より大型なリサイクル機器が求められている
硬質プラスチック・軟質プラスチックいずれにおいても、SDGsなどの観点からリサイクルが重要視されています。
そのため、プラスチックリサイクルの需要は世界的に拡大しています。
リサイクル業者は押出機の台数を増やすだけでなく、押出機の大型化をすすめています。
800~1,000kg/時といった大型のプラスチック押出機は、すでにポストコンシューマ、さらには一部のポストインダストリアルリサイクル業者の標準機となっています。
昨今では、日本の神奈川県とメキシコ・メキシコシティの2つのポストコンシューマーリサイクル業者が、洗浄済みPEフィルム、HDPEボトル、PP織布バッグのリサイクル需要の増加を満たすために、同時に4台の800~1,000kg/時間の機械を発注していることからも、大型リサイクル機器への需要の高さがうかがえます。
同じ時期にオーストラリア、インド、コロンビア、サウジアラビア、UAE、アメリカの複数のリサイクル業者も、POLYSTARに複数(少なくとも2台)の大型機器を繰り返し発注しています。
再生ペレットの生産性・品質を向上させるカッターコンパクター
POLYSTARの大型リサイクル押出機には、カッターコンパクターが内蔵されていることが大きなメリットです。
その結果、Repro-Flexプラスチックリサイクル押出機は、軟質と硬質の両方のプラスチックスクラップを用途に応じてリサイクルする柔軟性、効率性と安定性により、特に軟質フィルムのプラスチックリサイクル業者の間で人気のあるモデルになっています。
洗浄ラインで処理された洗浄済みのフレーク(フィルムや袋の破片)、牛乳やシャンプーのボトルから排出される粉砕物など、消費者使用後の材料には水分が付着しています。
この水分は材料の物性の著しい悪化や発泡のといった不良の大きな原因です。カッターコンパクターは、その温度により水分率を押出機に供給される前に低減させることができるため、再生ペレットの品質を大きく向上させます。
同時に、ペレタイズラインに投入される原料は、カッターコンパクターによって半溶融状態になり減容されるためかさ密度が上がり、安定した高い生産量を得ることができるのです。
昇温されたスクラップ材料は、常温の材料よりも押出機の生産量を上げることができます。
大型のリサイクル押出機では供給の安定性が重要
大型のリサイクル押出機で高い生産量を維持するためには、供給の安定性が特に重要です。このことは、ポストコンシュマー、ポストインダストリアルのどちらの廃棄物を処理する場合にも当てはまります。
軟包装材、工業用フィルム、洗浄済みフレークなどの軟質プラスチックは、カッターコンパクターの回転による自然熱と摩擦で、軽量な材料を素早く圧縮して高密度化し、一定の速度で押出機に投入することが可能です。
牛乳やシャンプーなどのPEボトルフレーク、射出製品のリグラインドなどの硬質プラスチックをリサイクルする際には、カッターコンパクターが材料の供給速度をインバーターで調整します。比重がフィルムよりも重い硬質プラスチックが押出機に過剰に供給されるのを防止するためです。
また、粉硬い材料が昇温された内部でくっつかないようにカッターコンパクターは常時回転しています。同時に材料のブリッジ(粉砕材料がかたまって材料供給が止まってしまうこと)を防ぐこともできます。
さらに、カッターコンパクターでは摩擦熱が発生することにより、硬い材料が温度が上昇することで柔らかくなり、せん断力が減少します。その結果、押出機のスクリューの摩耗を最小限に抑え、寿命を延ばすことができます。
ポストコンシューマーリサイクル用二段式押出機
二段式リサイクル用押出機は、ポストコンシューマーリサイクル業者の間で普及が進んでいます。
各メーカーが、リサイクル工程で追加の脱気と濾過を行うことによって、低品質なリサイクル材料でも高品質なペレットを製造できることに気がつき始めたからです。
二段式押出機のメリット
インク、水分、異物でガスが出やすいPCRマテリアル → 二段式押出機の圧倒的なガス抜き 異物が多いPCRマテリアル → 1段目の押出機で取れなかった異物を2段目押出機でも取れる |
Repro-Flexには2台目の押出機を追加することができます。
二段式リサイクル用押出機Repro-Flex Plusは、Repro-Flexと同様のカッターコンパクターを内蔵しています。更にリサイクルプロセス全体を通して3つの脱気ゾーンと2つのろ過ステップを備えています。
特に、印刷の多いラミネートされた、多層フィルムの廃材や洗浄済みの材料を処理する場合に有効です。
二段階目のプロセスで、材料を更に脱気・ろ過することでリサイクルペレットの品質を向上させることができます。
その結果、生産ラインに戻す際の再利用性を高めることができるのです。また、再生ペレットの販売においても品質向上により、高い販売価格が期待できます。
PCRから製造するペレットの品質を「さらに」高めるには
脱気によるガス抜きを十分行い、異物をスクリーンチェンジャーで取ることで、一段式の押出機よりも二段式押出機のほうがペレットの品質は向上します。
しかし、「さらにもう一歩」品質を高めるには、異物をさらに高いレベルで除去する必要があります。
何故なら、どんなに前工程で選別を強化しても、「貼り合わせフィルムのPETやPAは残る」からです。
この貼り合わせのPETやPAは、以前は高温(280℃前後)に温度を設定して、溶かして加工していました。つまり、残った異物を混ぜ込んでしまうしかありませんでした。
もしも、温度設定を230℃に落としたら、PETやPAが融けないためにフィルターに引っ掛かり、あっという間に詰まってしまうのです。
この問題を解決するのがレーザーフィルターです。
PCRマテリアルに含まれる多量の異物を「自動」で除去でき、「無人」かつ「連続」での運転が可能になります。
レーザーフィルターは高価ですが、その品質の向上と生産性の向上の効果を考えれば、「安い投資」となることがすぐにご理解いただけます。