イタリアの二軸押出機専門メーカー　ICMA社の二軸押出機の取り扱い開始　

イタリアICMA社の二軸押出機の取り扱い開始

弊社は、イタリアの二軸押出機製造メーカーICMA社の商品の取り扱いを開始しました。

創業は１９４５年と業歴が長く、同社は欧州の化学メーカーにも長年押出機を供給してきました。
その技術力は欧州では認知されており、最大で１４トン/hの押出機まで供給しています。

日本には、４０年ほど前に数台納入をしただけで、その後はほとんど日本のマーケットとは無縁でした。

しかしながら、今般「リサイクルに力を入れていきたい」「ついては日本のリサイクルマーケットにのマーケティングをしたい」ということで、日本でプラスチックリサイクルを手掛けている弊社宛に代理店の打診があったものです。

弊社からも同社を訪問し、その技術力の背景や管理体制を現地で確認したうえで代理店となることを応諾させていただきました。

なぜICMA社の二軸押出機なのか

プラスチックリサイクルを専業とする弊社がICMA社との協業を決めたのは、同社の二軸押出機がリサイクルの幅を大きく開く可能性を感じたからです。

それが以下の特徴となります。

１）脱気性能に優れている
２）脱臭性能が極めて高い
３）リサイクル材や木粉のダイレクトシーティングが可能

優れた脱気性能

プラスチックリサイクル、特に容リ系のポストコンシューマー材の押出工程ではペレットの発泡が問題になることが多々あります。

今までは、ベントをツーベントにしたり、二段式押出機にしたりという方法で発泡を抑えてきましたが、当然他の方法も含めて抑えきれない場合も出てきます。

そこで、この二軸押出機の「抜群の脱気性能」が欧州では見直されているとのこと。

今までは再生用の押出機は一軸押出機のほぼ一択でしたが、脱気性能を優先すると二軸押出機が大きく一軸押出機をリードすることになります。二軸押出機はその混練性の良さが際立っており、脱気性能の良さにスポットライトが当たることは少なかったのです。

一軸押出機に比べて圧倒的な脱気性能の差が、二軸押出機がリサイクル分野で活躍する可能性を広げることになりそうです。

参考記事：
プラスチック造粒時の発泡について
発泡の問題点の解決方法（動画）

脱臭性能が高い

上記に記している通り、元々二軸押出機は脱気性能が高い押出機です。これは、脱臭性能も高いことを意味しますが、ICMA社は更にここに独自の脱臭技術を保有しています。

２つのベントと真空ベント（この二つは普通の技術です）に加え、更に独自技術をプラスすることで最大で95%の脱臭効果を確認しています。

欧州では製造業者にプラスチックリサイクル材を使用することが義務付けることを法制化しました。一般企業がこぞってリサイクル材を使用しようと試みますが、そこで問題になるのが「臭い」です。欧州ではこの「臭い」の解決が日本よりも優先課題として挙がったわけですが、ICMA社がここに回答を出しました。

脱臭技術を確立したことにより、リサイクル業界からのオーダーが大きく増えたとのことです。

今後は日本でも同様の動きが出てくることが予想されます。

リサイクル材や木粉のダイレクトシーティングが可能

ICMA社の最も特徴的な技術のひとつがダイレクトシーティング技術です。
1970年代にICMA社は世界で初めて自動車の内装材用に木粉と樹脂を混ぜたシートを商品化させました。この商品は大ヒットとなり、同社のプラントは世界50か所の工場に広がることとなりました。

そのダイレクトシーティングについて説明します。

樹脂と木粉を混ぜた製品（例えばWPC）を製造するとき、通常は木粉と樹脂を予め高速ミキサーなどでブレンドしてから押出機に投入することがほとんどです。

しかしながら、ICMA社の二軸押出機はこのミキシング工程を必要とせず、樹脂と木粉を「直接」、「ダイレクト」にシート成型工程に投入することが可能です。

レーザーフィルターとのコンビネーションもOK

市場回収品の廃プラリサイクルでは異物は付き物です。どんなに洗浄しても、５％程度のコンタミがあるのは普通です。

コンタミの除去といえば、レーザーフィルターの元祖FIMIC社です。

同じイタリア企業同士、ICMA社の二軸押出機＋FIMIC社レーザーフィルターのコンビネーションでこれまでに多数出荷されています。

イタリア製の二つのリサイクル機械を合わせると、以下のメリットの恩恵を受けることができます。

〇95%脱臭されることが可能
〇よく混錬され均質化した樹脂
〇100メッシュを通すことも可能
〇異物の排出は完全自動

まだ、Webサイトやパンフレットは英語バージョンの状態ですが、ご質問や不明点は何なりと弊社までお問い合わせください。