プラスチックリサイクルを始める方へのアドバイス 【異業種より参入】 

弊社へのお問合せで、バイクショップを経営する会社からプラスチックリサイクルビジネスを始めたいので相談したいと連絡がありました。

1.プラスチックリサイクルビジネススタートの相談

以下のような相談がありました。

  • プラスチックの見分け方を教えて欲しい
  • 粉砕する機械を教えて欲しい

2.弊社側からの質問

まずどのような希望なのかを明らかにするために、以下を質問していきました。

  • 現在の業種  → バイクショップ
  • プラスチックの種類はわかるのか → 全くわからない
  • どのようなプラスチックを集めることができるのか → 車のPPバンパー、バイクのカウリング
  • 月間でどのくらい集めることができるのか → 今はバンパーなら月間1tくらい
  • 一時間に何キロ処理したいのか → 月間30トン換算で、150kg/h(25日、一日8時間稼働)

参考記事:バンパーリサイクル事業 5つのポイント

3.ビジネスの展開の事例

まず、プラスチックリサイクルの処理フローは以下になることを説明した。

1)回収

2)前処理

3)粗破砕(50-300mm)

4)粉砕(10-20mm)

5)洗浄

6)ペレタイズ(造粒加工)

まずは、数量も集まっていない段階であるなら、1)回収2)前処理3)粗破砕までで、スタートすることを提案させていただきました。

4.破砕機・粉砕機の選定の考え方

提案1 50馬力の一軸高速粉砕機で破砕をせずに「一発粉砕」

メリット:イニシャルコストが安く済む
デメリット:騒音が大きい、バンパーを事前にカットしないと入らない、消費電力大きい

提案2 4馬力の粗破砕機でまずは50mm片に破砕

メリット:音が小さい、事前のカットは不要、消費電力が極端にすくない
デメリット:次の工程で粉砕が必要

提案3 破砕機と粉砕機が一体になっているタイプを紹介

メリット:処理が一回で済む、省スペース、省力化、事前のカット不要
デメリット:価格が高い

提案4 破砕機+粉砕機のラインとして提案

メリット:処理が一回で済む、事前のカット不要
デメリット:スペースが必要、価格が高くなる

まずは、まだ何も決まっていないビジネスプランの段階なので、当方からは提案2をお勧めさせていただきました。最初からイニシャルコストをかけて投資する必要はないと思います。50mmの粗破砕でも、価格は高くはありませんが売却は可能です。スタートはそこからかなと思います。

参考記事:プラスチック粉砕機とは

5.バンパー粉砕品・ペレットの販売価格

一体いくらいで販売できるのか。(執筆している2021年7月時点の価格で、常に価格は変動します)

バンパーの50mm粗破砕(塗装付):20-30円/kg

バンパーの粉砕品(塗装付):50-60円/kg

バンパーから作った再生ペレット:70-80円/kg

6.次のステップ

提案1-4までの機械を見学したいとのご希望でした。

今後は、機械の見学をご案内させていただく予定です。

参考記事:プラスチックリサイクルビジネスの始め方

7.弊社所見

プラスチックのリサイクルに本気で取り組んでいただける会社であれば、経験の有無を問わず、サポートさせていただきます。

未経験ながら、バイクショップという本業を生かしたスクラップ集めから考えているようで、現実的だと思われます。

業界を知っていることで、誰がどのようなスクラップを持っているのか知っているのは大きな強みですね。

プラスチックリサイクルビジネスを開始するという、法人、個人を問わず、お力になれる限りはお手伝いさせていただきます。

プラスチックの見分け方、販売の仕方、機械の選び方まで、メリットとデメリットをきちんと説明しながら一緒に考えていきます。

応援しますので、頑張ってください!

村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックスクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

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