粉砕機の生産量はどのようにして決まるのでしょうか?
もちろん、粉砕の能力(生産量)は高いほうが良いのですが、モーターが大きければ生産量も大きいと考えていませんか?
選定を適正にすれば、小さなモーターでも多くの生産を上げることは可能になります。
ここでは、粉砕機の生産量を決定する要素について解説します。
粉砕機の生産量はモーターが大きければ高いわけではない
粉砕機の生産量を決める要素についてお話をしてみたいと思います。
粉砕機の生産量はモーターのパワーとかその容量で話をされることが多いです。
しかし、厳密にいうとその粉砕機のモーターの大きさだけでは生産量が決まるわけではないのです。
粉砕機の生産量は様々な要因で決まる
これの理由を説明させていただきます。
例えば50馬力の粉砕機で自動車のバンパーを粉砕するとします。
この時の、粉砕機の生産量を決めるものは、
どういう刃の形状なのか、刃の形状がどうなのか、刃の数、あるいは粉砕室の中の形状がどうなのか、その粉砕室の中で刃がどのように材料に巻き込んでいくかなど、様々な要素が絡んできます。
例えば、粉砕室の形状によって、回転刃が上手く材料を嚙みこんでいく効率がかわったりします。(→こちらのページで図解解説しています)
フィルム状のシートのようなものを順に送っていくような時の粉砕室の形状と、バケツのような大きな成型品を入れた時の粉砕機の刃の食い方っていうのは異なります。
粉砕を行う対象物によって、粉砕機の粉砕室と粉砕の刃の形状を最適化する必要があるのです。
↓クリックで解説動画 |
粉砕機の生産量を決める要素とは
ですから粉砕機の生産量は、モーターとか粉砕室の形状、回転刃の形状、回転刃の回転数、刃の数、固定刃の形状、クリアランスの設定、こういった複合的な要素が絡み合って決まります。
また、例えば材料を投入する方向でも大きく生産量が変わります。
下から入れるのか、上から入れるかの違いで、生産量が全く変わってしまうということはよくあります。
粉砕機の生産量は、色々な要因で変化しまして、一概にモーターが大きいからといって生産量が高いということは言えないのです。
粉砕機を選定するときに、その辺はよく気をつけていく必要はあるかと思います。
<参考記事>
絶対ダメ!粉砕機への金属混入とその防止対策 (粉砕機の選び方シリーズ)
粉砕機のスクリーンの役割を認識する重要性(粉砕機の選び方シリーズ)
スクリーンメッシュの穴径による生産量の差
あと、全く同じ物を同じ粉砕室、同じ条件で粉砕しても、生産量が変わる場合があります。
どういう場合かというと、回転場の下部にあるスクリーンメッシュの穴の径です。
粉砕物の粒度規制をするスクリーンメッシュをやはり細かいものをつけていればその分、小さくなるまで時間がかかります。従って、生産量は落ちるわけです。
逆に、そのスクリーンの径を大きくした場合、ある程度の大きさに切れれば、穴をポンと通過してしまいますから、生産量は上がるわけです。
というわけで、スクリーンメッシュのサイズでもやはり変わってきます。
それからあとモーターの回転数です。
この回転数はまあある意味モーターの容量とも関係はしてくるところがありますが、その回転数、スクリーンメッシュ、投入方向、固定刃の形状、回転刃の形状、粉砕室の形状など、すべてがからみあって粉砕機の生産量というのは出てきます。
やはり粉砕機を選定するときは、必ずテストをしてみるということをお勧めします。
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