排水処理に関わる法律 水質汚濁防止法など設備に関わる法律を解説

排水処理を検討する際には設備構成や排水処理基準について、法的な規制を考慮する必要があります。
また、事前に必要な申請を完了していないと、工事を中止させられたり、工場操業を停止されたりするなどの問題が発生します。

そのため、通常は排水処理設備の工事を行うゼネコンやエンジニアリング会社に法対応を依頼しますが、事業者として遵守しなければならない法律もあるため、排水処理に関わる法律を学ぶことは重要です。

この記事では、排水処理に関わる法律のうち、下記について解説しています。

  • 水質汚濁防止法
  • 工場立地法
  • 建築基準法
  • 電気事業法
  • 下水道法
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)
  • 騒音規制法
  • 振動規制法
  • 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律

排水処理の全体概要については、下記記事でまとめて紹介していますので、知識を深めたい方はご覧になってみてください。

排水処理とは 設備やフロー、仕組み、法律について解説

弊社で取り扱っている排水処理設備は、下記記事リンクよりご覧になれます。
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排水処理設備 廃プラ洗浄の水処理を低コストで行うには

排水そのものに関わる法律

水質汚濁防止法

人の健康や生活環境を維持するため、排水品質に対して規制が設けられています。

一律排水基準

国が定める全国一律の基準(出典:環境省)。国内のどの場所であっても、適応されます。

  • 有害物質
有害物質の種類 許容濃度
カドミウム及びその化合物 0.03mg Cd/L
シアン化合物 1 mg CN/L
有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及び EPNに限る。) 1mg/L
鉛及びその化合物 0.1 mg Pb/L
六価クロム化合物 0.5 mg Cr(VI)/L
砒素及びその化合物 0.1 mg As/L
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 0.005 mg Hg/L
アルキル水銀化合物 検出されないこと。
ポリ塩化ビフェニル 0.003mg/L
トリクロロエチレン 0.1mg/L
テトラクロロエチレン 0.1mg/L
ジクロロメタン 0.2mg/L
四塩化炭素 0.02mg/L
1,2-ジクロロエタン 0.04mg/L
1,1-ジクロロエチレン 1mg/L
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.4mg/L
1,1,1-トリクロロエタン 3mg/L
1,1,2-トリクロロエタン 0.06mg/L
1,3-ジクロロプロペン 0.02mg/L
チウラム 0.06mg/L
シマジン 0.03mg/L
チオベンカルブ 0.2mg/L
ベンゼン 0.1mg/L
セレン及びその化合物 0.1 mg Se/L
ほう素及びその化合物 海域以外の公共用水域に排出されるもの:10 mg B/L
海域に排出されるもの:230 mg B/L
海域以外の公共用水域に排出されるもの:8 mg B/L
海域に排出されるもの:15 mg B/L
ふっ素及びその化合物
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 100mg/L
*アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量
1,4-ジオキサン 0.5mg/L
  • その他の項目
項目 許容濃度
水素イオン濃度(水素指数)(pH)

海域以外の公共用水域に排出されるもの:5.8以上8.6以下
海域に排出されるもの:5.0以上9.0以下

160mg/L(日間平均 120mg/L)
生物化学的酸素要求量(BOD)
160mg/L(日間平均 120mg/L)
化学的酸素要求量(COD)
浮遊物質量(SS) 200mg/L(日間平均 150mg/L)
ノルマルヘキサン抽出物質含有量
(鉱油類含有量)
5mg/L
ノルマルヘキサン抽出物質含有量
(動植物油脂類含有量)
30mg/L
フェノール類含有量 5mg/L
銅含有量 3mg/L
亜鉛含有量 2mg/L
溶解性鉄含有量 10mg/L
溶解性マンガン含有量 10mg/L
クロム含有量 2mg/L
大腸菌群数 日間平均 3000個/cm3
窒素含有量 120mg/L(日間平均 60mg/L)
燐含有量 16mg/L(日間平均 8mg/L)

上乗せ排水基準

一律排水基準だけでは水質汚濁の防止が不十分な地域において、都道府県が条例によって定める、より厳しい基準のことです。

また、上乗せ基準の一部として、排水量の裾下げがあります。これは、1日の平均的な排水量が50m3未満の事業場に生活環境項目の基準を適用できるよう条例で定めるものです。

総量規制基準

上記に挙げる事業場ごとの基準(一律排水基準、上乗せ排水基準)のみでは環境基準の達成が困難な地域(東京湾、伊勢湾、瀬戸内海)において、一定規模以上の事業場から排出される排出水の汚濁負荷量の許容限度として適用される基準(COD[化学的酸素要求量:Chemical Oxygen Demand]、窒素及びりん)のことです。

排水処理設備に関わる法律

排水処理設備そのもの、もしくは製造工場において関連する法律です。

設備や工場仕様によっては下記以外の法律にも該当する場合があり(消防法、大気汚染防止法、その他条例など)、官公庁により取扱いが異なることもあるため、工場が属する自治体に対し、どの申請が必要となるか、いつまでに書類提出を完了する必要があるか、必ず確認を行いましょう。

また、工場設置に関わる申請は、建築士に依頼して書類および図面を作成することが多いです。

工場立地法

一定規模以上の工場の新設、または増設等を行う際に、所轄の県庁へ事前届出を提出する必要があります。

項目 内容
対象業種 製造業、電気・ガス・熱供給業。
ただし、電気・ガス・熱供給業のうち、水力、地熱、太陽光は非該当です。
規模 敷地面積9,000㎡以上、または建築面積3,000㎡以上。
申請時期 工事着工の90日前までに申請を完了する必要がある。
ただし、短縮申請が認められれば工事着工30日前でも可能となる場合がある。

排水処理設備そのものというよりは、製品製造の工場が基本的に該当します。

建築基準法

無秩序な建築を防ぐため、建築物に対し各種規制が設けられています。

項目例 内容
建蔽率 敷地面積に対する建物面積(投影面積。上から見たときに専有している面積)の割合。
容積率 敷地面積に対する延床面積(建築物の床面積合計値)の割合。
建築物高さ 建築物高さが20m、もしくは31mを超える場合、様々な要求事項を満たす必要がある(避雷設備の設置、排煙設備の設置など)。

その他にも、雨水等の排出設備、構造耐力に関する規制、接道規制などもあるため、建築士および各市町村・県土木事務所に対し、何を満たして設計する必要があるか確認するようにしましょう。

電気事業法

工場等で、600Vを超える電圧で受電する場合など、法律で定める電気工作物のうち、自家用電気工作物に該当します。この場合、工事開始30日前までに工事計画届の提出を完了しておく必要があります。

また、工場が大規模の場合は事前に工事計画認可申請が必要となったり、使用開始前には保管規定届を提出する必要があるなど、着工前から竣工後まで多くの申請があります。

各県庁や経済産業省へ確認しながら必要となる書類を作成していきます。

水質汚濁防止法

法律が定める特定施設に該当且つ川や海などに水を排出する事業場や、有害物質を取扱う事業場など、特定要件に該当する場合、設置の60日前までに施設の設置届を官公庁や所轄保健所に提出する必要があります。

例えば、プラスチックリサイクル工場の場合、プラスチック製造業に該当し、原料プラスチックの水洗施設や遠心分離機、廃ガス洗浄施設などが特定施設に該当します。そもそも排水処理設備を必要とする工場であれば、大抵が特定施設を保有することになります。

また、当ページ最初にも書いた通り、排水には「排水基準」が適応されるため、指定水質を満たすよう排水処理を行う必要があります。

下水道法

公共下水道へ排水する事業場が特定施設を設置する場合、各自治体に対し申請を行う必要があります。

特定施設の設置は60日前までに、特性施設の使用前や構造変更時はあらかじめ申請完了が必要です。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)

産業廃棄物を処理する施設に該当する場合、官公庁に対し施設設置の30日前までに申請を完了する必要があります。

例えば、排水処理設備で処理・発生する汚泥や各種くず類(紙、木、金属など)は産業廃棄物に該当するため、申請が必要となります。

騒音規制法

法律が定める特定施設に該当する場合、官公庁もしくは所轄保健所に対し、設置届を工事開始30日前までに提出する必要があります。

排水処理設備そのものというよりは、工場で用いる空気圧縮機(コンプレッサー)や送風機(ブロアー)が該当する場合が多いです。また、工場業種によってはプラスチックの射出成形機や各種金属加工機械が該当する場合があります。

定格出力(◯kWなど)が低い場合は非該当となる場合があるため、導入設備の能力を確認して申請要否を判断します。

振動規制法

騒音規制法と同じく、法律が定める特定施設に該当する場合、官公庁もしくは所轄保健所に対し、設置届を工事開始30日前までに提出する必要があります。

こちらも排水処理設備そのものというよりは、工場で用いる機械類が該当することがほとんどです。

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律

製造業などで、且つ公共用水域に一定量以上排水している場合・一定能力以上の騒音発生施設や振動発生施設を有する場合、公害防止統括者や公害防止(主任)管理者を選任し、選任後30日以内に官公庁に届出を提出する必要があります。

まとめ

排水処理に関わる法律には、下記のように多くの種類があります。

  • 水質汚濁防止法
  • 工場立地法
  • 建築基準法
  • 電気事業法
  • 下水道法
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)
  • 騒音規制法
  • 振動規制法
  • 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律

上記以外にも、工場仕様や工事内容によっては、消防法や大気汚染防止法、道路法などの法律も関わってきます。

事業者だけで全て対応するのは現実的に困難なため、通常はゼネコンやエンジニアリング会社に依頼したり、環境コンサルタントを入れて法対応を行います。

また、官公庁により取扱いが異なることもあり、申請が不要であったり、より厳しい基準に対応する場合もあるります。そのため、工場が属する自治体に対し、どの申請が必要となるか、いつまでに書類提出を完了する必要があるか、必ず確認を行うようにしましょう。

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排水処理設備 廃プラ洗浄の水処理を低コストで行うには

Q&A

質問 回答
水質汚濁防止法の上乗せ基準は、どのような場所で適応されていますか? 京都府や広島県などで適応されています。詳しくは環境省の下記ページから確認できます。

せとうちネット:府県別上乗せ排水基準

排水処理に関わる法律を確認するにはどのようにすればいいですか? 環境省HPや各種自治体HP、水処理会社や専門書を確認します。ある程度下調べしたうえで、自治体の環境課などに詳しく相談するのがおすすめです。
排水処理に関わる法律に違反してしまった場合、どのような罰則がありますか? 工場の操業停止、罰金や懲役があり、信頼失墜により取引先からも除外される可能性が高いため、必ず法令遵守するようにしましょう。


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