東京大学の生産技術研究所が、がれきと廃木材のより持続可能なリサイクルを促す新たなコンクリートを開発した。同研究チームは、コンクリートのがれきと廃木材を粉砕して混合し、加熱圧縮成形することで、土木や建築材料としてリサイクルすることに成功。このリサイクルコンクリートは、従来のコンクリートよりも数倍高い曲げ強度を持つ。
というニュースを見かけました。「リサイクル原料をセメントに」というのは、よくある話です。しかし、リサイクルとは言え大抵燃やされてその無機物となり90%以上減容された灰がコンクリートの原料になるということで、殆どはCO2として大気中に排出されてしまうというものです。
記事を読む限りでは、燃やすことなく粉砕して混合・圧縮することで強度が高い素材としてリサイクルするようです。面白いのは、木材とがれきを混ぜて、木材に含まれるリグニンを接着剤として利用しているという点です。このリグニンは、リサイクルや樹脂関係の仕事でも度々耳にする物質です。
リサイクル材料に木粉や竹粉を混ぜようとすると、このリグニンが悪さをすることがあり、頭を悩ませています。その悪者(?)のリグニンが、ここでは接着剤として活用できるとのこと。
燃やさずに、そのままがれきを次の建設素材に利用できるとは、素晴らしいなと思います。
一点だけ上記でリンクしたニュースでははっきり書かれていなかったことが気になり、東大生産技術研究所のニュースをサイトで見てみました。私が気になったのは、混ぜるがれきや木をどのように前処理して混合するのか、ということです。
見てみると、、、
うーん。書いてあります。
本研究グループは、コンクリートがれきと廃木材を粉砕し、これらを混合した粉体をホットプレスすることで、新たな土木/建築材料としてコンクリートがれきを再生可能なことを発見しました
気になるのは、「粉体」を混合するという部分です。がれきを粉体するのに、どれだけのコストがかかるのか。どんな素材でも、「粗破砕」であればそれほど費用はかかりません。それより細かい「粉砕」でもまあ、コストは合うと思われます。しかし、私が知る限り「粉体」というのは話は別です。
時間もコストもかなりかかります。この粉体コストがこの技術が普及するかどうかにかかっているような気がします。
しかし、燃やさずに体積そのまま次の資材に使われるというのは、希望が持てますね。頑張って欲しいです!
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