんですが、それ以外に自分がいる地域で仕入れる、という考え方もあります。

業界や会社で絞るのは良いのですが、遠い地域へ回収に行くことになるとすると、長期的に多大な運送コストが固定化することになります。

地域で絞る場合ですが、デメリットとして、あまり樹脂を選べないという点があります。その地域のそこで発生している樹脂で勝負するしかありません。

きちんと自社が商流を作れる樹脂を集めるようにして、不要な、あるいは不得意な樹脂は集めないようにすることです。

樹脂には様々な種類の樹脂があります。樹脂で絞るメリットは、加工のときに出てきます。材料替えの余計な清掃も少なくて済みますし、作業者のノウハウも共有しやすいです。同じ樹脂を長い時間ストップせずに加工することで低コストで製造でき、採算性もよくなります。

スクラップの仕入れは確かに重要で、時に競争もありますが、一方で販売についても、競争があります。

 参考記事:再生プラスチックの用途を樹脂別にお教えします

オーダーがあるスクラップを仕入れる

通常ビジネスでは仕入れは発注書を出せば仕入れができますが、プラスチックリサイクルビジネスでは、仕入れも営業が必要なのです。さらに、加工したあとにも販売の営業が待っています。

売れるものを仕入れるので、仕入れ営業にも力が入りますし、単価も確定しているので、価格提示も明確にできます。

高い付加価値をつけた事業を目指すのか、薄利多売でいくのか。 

分別が必要なスクラップを仕入れるかどうか

すると、分別されていないスクラップに手を出し、仕入れることになる場合もあるかもしれません。その場合、販売するには分別をする必要があるのですが、この分別を自社でやるかどうか、これも経営判断です。

洗浄が必要なスクラップを仕入れるかどうか

代表的なのは農業用フィルムでしょうか。洗浄しないと加工できません。
分別機能と同様、洗浄機能は大変コストがかかるという側面がある一方で、強味にもなります。 


村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックフクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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