排水処理とは

排水処理とは

排水処理とは、一般家庭、工場及び事業所から排出される廃水から汚染物質を除去し、汚水を規制値以下の水質まで下げた上で水循環に浄化するプロセスとシステムのことを指します。
公共用水域や地下水への影響を許容できる影響にとどめ、様々な目的に利用できるように処理します。

工場での製品製造や加工において水を使用する場合、ほとんどの工場で廃水が発生すると思います。

廃水には有機物や無機物が多く含まれており、そのままの状態では国や自治体が定めた水質基準に合格せず、下水道や河川に排水することができません。

ここでは排水処理の概要をお話いたします。

排水処理と排水処理設備

全体理解のため、まずは参考フローを載せておきます。

排水処理設備のフロー

排水処理フロー図

出典:The Open University

 

 

予備処理

粗い固形物の機械的除去です。木片、ぼろきれなど弾くスクリーンを通過します。弾かれた固形物は通常埋められますが、燃やされることもあります。

1次処理(沈殿)

砂や砂の粒子が沈殿する砂利タンクをゆっくりと流れます。微粒子はまだ液体に浮遊しているので、大きな1次沈殿槽に送られ、そこで残りの粒子のほとんどが沈殿してスラッジを形成します。1次処理により、浮遊物質の約60〜70%が除去されます。1次沈殿槽を出る液体には、依然として非常に細かい固形物と溶解物が含まれているため、通常は2次処理が必要です。

2次処理(微生物処理と沈殿)

微生物による溶存有機物の酸化による有機化合物の分解を伴う生物学的プロセスであり、水処理施設の河川、土壌、またはろ過床で行われるプロセスと同様のプロセスです。プロセスは、利用可能な酸素の量を増やすことによってスピードアップされます。代表として2つの方法があります。

フィルターベッド:砕石、砂利、コークス、またはプラスチックベッドにて、フィルターベッド内に生息する微生物が分解します。フィルターベッドの底に溜まる液体には、フィルター生物からの廃棄物が含まれています。これらは2次沈殿槽で排水から分離され、より多くのスラッジを生成します。フィルターベッドは監視の手間はかかりませんが、広い土地が必要です。

活性汚泥:バクテリアやその他の有機体を含む汚泥を液体と混合し、混合物全体をパドルで攪拌するか、気泡を圧縮して酸素を十分に保ちます。このプロセスは約10時間続き、その後、混合物は沈殿槽に流れ、そこでスラッジが排水から沈殿します。

3次処理(有毒化合物除去)

1次および2次処理では、リンと窒素の20〜40%のみが除去され、有毒化合物の約半分が除去されます。有毒化合物等をこれらのレベルを超えて減らす必要がある場合は3次処理が必要ですが、これは非常に高価であり、一般的には使用されません。栄養素除去、紫外線消毒、フィルター膜など、さまざまな種類の3次処理が存在します。広大な土地が利用できる場合は、排水用池やラグーンを通って流れるようにすることもあります。

表1-1. 処理段階ごとの成分除去率

対象成分 1次処理 2次処理 3次処理
浮遊物質 60-70 80-95 90-85
BOD 20-40 70-90 >95
リン 10-30 20-40 85-97
窒素 10-20 20-40 20-40
大腸菌 60-90 90-99 >99
ウイルス 30-70 90-99 >99
カドミウム、亜鉛 5-20 20-40 40-60
銅、鉛、クロム 40-60 70-90 80-89

出典:The Open University

排水処理設備と耐用年数

計器類、機械類、受水槽、配管類などありますが仕様により大幅に耐用年数が変わるものもあります。参考として、計器類であれば5-10年、機械類で7-20年、受水槽で15-50年、配管類で10-30年程度のイメージとなります。

排水処理設備の価格

処理方法や処理量によって設計条件が大きく変わるため、この程度の金額という数字を示すのは非常に難しいです。1日の処理量が数十トン-数百トンレベルの処理施設の場合、全体で数千万-数億円規模の金額となるイメージです。

またランニングコストとして下水料金や汚泥処理費、薬剤費、フィルター等消耗品費などがかかります。

排水処理の法規制

工場や事業所から公共用水域へ水を排出し、排出量や成分が特定施設に該当する場合は都道府県などへ届出を提出する必要があります。水濁法、下水道法、消防法などが該当しますが、自治体によって様式も異なるため、まずは役所へ相談することをおすすめします。

排水処理と微生物

排水中の有機物処理のため、排水処理設備では微生物をよく用います。

好気性微生物

曝気環境で使用されます。この微生物は、水中の遊離酸素を利用して排水中の汚染物質を分解し、それをエネルギーに変換して増殖します。これを利用したのが活性汚泥法です。

嫌気性微生物

主に無酸素環境で使用されます。この微生物の主な役割は、スラッジの量を減らし、そこから窒素ガスやメタンガスを生成することです。ここで発生するメタンガスを適切に処理すれば、代替エネルギー源として使用可能です。

活性汚泥法

排水処理の2次処理で主に使用されます。主に下記要素で構成されています。

  • 曝気槽:滞留時間を確保し、活性汚泥と流入排水の混合。
  • 曝気装置:ミキサー等を利用した機械式、槽底部からディフューザーで空気放出する拡散曝気式等。
  • 沈殿槽:活性汚泥と、液体とを分離。
  • 活性汚泥返送装置:沈殿槽の活性汚泥を曝気槽へ戻す。

微生物方式のメリット、デメリット

メリット デメリット
設置が低コスト。

排水品質が良い。

臭気が少ない。

運用コストが高い。

運用管理が大変。

汚泥が大量発生する。

プロセス柔軟性が低い。

運用にあたっては微生物が最大限能力を発揮できるよう、システム内の有機物量や液中酸素濃度、水温やpHなど各種条件を日々管理する必要があります。

利用する微生物は様々で、有機物除去を行う好気性微生物、分散した微生物や浮遊粒子を除去する原生動物(繊毛虫など)、微生物や原生動物を食べシステムを維持する後生動物(ワムシなど)、その他糸状菌や藻類、真菌など、増減具合を見ることでシステムの状態が分かります。

排水処理参考フローの事例

メッキ処理排水

出典:MET-CHEM Inc.
図2-1:メッキ排水処理

均質化タンク:排水状態を均質にします。

pH調整1:全体的なpHを大まかに調整します。

pH調整2:pHの微調整を行います。

除濁装置:スラッジと液体と分離します。

スラッジ増粘タンク:スラッジ収集を行います。

フィルタープレス:スラッジ中の水分を除去し減容化します。

食品排水処理

食品排水処理

スクリーン:大きい異物を除去します。

均質化タンク:排水状態を均質にします。

化学反応槽:pH調整等を行います。

DAFシステム:溶存空気浮上で異物を浮上除去します。

スラッジタンク:スラッジ収集を行います。

スラッジ脱水:スラッジ中の水分を除去し減容化します。

排水処理設備のメーカー

代表的なメーカーをいくつかご紹介します。※水処理大手・プラント系のピックで、中小はピックしていません。プラ系ですと日本シームがやはり出てきますが、流機推しだと思うのでその辺のさじ加減お任せします。

  1. 栗田工業株式会社(https://www.kurita.co.jp/
  2. オルガノ株式会社(https://www.organo.co.jp/
  3. 水ing株式会社(https://www.swing-w.com/
  4. 株式会社タクマ(https://www.takuma.co.jp/
  5. 日立造船株式会社(https://www.hitachizosen.co.jp/
  6. メタウォーター株式会社(https://www.metawater.co.jp/
  7. 月島機械株式会社(https://www.tsk-g.co.jp/
  8. 株式会社神鋼環境ソリューション(https://www.kobelco-eco.co.jp/

主な参考資料、図の引用元

  1. Sewage treatment, The Open University,

https://www.open.edu/openlearn/nature-environment/environmental-studies/understanding-water-quality/content-section-5.1 (2022.04.30)

  1. MET-CHEM Inc., https://metchem.com/ (2022.04.30)
  2. Ecologix Environmental Systems, LLC., https://www.ecologixsystems.com/ (2022.04.30)
  3. AOS Treament Solutions LLC., Role of Microorganisms Used in Wastewater Treatment, https://aosts.com/role-microbes-microorganisms-used-wastewater-sewage-treatment/ (2022.05.01)
  4. Microorganisms in activated sludge, Endeavor Business Media, LLC.,

https://www.watertechonline.com/wastewater/article/15545467/microorganisms-in-activated-sludge (2022.05.01)

  1. Activated Sludge, Science Direct, https://www.sciencedirect.com/topics/earth-and-planetary-sciences/activated-sludge (2022.05.01)


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