再生樹脂ペレット 価格情報　2023/11/24

ガザ地区の人質解放を受けて地政学的リスク要因が低下したことを受けて、原油は下落しニューヨーク市場で１バレル＝75.54ドルで取引を終えました。

プライム材料:

閑散期が終わり、10月に導入された景気刺激策やサンフランシスコでのバイデン・XI会談後の取引の妥協の可能性によって市場は改善するとの期待にもかかわらず、プライムバージン価格は引き続き低迷しています。
現在の市場動向は、原油の急落と市場の高い評価が急速な景気低迷の一因となっており、要因が複雑に絡み合っていることを物語っています。下流の需要低迷により製造業者や貿易業者の在庫が増加し、予想される需要と供給の不均衡が価格下落傾向を引き起こしています。
今後、国際原油価格は最初は下落し、その後全体的に上昇傾向に転じる可能性があります。市場では依然としてABS、PET、PP、PE の供給過剰の問題が顕著です。
短期的な見通しは、市場心理が慎重で経済活動の低迷が示唆しされています。中国市場におけるほとんどのエンジニアリング熱可塑性プラスチックの月平均価格は、原料価格の低下と全体的な需要の低迷が原因で、10月と11月前半に下落しました。

リサイクル材料：

リサイクル材料分野では、中国はさまざまなシナリオを提示しています。
リサイクルPEは下流メーカーが慎重な購買行動を示しているため価格調整が行われているものの、市場全体としては安定を維持しています。
リサイクルPP は、高品質の材料の入手が限られているため価格が高騰していますが、市場の安定は維持されています。
化学繊維の販売不振で再生PETの価格が下落し、買いの雰囲気に影響を与えている。
リサイクルPVCは下流工場からの積極的な補充により安定しています。
リサイクルPAは平均的な需要で安定して稼働しており、メーカーの稼働率は低いものの、リサイクル PCの価格は依然として安定しており、再編の時期が到来していることを示しています。
全体として、リサイクル材料市場は微妙な傾向を示しており、特定のセグメントでは安定しているが、他のセグメントでは慎重な楽観が見られます。リサイクル業者は年内に大きな価格変動を期待しておらず、業界関係者のほとんどは今年の課題をなんとか乗り越えたいと考えています。

スクラッププラスチック:

スクラッププラスチックの販売は、価格の不一致により困難な状況です。
たとえば、デポジット返還システムのペットボトルは、米国では工場出荷時に1トンあたり380ドルで販売されていますが、アジアのリサイクル業者は、輸送コストと輸入コストを考慮すると、この価格では買うのが難しく、コストが1トンあたり500ドルを超えてしまいます。
フレークの販売価格がCNF900CNFなので利益がありません。
同様に、PEフィルムグレードAの品質については、ヨーロッパまたは米国の両方から、工場渡しで 380 ～ 400ドルと見積もられています。これは、国内で高コストで加工されるか、低コストの加工のためにアジア諸国に輸出されるかにかかわらず、これはほとんど利益がありません。この状況はさまざまなプラスチックスクラップにまで及び、市場は困難かつ競争の激しいものになっています。エンジニアリングプラスチック市場には多数のオファーがあるにもかかわらず、競争が激しく、入手可能性が限られているため、収益性の高いオファーを見つけるのは困難です。

Dr.Steve

香港FUKUTOMI社のCEO
中国リサイクル協会のExective President
香港の大手プラスチックトレーディング会社を長年経営。
最盛期は月間1,500コンテナを取り扱い、世界中の廃プラスチックをリサイクルしてきた。
1年の半分以上を世界各国を飛び回り、プラスチックリサイクルマーケットを観察している。フルマラソンを走るマラソンランナー。