再生樹脂ペレット 価格情報　2023/8/4

金曜のニューヨーク市場で原油価格は、サウジアラビアとロシアによる減産が９月まで延長されたことを受け、１バレル＝82.82ドルに上昇して取引を終えました。さらに、米国の在庫の減少と市場心理の改善による需要増加の期待も価格上昇に寄与しました。

中国の PS、PA6、POM などの一部のプライムバージン価格は、主に海外需要により上昇しています。

しかし、ABSの価格は過剰生産能力により大幅に下落しており、輸出市場の強い需要にもかかわらず上昇にストップをかけています。

PP、PE、PET、PVC、PC、PMMAなどの他の材料は、原油価格の上昇に反応していません。

中国経済の需要の鈍化と消費支出が弱いことに加え、海外からの投資の縮小がこの状況の一因となっています。

西側諸国も戦略的・政治的理由から中国からの輸入を削減しており、政府の景気刺激策はまだ成果を上げていません。

需要の低迷と成長の鈍化により、不動産市場は引き続き低迷しています。

結果として、中国の過剰生産能力のプライム樹脂の輸出が世界のポリマー市場を左右し、最近の PS、ABS、ナイロン、PET、PVCの価格下落につながっています。中国やその他の国々では、低価格が常態になりつつありますが、世界の供給が調整され、供給力のバランスがとれれば、状況は数年以内に改善すると予想されます。

中国では、再生ペレットは需要の低迷とプライムバージン原料の低価格の影響を受け続けています。

インフレーション用のLDPE、押出成形用のHDPE、モノフィラメントおよび射出成形用のPPペレット、自動車産業用のスチレン系材料およびその他のエンジニアリングプラスチックの東南アジア諸国からの定期的な輸入に加え、米国、日本、欧州、トルコから在庫を整理するための競争力のある価格でのオファーが増えています。

例としては、PS再生ペレットが1トン当たり500ドル、PEペレットが1トン当たり500ドル未満、PP/PE のラベルとキャップが450ドルです。これらの価格はすべて、需要が低く、プライムおよびオフグレードの価格が競争力があるため、原価を下回っています。厳しい市場環境により、米国、欧州、アジアでは一部のリサイクル工場が永久的または一時的に閉鎖されています。

スクラッププラスチックは広く入手可能ですが、分別や洗浄が必要で回収率が低い低価格の材料には出口がありません。

混合ボトル、低品位のポリ袋、農業廃プラスチック、混合硬質プラスチック、PETクラムシェル、混合トレイとポットなどの一部の廃棄物は、ゼロ価格で引き取りが可能です。

これらの使用済み廃棄物は分別され、梱包されています。需要がなく、価格もマイナスになっている場合、次のステップは収集と分別を中止し、これらの廃棄物の解決策として直接埋め立てと焼却につながる可能性があります。

リサイクル産業と環境の持続可能性を支援するために、リサイクルされた材料の使用を義務付ける必要性が認識されています。

しかし、主要なバージン材料の価格が安いため、リサイクルされた材料を使用することを自発的に約束していた一部の企業は、現在、リサイクルの少ない素材に切り替えたり、プライムのみのオプションを選択したりしています。

最近の PET および HDPE リサイクルコンテンツの価格の暴落は、規制がリサイクル材料の使用にどのような影響を与えるかを示す一例です。