排水pH変動と鉛濃度増加にどう対応するか — 凝集沈殿処理の基礎と設備選定

pH調整と凝集処理
沈殿分離
排水処理の基礎知識

排水のpH変動と鉛濃度増加、 どう対応すればよいか

鉛排水処理の基本となる「凝集沈殿法」の仕組みと、自社の処理量・予算に合った設備の選び方を解説します。

pH調整の役割 PAC+高分子凝集剤 設備選定のポイント
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CHALLENGE

鉛排水の処理でつまずきやすいポイント

情報収集の段階で、多くの企業が同じ疑問に直面します。

pHの不安定な変動排水のpHが酸性・アルカリ性に微妙に振れ、どう安定させればよいか分からない。
処理の仕組みが不明鉛除去の基本的な処理方法・薬剤の役割が整理できていない。
自動化か手作業かどこまで自動化し、どこまで外部に任せるべきか判断基準が定まらない。
設備選定の判断材料不足自社の処理量・予算に対してどの規模の設備が適切か比較材料が少ない。
BASICS

凝集沈殿法の4ステップ

鉛の除去において最も一般的な処理方法です。各ステップの役割を理解することが設備選定の第一歩になります。

ランメラ沈殿システム

1STEP
pH調整(前処理)
変動する排水のpHを、苛性ソーダ(アルカリ性に調整)や希硫酸(酸性に調整)を用いて一定に整えます。pHが適正な範囲にないと、次の凝集剤が正しく機能しないため、最初に行う重要な工程です。
2STEP
凝集(薬剤添加)
鉛をフロック(塊)にするため、2種類の薬剤を順番に添加します。まずPAC(ポリ塩化アルミニウム)が基礎となるフロックを形成し、続けて高分子凝集剤がそのフロックを連結させて重さを出し、沈殿速度を速めます。役割の異なる薬剤を組み合わせるのがポイントです。
3STEP
沈殿分離
凝集したフロック(鉛を含む泥)を沈殿させ、綺麗な上澄み水と分離します。この工程の効率が、設備の処理速度・省スペース性を左右します。
4STEP
汚泥処理
沈殿して底に溜まった汚泥を引き抜きます。通常は脱水機にかけますが、処理量が少ない場合は脱水機の導入がコスト的にもったいないため、フレコンバッグ等で受ける方法が選ばれます。
ジャーテスト

薬剤の種類・添加量は「ジャーテスト」で確認する

PAC・高分子凝集剤をそれぞれ何ppm添加すれば最適に鉛が沈殿するかは、排水の性質によって異なります。実際の排水サンプルを用いた「ジャーテスト」という実証試験で事前に確認してから設備を検討するのが基本の進め方です。
HOW TO CHOOSE

自社に合った設備の選び方

処理量・予算・自動化のレベルに応じて、適した設備は変わります。

💧 処理量が少量 (月間数千L程度) 大型脱水機 ドラム缶+手作業 または 小型沈殿装置
⚙️ 処理量が多い (月間数十トン以上) 簡易処理 自動薬注付きの標準沈殿装置
💰 予算を優先したい 大規模投資 手作業ベースの簡易処理から開始
🧪 省人化を優先したい 手作業中心 自動薬注・傾斜板沈殿装置
FAQ

よくあるご質問

QなぜpH調整が最初に必要なのですか?
凝集剤(PAC・高分子凝集剤)は、排水のpHが適正な範囲にないと正しく機能しません。そのためpH調整は凝集処理の前段階で必ず行う工程です。
QPACと高分子凝集剤は何が違うのですか?
PAC(ポリ塩化アルミニウム)は基礎となる小さなフロックを形成する役割、高分子凝集剤はそのフロックを連結させて大きく重くし、沈殿速度を速める役割を担います。2種類を順番に使うことで効率よく沈殿させます。
Q汚泥は必ず脱水機が必要ですか?
処理量が多い場合は脱水機が一般的ですが、月間数千L程度の少量処理であれば、脱水機導入はコスト的に見合わないことが多く、フレコンバッグ等で受ける方法が選ばれます。
Q設備選定はどう進めればよいですか?
まず実際の排水サンプルでジャーテストを行い、最適な薬剤・添加量を確認します。その上で処理量・予算・自動化の要望を整理し、要望が固まった段階で現地下見・対面打ち合わせに進むのが一般的な流れです。

まずは排水サンプルでの実証試験から

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