はじめに
PET(Polyethyleneterephthalate:ポリエチレンテレフタレート)樹脂とは、ペットボトルやフィルムに使用される樹脂です。
他のプラスチック樹脂と比較して強度、軽量性、耐寒性、耐薬品性に優れ、透明性が高いという長所があります。
PET樹脂はその性質を生かして、飲料ボトルや容器、医療機器、食品包装、フリースの繊維や履物などに使用されています。また多くの産業用途にも使用されており、もっとも身近なプラスチック樹脂といってもいいでしょう。
ガラス容器の代わりにプラスチック容器を使用する傾向が強まっているため、再生PETボトルの需要が増加しています。
また、PET樹脂は完全にリサイクル可能であり、世界で最もリサイクルされているプラスチックです。
リサイクルの推進は行政、非政府組織(NGO)、小売業者によって行われており、PET樹脂のリサイクルは今後更に増加すると予想されています。
今回はペットボトルのリサイクル方法と、ペットボトルのリサイクルに最適な機材について説明します。
ペットボトルリサイクルの6ステップ
ステップ1:選別作業
最初のステップとなるのがこの作業です。人と機械が協力して、リサイクルできないものを選別・除去します。続いて、プラスチックの種類や色ごとにボトルを選別していきます。
びんや缶の混入もあります。海外マーケットでは塩ビボトルなどもあるのでこのような異物、異素材、異樹脂のものを分けていきます。
ステップ2:破砕工程
分別が終わったペットボトルは、破砕機でフレーク状に砕かれます。こうすることで洗浄しやすくなります。
PETボトルをキャップやラベルと一緒に粉砕します。ラベルを剥がす装置を破砕の前に使用すれば、後の工程で細かいラベルの混入率を減らすことにもつながります。
PETボトルの中には飲み残しや、たばこの吸い殻などを入れていることもあるので、水を出しながら洗浄する「洗浄粉砕」が良いでしょう。
ステップ3:洗浄工程
フレーク状のペットボトルは洗浄機へ送られ、きれいに洗浄されます。
本当に綺麗にするなら、水よりお湯、お湯よりアルカリ溶液ということになります。
ステップ4:乾燥工程
高圧の熱風で廃プラスチックの湿気を取り除き、乾燥させます。
PET樹脂は水があると「加水分解」と言われる反応で物性が劣化しますので、乾燥はきっちり行います。
ステップ5:分離工程
磁石やふるいを使って、PET樹脂と異なる素材を分離します。この段階を経て、ペレタイジングの準備が整います。
ステップ6:ペレタイジング工程
ペットボトル廃棄物から再生樹脂ペレットを製造する工程の最終段階です。押出機により、フレーク状のペットボトルは溶かされた後切断されて、形状の揃ったペレットになります。
PET樹脂リサイクル機選定ガイド
PETは流動性が高いので、PETボトルのリサイクルにはストランドカットの押出機を使用するのが一般的です。そのためここでは、ストランドカットの工程をご紹介します。
1. 供給工程
PET原料は、ベルトコンベアやスクリューコンベアを通して、押出機に供給されます。
2. 押出工程
この工程でプラスチックを溶かします。
参考記事:PET専用押出機 Repro-PETの記事はこちら
3. 撚り合わせ工程
溶融したプラスチックをパスタの麺のように押し出し、水槽の中で冷却し固形化します。
4. 脱水工程
固形化したストランド(パスタの麺のようになった樹脂)を水槽から取り出し、脱水を行います。
5. ペレタイジング工程
切断してペレット化します。
6. ふるい分け工程
サイロタンクに運ばれる前に、ペレットの大きさを揃えるためにふるいにかけます。
まとめ
年間3,000万トン以上のPET樹脂が生産されていますが、そのうちリサイクルされるのは20%程度です。
PET樹脂リサイクルは成長が見込まれる分野であり、大きなチャンスが残されているのです。
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