※写真は流用です
住友化学さんのプラスチックリサイクルについての方向性が記事になっていました。
大きく分けて二つの取り組みがあるようです。
その①
食べ残しや紙、プラスチックの混合物をまるごとエタノールに変えるそうです。積水化学工業と共同研究だそうです。
プラスチックの仕事をしていながら、化学的な事がほとんどわからない私にとって、これは実現可能なのかどうなのか全く判断がつかないところです。少なくとも私が環境ビジネスの雑誌の仕事をしているときから考えて、食べかすまで一緒にリサイクル(ケミカル)するなど聞いたことはないです。
思い起こせば、2007年頃にタイのごみ処分場で「このゴミの30%はプラスチックだからリサイクルしたい」と相談を受けたことがあったが、まさに家庭の一般ごみで、食べかすなどの有機物とプラスチックや紙が混ざって悪臭を放っているゴミの山だった。
この技術が本当に実現すれば、あのゴミの山は全てエタノールに変えることができる。
エタノールは車の燃料などに利用できるだろう。それこそ、燃料電池自動車の燃料である。
世界の化石燃料の40%は車などの動力源です。この構造を変えるような開発となることを期待したいです。
その②
住友化学の二つ目のチャレンジは、室蘭工業大学とは、複数種類が混ざった樹脂を直接エチレンに変換する技術を開発しているとのことです。
これまた、難易度が高いチャレンジです。今までたくさんの企業が油化に挑戦してきましたが、複数の樹脂の混合物は難しいという認識です。仮にできたとしても、油の質が低く、真っ黒な油で用途がないようです。(私の知る限りですが)で、結局オレフィン系の単一の樹脂だけをリサイクルすることになっているようです。
単一ならコストが高いケミカルリサイクルでなく、融かすだけのマテリアルリサイクルで十分では?という疑問がいつも湧いていたわけです。
果たして、複合樹脂の油化に成功するのでしょうか。問題は、技術的、学術的に実現できても採算がとれる実用化レベルにまで開発が成功するかどうかではないでしょうか。
どちらの技術も実用化できたらノーベル賞モノではないでしょうか。住友化学さん、頑張ってください!
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