※動画による解説はこのページの一番したにあります
今大反響をいただいている異物を無人で、かつ連続的に除去するイタリアのFIMIC社製レーザーフィルターについてご説明をさせていただきます。
このページではメインとして、FIMIC社が採用している異物の排出方式のひとつであるバルブ方式についての解説です。ロス率が1-5%と非常に低いのはなぜか、理由を解説します。
FIMIC社について
イタリアで30年以上フィルターの専門メーカーとして事業を行ってきました。
今のような連続式で除去できるメルトフィルターを開発して20年経ちます。
年間70台、専門メーカーとして世界の市場に供給しています。
参考記事:水分率3%に高効率、高速脱水できる脱水機に関する記事はこちら
レーザーフィルターのメリット
全自動で異物を取ることができる
連続かつ完全無人で可能
低グレードのスクラップ材料からワンランクアップした再生原料を製造できる
異物のあるPP粉砕品やPSインゴットから全部異物を除去し、きれいなツヤのあるペレットができるようになります。
バルブ方式とは?
ブレードが回転して回収した異物が溜まり、その異物を排出する方法の一つです。
バルブが開いたり閉まったりします。通常時は閉まっており、異物が十分にたまったタイミングでバルブを開けるというやり方です。
3つのメリット
歩留りがよくなる
スクリーン上の異物を十分に回収したタイミングで2-4秒程度だけバルブを開きますので、無駄な樹脂の排出がありません。常時回転しているスクリュー方式では、常に異物とそれに混ざった樹脂が一緒になって排出されるので、歩留りが低下傾向にあります。
排出時間が限られているバルブ方式は歩留りがスクリュー方式に比べて2倍以上よくなります。
金属に強い
スクリュー方式では、スクリューに金属などが詰まったり、傷つけたりされると大きな故障に繋がります。しかし、バルブ方式は穴から金属を排出することができるので、金属に関するトラブルは大幅に低減します。
スペアの費用が格安
スクリュー方式のスクリューは破損して交換となるとかなり高額な部品交換となりますが、バルブは「バルブのみ」です。費用は圧倒的にバルブ方式のほうが廉価で済みます。
バルブが開く間隔
異物のこの排出の時間の間隔ですが、これは異物の量によって変えることができます。約1分から10分ぐらいで変えることができます。
そしてバルブが開く時間ですが、1秒から5秒の間で設定を変えることができます。汚い材料に関しては時間で調整する材料の方が適しています。調整は最初1分間隔でバルブが開くように設定して、始めます。すると、1分経つとバルブが1回開きます。そしてまた閉まる。また1分たつとまた1回開く。
材料が綺麗だったらもう少し時間を延ばしていいわけです。2分にする3分にする4分にするそして出てくる材料が汚くなったところでそこで運転を安定させていくというやり方で異物だけを効率よく出すことができます。
その他の排出タイミング
フィルター内の圧力が一定になったところで、ブレードが2回転する方法があります。この方法のときは、ブレードは通常停止しています。
異物が詰まり、圧力が一定値に到達して圧力計がそれを感知したときに、止まっていたブレードが2回転してフィルター表面の異物を回収します。
これは、比較的異物が少なくてきれいなスクラップを加工するときに使用するモードになります。
スクリュー方式による排出との比較
スクリュー方式での異物排出の方法もあります。スクリューが回って異物を回収して外部に排出します。
歩留りについて
スクリューが連続的に回転をしているということになります。連続的に回転しているので異物がそんなに多くない時でも良い材料と一緒に異物を連続的に排出することになってしまいます。したがって、スクリュー方式は歩留まりが相対的には低いことになります。
金属などの混入について
スクリューでの排出方式は一般的に金属の混入に対しては、「絶対だめ」というメーカーが多いです。スクリューが破損したり、詰まって動かなくなるなどのトラブルが起きやすいためです。
まとめ
バルブ方式はスクリュー方式よりも非常に歩留まりが高い
FIMICのロス率:1―5%(一般的なスクラップ)
スクリュー方式のロス率 5-20%(一般的なスクラップ)
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