プラスチックのリサイクルは成長産業です。
日本ではリサイクル関連の法律として資源循環促進法が制定され、更なる新規参入を試みる企業が増えています。
しかし一方で、プラスチックのリサイクルは簡単なものではないことも事実です。
リサイクルするプラスチックの種類が何か、どういう種類の製品のリサイクルをするのか、そのスクラップに合った前処理の仕方は何か、引き取りなども含めた工場の場所はどこが最適か、地域や要件を調べ、顧客のニースを調べ、リサイクルしたプラスチックの買い手のニーズを調べ、立ち上げコストを見積もり、資金を調達し、プラスチックの輸送を手配し…。やらなければならないことは山ほどあります。
そして最も重要なこととして、適切なリサイクル機器に投資しなければなりません。
参考記事:押出機の選び方
プラスチックは多様な素材であり、素材ごとに必要となる機材が異なります。
まず、さまざまな種類のプラスチックと、それぞれの特性について理解する必要があります。
最も一般的にリサイクルされているプラスチック
最も一般的にリサイクルされているプラスチックは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)です。
PET
PETは傷ついたり割れたりしにくいのが特徴で、ペットボトルや容器の材料としてよく使われています。
一般の方がプラスチックというと真っ先に思いつくのもPETが多いのではないでしょうか。
HDPE
海外では牛乳容器などに使われることが多いです。日本ではシャンプーボトルなど、プラスチック製の水差し、容器、ボトルの材料として使われます。
LDPE
プラスチックフィルム、包装材、食品包装、ごみ袋などに使われます。包材のなかでは最も多く使われている樹脂です。
PP
軽くて丈夫な汎用性の高いプラスチックです。包装、容器、ボトルなど、さまざまな用途に使われます。
お菓子のパッケージングに多くみられます。
プラスチック素材別のリサイクルマシンの選び方は?
参考記事:押出機の選び方
PETの場合 Repro-PET
ストランド型ペレタイジングシステムを搭載したモデルで、PETのような流動性の高いプラスチックの再処理に最適です。
インバータ制御によるカッターコンパクターにより、スクリューへ適正な量を供給するため、安定した出力が可能です。
また、増粘剤の投入ができるためPET樹脂の物性の低下を抑え、高付加価値のリサイクルを実現します。
HDPE、LDPE、PPフィルムの場合 Repro-Flex
カッターコンパクターが装備されており、HDPE、LDPE、PPフィルムの材料を処理するのに適しています。このリサイクルマシンのカッターコンパクターは、プラスチック材料を押出工程の前に前処理します。材料は、遠心力で細かく粉砕、減容された後に押出機に送り込まれます。
印刷面積の多いHDPE、LDPE、PPフィルムの場合 Repro-Flex Plus
Repro-Flexと同様にカッターコンパクターと一体化したモデルですが、2段目の押出機、3つ目の脱気ゾーン、2つ目の濾過ユニットが追加されています。印刷が多い、濡れている、汚れが多いプラスチック廃棄物から商品価値の高いプラスチックペレットを製造することができます。
PPヤーン、織布、不織布の場合 Repro-One
破砕機を搭載しており、PPヤーンや織物・不織布の袋など、強度の高い素材の処理に威力を発揮します。別途破砕機を必要としないため、ワンステップでプラスチック廃棄物をリサイクルすることができます。
硬質プラスチックの場合 Repro-Direct
カッターコンパクターやシュレッダーが付属しないシンプルで汎用的なモデルです。
粉砕したPPやPEといった硬質プラスチックをリサイクルするのに最適です。
クリーンなHDPE, LDPEフィルムの場合 Repro-Air
この機種は空冷式のコンパクトなモデルです。
異物や異樹脂、水分などがないスクラップに使用します。
大きなスペースと予算は必要ありませんし操作も簡単です。インフィレーション成形機や製袋機のすぐそばに置いて、生産工程で発生したロールや端材などをその場で処理してまた材料に戻すといった用途に最適です。
まとめ
プラスチックのリサイクルは、企業にとって収益性の高い成長産業です。
しかし、まずはどのような種類のプラスチックを扱うのか、どの機械がプラスチック材料の再加工に適しているのかを見極めることが大切です。
POLYSTARは34年間のプラスチックリサイクルの経験があり、あらゆる種類のプラスチック素材に対応できるよう数種類のモデルを設計しています。プラスチックリサイクルを始めたいとお考えの方は、お気軽に株式会社ファー・イースト・ネットワークにお問い合わせください。