
ギロチンカッター
ギロチンカッターとは
ギロチンカッターとは、主にプラスチック、ゴム、紙などの材料を正確かつ効率的に切断するための機械です。
一般的に、幅1,000mm以上もある大型の刃(ナイフ)を油圧装置で上下し、材料を瞬時に切断すでき、精度の高い切断が可能です。
動作イメージは、GeorDing Machinery Co., Ltdの下記動画が分かりやすいです。
この記事では、ギロチンカッターを使うメリットや構造、購入時に選ぶポイント、メンテナンス方法などを紹介しています。
ギロチンカッターは、プラスチックリサイクル工場において、破砕機に投入する前処理でよく使用されています。材料を小さくすることで、破砕機へ投入可能な大きさにしたり、取り扱いやすい状態になります。
記事末尾には弊社取り扱いのギロチンカッターも紹介していますので、興味がある方はお問い合わせよりご連絡願います。
ギロチンカッターを使うメリット
材料を破砕可能な大きさに加工し受入可能材料を増やす

破砕機への材料投入例
プラスチックリサイクルなどにおいて、材料が大きすぎると、1次処理を行う破砕機に投入することができず、加工を行えません。
ギロチンを利用して材料の大きさを半分や、さらに半分(当初の1/4)にすることで、破砕機に投入できるようにサイズダウンすることができます。そのため、従来は受け入れが難しかった大きな材料でも受け入れ可能となり、材料調達量を増やすことができます。
次工程の破砕機負荷を減らし機械寿命を伸ばす
材料を受け入れた状態のまま破砕機に投入できる状態であっても、破砕機の負荷が高い状態で処理していることがあります。材料を小さく切断し、破砕機のモーターや破砕部にかかる負荷を軽減することで、機械寿命が伸び、メンテナンス費用が下がります。
フィルムなどの場合、押出機でそのまま処理可能であれば、切断後に破砕機や粉砕機を通さず、押出機へ直接投入されることもあります。
フィルムロールの芯除去を簡単にする
フィルムロールなどは中心に紙、PVC、ABS、鉄などの芯が入っています。この芯が入ったままだと破砕機にとって異物となり、最悪壊れてしまうので、取り除く必要があります。
昔は作業者がカッターを用いて手作業で切断していました。しかしギロチンカッターを使用すれば、極めて短時間で芯を除去することが可能です。
ギロチンカッターの構造と仕組み

ギロチンの構造例
1. 躯体
刃のガイド機能、材料の設置および固定、操作盤の設置といった役割を担います。
材料を床面に近い場所へ設置できるようにしておくと、重量物を持ち上げる必要もなく、作業員の負荷を減らせます。
逆に、作業者が立った位置で作業しやすいことを重視するならば、切断位置を腰の高さにすると長時間の作業も楽になります。
2. 刃
材料を切断する部分です。切断材料に合わせ、材質、焼入れ処理などを変更します。
3. 駆動装置
刃を上下させる駆動機構が組み込まれており、油圧ユニットや電動モーターが使用されます。
ギロチンカッターを選ぶポイント
切断材料の種類や形状、大きさに適合しているか
切断対象がどのようなものか、下記項目等を明確にしておき、ギロチンで処理できそうか確認しましょう。
- 切断対象は、固いものか柔らかいものか。
- 切断対象は、どのくらいの大きさか。
- 切断対象は、どのような形状で受け入れるのか。
- 切断対象は、固定しないと刃はうまく噛み込みそうにないか。
刃の品質
切断品質は刃の品質に大きく依存します。高品質で耐久性のある刃を搭載したギロチンカッターを選び、定期的な刃のメンテナンスが容易なモデルが望ましいです。
メンテナンス性
ギロチンカッターを運用していくにあたり、メンテナンスは必須です。刃の取り換えや研磨依頼、油圧ユニットのオイル交換など、保守作業が簡単に行えるかどうかを確認しましょう。
ギロチンカッターの安全対策

インターロックによる安全対策例
ギロチンカッターは刃を扱い、駆動装置も強力であるため、安全性が非常に重要です。作業員が巻き込まれないように、ほとんどの機械には安全装置が付いています。
ギロチン前のシャッターを閉めないと動作しないもの、エリアセンサーでギロチンから一定範囲内に人がいると動作しないものなど、想定オペレーションや予算に応じたインターロック安全装置[注1]があります。
ギロチンカッター購入前には、安全ガード、緊急停止装置、二重スイッチなどの安全機能が備わっていることを確認しましょう。
注1:特定条件が満たされないと機械が動かない、条件が解除されると機械が自動で止まることで、作業者の安全を守る装置や機構のこと
ギロチンカッターのメンテナンス
日常清掃
ギロチンカッターの各部品を定期的に清掃します。特に刃、ガイド、およびカットテーブルの表面は、プラスチックの残留物や汚れを取り除く必要があります。清掃にはブラシや洗剤を使用します。
刃の研磨、交換
刃は鋭い状態を維持しなければならないため、定期的な研磨が必要です。
刃の研磨は、メーカーの指示に従って専門家に依頼することが賢明です。研磨スキルを持つ会社などは自分達で行っていますが、作業は危険かつ刃の品質も適切な仕上がりになっているか不明なこともあるので、十分注意が必要です。
刃の消耗が進行すると、研磨だけでは不十分な場合があります。必要に応じて刃を交換し、高品質で耐久性のある新しい刃に取り替えます。
駆動ユニットの調整
駆動ユニットの滑りを良くするため、必要な場所にメーカー推奨の潤滑油を、定期的に追加または交換します。また駆動ユニットにベルトが使用されている場合などは、ベルトの張りを定期的に調整します。
安全装置のテスト
緊急停止スイッチや安全ガードなど、安全装置が正常に問題なく作動するか定期的にテストします。
ギロチンカッターで処理できる材料例

プラスチックダンゴ
- 廃プラスチック
- 大きなフィルムロール
- プラスチックダンゴ
- 紙ロール・圧縮品
- 廃タイヤ
- ゴム塊
ギロチンカッターのまとめ
ギロチンカッターはプラスチック、ゴム、紙などの材料を切断する機械です。
ギロチンカッターを使用するメリットとして、下記などが挙げられます。
- 材料を破砕可能な大きさに切断して受け入れ可能材料を増やす。
- 破砕機への負荷を減らし機械寿命を延ばす。
- フィルムロールの芯を簡単に取り除けるようにする。
ギロチンカッターの選ぶ際のポイントとしては、下記項目を見るといいでしょう。
- ギロチンカッターが、切断対象の種類、形状、大きさに対応できるか。
- 刃の品質は、高品質で耐久性のあるものか。
- 保守作業が簡単に行え、メンテナンス性に優れているか。
- 安全ガード、緊急停止装置など、安全性に優れているか。
ギロチンカッターのメンテナンスでは、日常清掃、刃の研磨や交換、駆動ユニットの調整、安全装置のテストなどを行います。
ギロチンカッターは、材料の切断や前処理において重要な役割を果たす機械であり、適切な選択とメンテナンスにより、プラスチックリサイクルなどのプロセスを効率化することができますので、是非活用しましょう。
弊社取り扱いギロチンカッターの特徴と価格
イタリア製ギロチンカッター(切断機)
価格は都度お見積りとさせてください。
Cシリーズ:頑丈で強力なギロチンで、切断能力は60~120トンです。
ECOシリーズ:売れ筋商品で、切断能力は30~60トンです。
長寿命で、導入後25年以上使用し続けているお客様もいます。
カスタマイズも可能ですので、ご希望あればお見積り時にお聞かせください。
仕様や価格など、詳しく知りたい方はお問い合わせよりご連絡願います。
台湾製ギロチンカッター(切断機)
プラスチックリサイクル工場でよく使用されています。低コストながら必要十分な能力を兼ね揃えており、使いやすいタイプです。
DH-G10:参考価格 600万円
DH-G12:参考価格 700万円
Q&A
質問 | 回答 |
プラスチックリサイクルにおいて、ギロチンカッターはどの段階で使用されますか? | 前処理段階で使用され、大きなプラスチック材料を受け入れ可能なサイズに切断します。 |
刃のメンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか? | 切断する材料や使用頻度にもよりますが、数ヶ月に一度程度の研磨が推奨されます。 |
ギロチンカッターを使用する際の保護具は何を使えばいいですか? | 材料にバリがあったり、切断時に破片が飛ぶこともあるため、手袋や保護メガネの着用を推奨します。 |
ギロチンカッターの安全対策として、どのような機能がありますか? | インターロック機能を付けて、ギロチンカッター前のシャッターが閉まった状態でないと動作しない、エリアセンサー内に人がいる場合はギロチンが止まるなどの機能があります。 |