この記事をご覧になっている皆さんは、プラスチックごみの種類と、そのランキングを知りたいと考えていることでしょう。
残念ながら日本国内にはこの種の統計が見当たりません。
しかし、英語圏の統計であればNPO法人によるカルフォルニア州の統計があり、様々な記事などに引用されています。
The Plastics BAN Listという資料ですが、BANとは「禁止」という意味を指す言葉ですが、このBANをBetter Alternatives Now「今のより良い代替手段」の頭文字としているのがおしゃれですね。
引用:The Plastics BAN List
さて、この統計は日本のものではないとはいえ、かなり実感に近いものではないでしょうか。
※使い捨てプラスチックが環境に与える悪影響順となっているため、以下のランキングは数量としていますので順番が異なります。
第1位 食品包装材・容器 31.14%
写真引用:rePurpose
第2位 容器とふた 15.50%
写真引用:The Asahi Shimbun
第3位 レジ袋 11.18%
写真引用:Kochie’s Business Builders
第4位 ストローとマドラー 8.13%
写真引用:Green That Life
第5位 飲料ボトル及び容器 7.2%
写真引用:社会対話・協働推進オフィス
6位 フードコンテナ 6.27%
写真引用:yahoo!life
7位 カップの使い捨ての蓋 4.90%
写真引用:klaipeda.diena.lt
8位 タバコの吸い殻 3.66%
写真引用:CNN
※タバコのフィルターはプラスチックの一種である酢酸セルロースが使われています。
9位 使い捨てのコップ(硬質プラスチック) 3.13%
10位 スプーン、皿などの使い捨て食器 2.79%
廃棄されている割合で最も多いのが容器包装で、これをどれだけ減らせるかが重要なポイントであることがわかります。
日本の1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量は世界第2位
引用:UNEP(国連環境計画)
2017年のUNEPの統計によると日本のプラスチック容器包装廃棄量は一人あたり31~32㎏で、米国に次ぐ世界第2位の多さとなっています。
何かを買うとこれでもか!というほど過剰に包装がされていることから考えても、上記の結果は納得できるものでしょう。
また、捨てる量が多いということは、世の中に出回っている量も多いということです。日本のプラスチック容器包装の生産量も、世界第2位の多さとなっています。
海洋に流れ込む大量の容器包装ごみ
プラスチックごみの最大の問題は最終的に海へ流れ込んでしまうことで、これが世界的な問題となっています。
そのごみの量は年間約800万トン。東京スカイツリーに換算して222基分の膨大なものです。
各国が何らかの対策を取らなければ、2050年には魚よりごみの重量が多くなると予想されているのです。
そして海に浮かぶごみの中で最も多いのが容量ベースでは漁網などの漁具、個数ではペットボトル類やレジ袋などの容器包装です。
出典:環境省
一度海に流出してしまったプラスチックは自然には分解することなく、細かく小さくなっていきます。
このプラスチックを海の生き物が食べてしまうことで、消化管を詰まらせて死んでしまうといった影響が問題視されています。
そして、海洋生物を食べる人間の健康にも影響があることが懸念されています。
SDGsという国連加盟国の中の193カ国が、2030年までに達成すると掲げた17の目標があります。
その14番目が「海の豊かさを守ろう」です。
海の豊かさを損なう最も大きな要因がプラスチックごみなのです。
このプラスチックごみの弊害について、以下に更に詳しい情報を掲載していますので合わせてご覧ください。
まとめ
プラスチックごみの大半を、容器包装類が占めていること。
私たちのプラスチック容器包装使用·廃棄量は世界第2位の多さであること。
このプラスチックごみが、海に多大な悪影響を及ぼしていることがおわかり頂けたと思います。
2017年からレジ袋廃止が制度化されたのをきっかけに、プラスチックを減らすことに関心を持つ方が増えています。
また、容器包装のリサイクルの制度も仕組みが整備されてきています。
しかし、現在においてプラスチックごみを減らす取り組みは、始まったばかりだといえます。一人ひとりの取り組みによって、世の中全体を変えていく必要があるのです。
そのために今すぐできることには以下のようなことがあります。
- マイバック、マイボトル、マイカップなどの使用をする
- できる限り包装が簡略化された商品を使う
- リサイクルできるようにするために、ごみを分別する
- ごみのポイ捨てをしない
一人ひとりの力は小さいものですが、これらを実践する人が増えれば世の中全体を変える力になりうるのです。