さて、だいぶ前になりますが、「イオンで平飼いの卵を購入してみた!」なるお気楽なブログ記事を書いてアップしておりました。
その記事に対しまして、養鶏場に長年お勤めの経験があるという女性の方からメッセージをいただきました。
そこには、ケージ飼いされている鶏達の悲惨な光景が文章で記されておりました。
今まで「ケージ飼い」という言葉と、狭いカゴの中というイメージだけはありましたが、それ以上の具体的な情報は持ち合わせておりませんでした。しかし、頂いた長文のメッセージにはそれぞれのケージには生きている鶏がいて、その鶏達が狭い劣悪な環境のなかで苦しみながら卵を産み続けなければならない状況がリアルに表現されておりました。
メッセージを一読してからは、すでにとてもスーパーで普通の卵を買うことができないような気がしていました。実際、家内には「今後は高くても平飼いの卵にしないか」と提案をしていました。
弊社の担当からは、この文章は弊社のみならず世間にも知らせるべきではないかとお伝えして、アゴラという言論プラットフォームで公開することをお勧めしました。
その記事はこちらから読むことができます。
お時間が無い方のために要約だけ本文の最後に記しておきます。
今回は、鶏の卵をきっかけに著者の意識も変わったのですが、実はまだ意識を変えなければならないことがたくさんあります。
「牛肉」「豚肉」「鶏肉」についても、同様な状況があるであろうことは想像に難くありません。知ってしまうともう焼肉のカルビもロースも食べれなくなってしまうのではないかと、敢えて情報を取りに行っていない自覚もあります。
しかしながら、我々(肉を食べる人間)が行っている行為というのは、無知の上に成り立っているのであろうと感じます。
自分が飼って
では、犬と牛とどう違うのでしょうか。牛にも犬と同様に感情があり、命があります。首を切られれば痛いに決まっています。
わかってはいるのですが、肉を断つ生活まではもう少し時間を必要としそうです。願わくばあと数年以内にはベジタリアンになれれば良いと願っています。
【要約 スーパーの卵棚の裏側:ケージ卵に隠された鶏の現実】
1. 過密なケージ環境
- スペースの狭さ: 一羽当たりの面積はわずか285平方センチメートル(約17センチ四方)。鶏は翼を広げることもできず、常に密集した状態で生活しています。
- 金網の床: 足元は卵が転がりやすいように斜めになっており、常に不安定な姿勢を強いられます。このため、鶏は足を踏ん張る必要があり、しばしば足を滑らせてしまいます。
2. 高温環境
- 暑さ対策の困難: 夏には鶏舎の温度が30度以上に達し、鶏はパンティング(口を開けて急速な呼吸)をしても体温を十分に下げられません。
3. 自然な行動の制限
- 砂浴びや探求行動の模倣: 鶏は自然環境で行う砂浴びや地面をつつく行動をケージ内でも模倣しようとしますが、金網の床では満足にできません。餌を砂や土と見立てて体を横たえる動作を繰り返しますが、これは実際の砂浴びの効果を持たない行動です。
- 偽摂食行動: ケージ内で他にすることがないため、餌をつつく行動を繰り返しますが、実際には食べていないことが多いです。
4. 健康問題と痛み
- 総排泄腔脱とその影響: 高頻度で卵を産むため、総排泄腔脱(卵管や内臓が脱出する病気)を起こすことが一般的であり、脱出した部分を他の鶏に突かれて重傷を負います。
- 骨粗鬆症と骨折: 年間320個もの卵を産むため、骨粗鬆症や骨折が頻繁に見られます。多くの鶏が立つことができず、ケージの中でうずくまったり、ひっくり返ったまま動けなくなります。
- 病気と痛みへの対応: 生殖器病変、卵巣癌、腹膜炎などが多発し、鶏は痛みと苦しみを長期間耐え続けます。
5. 劣悪な飼育環境
- ウィンドウレス鶏舎: 粉塵や細菌が充満し、鶏にとって有害な環境。作業者はマスクをして作業しますが、鶏はそのような対策ができません。
- 衛生問題: ウィンドウレス鶏舎でもネズミが入り込み、病気の媒介となります。卵や鶏自体も糞や血で汚れており、鶏舎全体の衛生状態は非常に悪いです。
6. 処分方法の残虐さ
- 淘汰方法: 生きたままで鶏を二階から落とす、生きたまま焼却炉に放り込むなど、非人道的な方法で淘汰が行われます。
- 死体処理: 死んだ鶏や淘汰された鶏は、死体処理工場に運ばれ、重みで圧死するか、熱処理で死に至ります。
7. 精神的苦痛
- 逃げ場のないストレス: 狭いケージ内で他の鶏からの攻撃を受け、逃げることもできずに苦しむ鶏が多いです。飼槽と集卵ベルトの間に体を突き出して逃れようとするも、そこで挟まれて死ぬ鶏もいます。
このように、採卵鶏は過密で不衛生な環境、過度な産卵による健康問題、自然な行動の制限、そして非人道的な処分方法により、大きな苦痛を受けています。