破砕機や粉砕機に繊維を投入すると、回転する軸に繊維が巻き付き破砕できません。
繊維質の素材の破砕にはいつも悩まされている方も多いのではないでしょうか。
ご紹介する破砕機は、刃が回転ではなく、上下動をすることでスクラップをカットします。
包丁でキャベツを千切りするのを思い出していただければイメージはほぼ合っています。
上下動での切断なので、繊維が絡みつくことはありません。
以下の事例のように破砕することが可能です。
まずは、動画をご覧ください。
繊維破砕機の構造
構造はいたってシンプルです。
ベルトコンベア
ベルトコンベアで繊維質の材料を自動で刃の方向にフィードします。
この段階ではまだ繊維はフワフワのままコンベアの上を搬送されていきます。
幅は450-600mmの幅となります。ベルトコンベアの下部も簡単に清掃できるようにデザインされています。
ローラー
フワフワの繊維質スクラップをローラーで巻き込みながら圧縮します。圧縮することでカッティングをしやすくしています。
嵩のある繊維や綿、プラスチック繊維、フレコン、絨毯、漁網などを圧縮して切断する前段階の準備をします。ローラーの周りにはセンサーがあり、絡みつきなどがあったときはローラーは停止します。
また、材料が大量に入り、ローラーの高さが70mmに達すると停止します。
カッター
高速に上下に動くフライングカッターと固定されている固定刃がスクラップを挟んで切断していきます。
そして、フライングナイフはわずかに斜めに固定されています。こうすることで、フライングナイフと固定刃はハサミのように、小さな負荷でも材料をカットすることができます。
また、上下動するフライングカッターは直線的に上下しているのではなく、楕円を描きながらカッティングします。写真の機種の場合、1分間に405回カットします。
これは、単なる上下動ですと材料との間に摩擦が生じて熱が上がってしまうことを防ぐためです。楕円を描くことで、刃の冷却も兼ねることができ、スムーズにカットできます。
ローラーの速度を調整することで切断の幅を調整することができます。3-150mmの長さで調整が可能です。(機種により異なります)インバータ制御によりすぐに調整することができます。