PEシュリンクフィルムをリサイクルするには?

シュリンクフィルムとは熱すると収縮するフィルムです。
容器の形に合わせて包装できること、大きさの異なる物品を簡単に結束できるといった使い勝手の良さから、包装用途に広く使用されています。

広く使用されているため、排出されるシュリンクフィルムも膨大な量にのぼります。そのため、リサイクルの必要性も高いのです。

シュリンクフィルムをリサイクルすれば、プラスチック原料を生産に再利用することができます。今回は、主にPE(ポリエチレン)タイプのシュリンクフィルムのリサイクルに焦点を当てて説明いたします。

PEシュリンクフィルムとは?

PE(ポリエチレン)シュリンクフィルムは、熱に触れると収縮し包むものの形状に沿うように作られたフィルムです。

※訳者注:この動画がわかりやすいので掲載しておきます。

シュリンクフィルムはPVC(ポリ塩化ビニル)やPOF(ポリオレフィン)系素材からも生産されていますが、PE系シュリンクフィルムは耐久性や用途の柔軟性が高く、多くのメーカーで多用されています。

PEシュリンクフィルムロールの生産

PEシュリンクフィルムロールの生産

PEシュリンクフィルム/ラップの4つのメリット。

  1. 100%リサイクル可能
  2. 耐久性と柔軟性が高い
  3. 美しいデザインを印刷可能
  4. 低コストであるため、段ボールの代替品となる

PEシュリンクフィルムの用途は何ですか?

PEシュリンクフィルムは、さまざまな種類の樹脂や添加物を配合することができるため、様々な用途に合わせて作ることができます。
物流、食品、家具、文具、白物家電、ペットボトル、工具、乾電池など、印刷・無印刷の包装・梱包用途に多く使用されています。
また、PEシュリンクフィルムの物理的な強度は高く、ペットボトルや缶の飲料など重量物の包装において、段ボールの代替品として優れています。

PEシュリンクラップ包装

PEシュリンクラップ包装

PEシュリンクフィルムのリサイクルに最適な機械

PEシュリンクフィルムを製造する工程でも端材などの廃棄物が発生します。
これらの廃棄物を自社でリサイクルすることは、コスト削減や資源の有効利用につながるだけでなく、製造時間やスペースを節約することにもつながります。
POLYSTARはシュリンクフィルムを高い効率で再生できる押出機「Repro-Flex」を開発し、使いやすさと効率的なリサイクルを実現しました。

PEシュリンクフィルム用ペレタイザー

PEシュリンクフィルム用リサイクルライン

押出機「Repro-Flex」の利点

  1. 内蔵のカッターコンパクターにより、シュリンクフィルムは細かく粉砕、減容(かさを減らすこと)されます。そのために押出機に安定して多くの量が供給されるため、高い生産性を実現します。
  2. 自動ダイフェースペレタイジングシステムにより、押し出されてくる樹脂の量に応じて、切断するカッターの回転量が自動的に調整されるため、均一で均質なペレットが得られます。
  3. これまで職人技とされてきた圧力調整が自動化されていることにより、、オペレーターは短時間で押出機の運転を習得することができます。

ポストコンシューマー・プリントPEシュリンクフィルムのリサイクルライン

ポストコンシューマーPEシュリンクフィルムやプリントPEシュリンクフィルムを処理するには、高い濾過性能と、脱気システムを備えたリサイクル装置が有利です。
そこで、POLYSTARでは、カッターコンパクターと一体化した二段式押出機Repro-Flex Plusを開発しました。

Repro-Flex Plus 二段式プラスチックペレタイザー

Repro-Flex Plus 二段式押出機

押出機「Repro-Flex Plus」のメリット

  1. 2段階のリサイクルプロセスを経ることで、ポストコンシューマーおよび重印刷PEシュリンクフィルムといった異物の多い材料でも、異物を濾し取り高品質のペレットを生産できる
  2. 3つの脱気装置と2つのろ過装置により、消費後の材料から余分な水分とインクを除去できるため、発泡などのトラブルが起こりにくい

一段式と二段式の押出機の違いについては、以下をご覧ください。
一段式と二段式の押出機はどちらが良いのか? | 株式会社ファー・イースト・ネットワーク

リサイクルPEシュリンクフィルムペレットは何に使われるのか?

工場廃棄物PEシュリンクフィルムリサイクルペレット

工場廃棄物PEシュリンクフィルムリサイクルペレット

ほとんどの場合、PEシュリンクフィルムの工場で出た廃棄物は100%リサイクルすることができます。
これらの材料は汚染されておらず、性質も生産者はすでによくわかっているため、リサイクルして作られたPEペレットはシュリンクフィルム生産ラインに直接投入し使用することができます。

ポストコンシューマーPEシュリンクフィルムのリサイクルペレット

ポストコンシューマーPEシュリンクフィルムのリサイクルペレット

ヨーロッパとアメリカでは、100%リサイクル材料で作られたPEシュリンクフィルムの生産が増加傾向にあります。

ポストコンシューマー・プリントPEシュリンクフィルムから得られるペレットは、しばしば射出成形の生産ラインで使用されます。
そのため、これらのリサイクルPEペレットは、プラスチック射出成形メーカーから高い需要があります。ポストコンシューマーリサイクル業者の他に、社内リサイクル業者も余剰のリサイクルPEペレットを市場で販売し利益を得ることができます。

まとめ

PEシュリンクフィルムが広く使われるようになったことで、リサイクルの必要性は高いものとなっています。
環境保護に役立つだけでなく、高騰し続ける樹脂の価格を考慮すると、PEシュリンクフィルムをリサイクルすることは、メーカーにとってコスト削減に役立ちます。
そのため、PEシュリンクフィルムを自社でリサイクルする動きが高まっています。

シュリンクフィルムの社内リサイクル、およびポストコンシュマーのリサイクルについて、詳しくは当社ファーイーストネットワークににお問い合わせください。

Resul Gökpınar

Resul Gökpınar(レスル・ゴクピナー)

POLYSTAR 国際営業担当
トルコ、ヨーロッパ、中東、アフリカにおいて様々なソリューションを提供した実績を持ち、その経験に基づいて皆様の役に立つコンテンツを作成しています。
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