プラスチックリサイクルビジネスの収支計画の立て方

プラスチックリサイクル ビジネス

「収支計画書」作成のススメ

プラスチックリサイクルの仕事をしてみたいけど、一体どのくらい利益があがるのかなあ、、、

利益がわからずにビジネスを始めるのは怖いし、でもよくわからないし、、、

そんな初めてプラスチックリサイクルビジネスをお考えの方が、「大まかに」でも収支のシミュレーションができれば、予め対策をとって、利益が上がる方策を検討できると思います。

これからリサイクルビジネスをスタート、あるいは検討してみたいという方のために、「収支計画書作成のススメ」を書いてみたいと思います。

以前、銀行の融資マンだったので知っているのですが、自分で収支計画を作れる経営者というのは、「意外と」少ないのです。

特に、中小企業の経営者などはそうです。彼らが作る時は、大抵融資で銀行に求められたときくらいでしょう。

こんなことを書いている私自身、年に一度の株主総会で「必要に迫られて」作っているのが実情です。

とはいえ、新しいビジネスを始める際、やはり収支計画書は必要だと思います。

まずは一度作成してみましょう!というのがこのページの趣旨になります。

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収支計算エクセルシート

リサイクルビジネスをスタートするための支出がわかる

計画を作るには、支出する費用を調べます。突然買い物するのでなく、いくらかわかっていれば、対策のたて方もあります。意外と高いことがわかり、事前にもっと安いものを探せるかもしれません。

リサイクル新事業が他の事業に影響が出ないかの確認できる

新規の事業は立ち上げに時間がかかることがあります。リサイクルでも、粉砕加工程度ならまだよいですが、押出機の加工となると作業者が押出機の運転に慣れる時間も必要です。作業者により習熟の期間に大きな差があることもあります。

事業を安定させなければいけない期限を知ることができる

事業が安定しない、ということは赤字ということです。永遠に赤字を出すわけにはいきません。その赤字額に耐えるために許容される期間があります。
この期間を過ぎると、新規事業の赤字は既存事業を痛め付け始めます。起業の場合は、資金が底をつく綱渡り、自転車操業が待ち受けます。なんとしても、このような事態は避けるために、許される時間を予め把握しておきましょう。

プラスチックスクラップ仕入れと再生原料販売の価格策定の目安にする

自分の事業を成り立たせるスクラップの「仕入れ単価」と原料の「販売単価」を知る必要があります。
プラスチックリサイクルの場合、仕入れの単価は競争にさらされて自分の思い通りにいくことは少ないと思ったほうがよいでしょう。従って、収支計画を策定する前に仕入れの相場を調査しておくことを強くおすすめします。
いくら自分の計画上の仕入れ価格で交渉しても、価格が合わなければ「絶対に仕入れはできません」。
一方で、原料の販売価格のほうが少しは工夫の余地があるかもしれません。

参考記事:廃プラスチックから製造した再生ペレットの用途を樹脂別にお教えします

再生原料を誰に売るかを決める目安にする

商社に販売  簡単、手っ取り早いが安い
コンパウンド業者  品質やや気を付けるが、商社よりは高い?
ユーザー直販  品質管理も手間も大変だが、価格は一番高い
汗かいて(=コストかけて)エンドユーザーに販売するか、生産に集中して販売は商社にまかせるか、これは経営者の判断です。

銀行に提出する必要はなくても、どんぶり勘定で見切り発車するよりも、収支計画を立てて事業を始めたほうが失敗の確率はかなり低くなると思われます。

参考記事:再生原料を誰から仕入れて誰に売るのか

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この収支計画の範囲

押出機一台の収支となっています

再生ペレットを加工する工場向けの収支計算シートです

他に貴社側で接続する機械については考慮されていません

ビジネスリスク対応をする目安になる

収支計画を作って初めて数字で見えてくることもあります。

人件費 :最適の人員で生産する対策を考えます。設備を改善する必要もあるかもしれません。人が集まらず、時給を上げざるを得ない場合も、地域によってはあるかもしれません。

電気代  :新電力含めて、安くするための調査が必要かもしれません。

仕入れ :リサイクルは仕入れの競争が熾烈です。あまりに高い仕入れであれば、別の商材にした方がいいかもしれません。

販売 :自分の願望をそのまま収支計画に使うのではなく、市況が低下したときでも耐えうるかどうかチェックしてみましょう。

さて、収支計画を作ってみよう!という気になりましたでしょうか。

収支計画で様々な角度から事業をチェックしてリスクを最小化しましょう。

参考記事:プラスチックリサイクルビジネスに潜むリスクとは?

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とはいえ!

収支計画さえ作れば、全てのリスクが見えてくるのかと言えば、そうではありません。

プラスチックリサイクルビジネスでは、「やってみないとわからない」こともたくさんあるのも事実です。

収支計画だけではわからないことが必ず出てくる!

<加工してみないとわからない要素>

異物の混入率:見た目よりも異物が多いかもしれません

水分率 :保管状況が外だと濡れていることが多くなります(生産性低下)

かさ比重 :大きいと生産性が低下する可能性あります

配送効率の悪さ:スクラップの引き取りの効率が悪くコストが嵩むかもしれません
これらのリスクはやってみないとわからない場合もあります。

これらのリスクを完全になくすことはできません。

収支計画書で判明したリスクを最小限に抑えて、やってみないとわからないリスクが現れたら全力で立ち向かう!というのが正しいのかもしれません。

村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックフクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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