以前はコンタミがない工業端材がリサイクルの中心でした。しかしプラスチックリサイクルも進み、コンタミのない工業端材はプラスチック使用量のわずか3~5%だけとなっています。
本丸は消費者が使用した「使用済み」のプラスチックをいかにリサイクルするかとなりました。その最重要ポイントは、使用済みプラスチックのリサイクルで付着した汚れの洗浄です。
このページでは、一般的なWiPA社製品を採用したプラスチック洗浄ラインの構成をご紹介します。
WiPA プラスチック洗浄ラインの構成例
- 破砕機:使用済みプラスチックを30mm以下に破砕します
- 磁力選別機:金属などの混入は機器にダメージが加わるので、取り除きます
- サイロ:破砕されたプラスチックを次の工程に定量で送り出します
- プレウォッシュ機:付着した汚れを予備洗浄します
- 摩擦洗浄機:高速に回転するスクリューが摩擦で洗浄します
- 湿式比重選別機:比重の重い材料を沈め、浮いた樹脂をリサイクルします
- 脱水機:洗浄水を分離して水分率7-10%程度に落とします
- 定量供給機:次工程の減容機に定量で材料を供給します
- 減容機:高速で回転するブレードが樹脂を半溶融させて減容・乾燥させます
- 粉砕機:減容された樹脂を細かく粉砕します
- 粉体分離器(ジグザグ):粉砕加工時に生じた粉体を分離します
- フレコンステーション:材料をフレコンで梱包します
クリックするとそれぞれの機器にジャンプします。
サイロ(サイロ タイプS)
前後の材料のバッファータンクとしての役割を果たします。
大量に破砕処理をしてもバッファータンクがあれば、下流工程には定量で材料を流してくれるので、下流の処理を安定させることができます。
洗浄ラインには様々な機器が結合してラインとして機能しますが、機械と機械の間の処理量が常に一定というわけではありません。
機器間の処理量に差があるときや、材料供給に波があり一定でないと、ラインは停止する可能性が高くなります。
しかし、このようなバッファータンクがあることで、その波を吸収して一定量を処理し続けることが可能になります。
プレウォッシュ機
高速摩擦洗浄を行う前の予備洗浄を行います。
下部に水が溜まっている部分に材料が投入され、重い比重の砂、泥、金属などの一部を落とすことができます。
そこからスクリューコンベアで上部に上がりながら汚れた水を落として「予備洗浄」を行います。
スクリューコンベアは通常のスクリューなので、次工程のような摩擦洗浄ではありません。
WiPa プレウォッシュ(湿式比重選別機) タイプ EWS / DEWS / WSSTの詳細説明ページ
摩擦洗浄機(フリクションウォッシャー タイプFW)
高速で回転するブレードが材料を摩擦で洗浄します。横から水を注入することができ、材料を水と摩擦で洗浄します。
WiPa フリクションウォッシャー タイプFWの詳細説明ページ
湿式比重選別機(タイプ EWS / DEWS/ WSST)
水で満たされた水槽で、比重の重い材料と軽い材料を分別します。
材料が投入されると、重い比重の材料や異物は水槽の下に沈み、スクリューで排出されます。
軽い材料は浮いたまま進み、次の工程に移ります。
WiPa プレウォッシュ(湿式比重選別機) EWS / DEW / WSSTの詳細説明ページ
脱水機(遠心分離式脱水機タイプMD)
内部で高速で回転するブレードが、材料についた水分を遠心力で分離します。
内部はパンチングメタルのメッシュがあり、水や細かい異物(泥、砂、汚れ、紙、ほか)も一緒に排出されます。
脱水以外にも更に2つの機能があり、目的に応じて使い分けることができます。
<Wipa MDの役割>
1)脱水機:洗浄された材料に含まれる水分を脱水できます 2)分別機:材料の細かい異物を分別できます 3)乾式洗浄機:乾いた材料を入れて、表面の砂、泥、汚れを除去できます |
減容機(プラスチック減容機 タイプPC)
水分が5-10%になった材料(スクラップ)を高速で回転するブレードに供給して、摩擦熱と剪断熱で溶融固化します。
大量処理が可能なグラッシュ機です。
最小だと80kg/hの処理から、 4,000kg/hの大量処理の大型タイプもあります。
その他の製品
上の図には含まれていませんが、WiPa社はプラスチックを含め様々な材料を減容できるマシンを販売しています。
圧縮減容機
強い圧力で回転するローラーがメッシュに材料を押し付けます。材料がメッシュを通過するときの摩擦熱で溶融し、ペレット化されて排出されてきます。