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2024環境展・地球温暖化防止展 5/22~24 東京ビッグサイトに出展します

回収したペットボトルをアプリで追跡。ファミリーマートの実験に参加してみた

ファミリーマートは2022年9月26日から、店外の回収箱に入れたペットボトルがリサイクルされるまでの過程を追跡できるアプリの実証実験を、東京都葛飾区の店舗(ファミリーマート立石五丁目店)で開始しました。

お店の外にある専用の回収BOXに使用済みペットボトルを入れると、自分が入れたペットボトルが今現在リサイクルのどの段階にあり、リサイクルによってCO2がどれほど減らせるか、といったことがアプリを通じて確認できるというものです。

先日、筆者はこの実証実験に参加してみました。

感想としては、自分が入れたペットボトルがどうなっているかリアルタイムで確認できるこのシステムはなかなか楽しかったです。

こちらの記事では、私が実際に専用BOXにペットボトルを入れて、リサイクルされるまでアプリで追跡した様子をお見せします。
また後半では、実証実験の詳細や実験のもととなった「BLUE Plastics」プロジェクトについて説明したいと思います。

これを読んでこの実証実験に興味を持っていただき、応援していただければ幸いです。
プラスチックを回収・再生することは、地球環境の悪化を食い止めるための重要なポイントの1つだからです。

実際にやってみた

ファミリーマート立石五丁目店にて

東京都葛飾区のファミリーマート立石五丁目店に行くと、お店の前に専用の回収BOXが設置されていました。この箱に自分の飲んだペットボトルを入れ、アプリでリサイクルの過程を見守るというわけです。
ファミリーマート立石五丁目店実証実験が行われているファミリーマート立石五丁目店

ファミリーマートの店舗の外に設置されているペットボトル回収BOX店舗の外に設置されている回収BOX

ペットボトルを準備する

回収BOXにペットボトルを入れる前に、まずはキャップとラベルを取りはずして店内のゴミ箱に捨てます。中身を水できれいに洗い、潰したらペットボトルの準備は完了。
この処理はペットボトルの素材をリサイクルするために必要なので、絶対にやりましょう。

ペットボトルを洗ったところ

ペットボトルの準備完了!

ユーザー登録をする

さて、早速ペットボトルをBOXに入れてしまいたいところですが、その前にペットボトルを追跡するアプリのユーザー登録をします。

BOXの正面にQRコードがありますが、そちらを読み込む前に、BOXの横の面の「手順1.」にあるQRコードを読み取ってユーザー登録をします(ユーザー登録をして初めて、正面にある③のQRコードが読めるようになります。ここの手順が少しややこしかったです)。

BOXの横の面にユーザー登録の手順

BOXの横の面にユーザー登録の手順が書いてあります。

BOX正面のQRコードを読み取り、ペットボトルを入れる

BOX横面の1.が終わったら、正面の手順に従っていよいよペットボトルを投入します。BOX正面のQRコードを読み、スマホの画面を操作したらボックスにボトルを入れます。

 アプリの画面でペットボトルの投入本数や、フタやラベルをきちんと取ったかどうかを確認されます

アプリの画面でペットボトルの投入本数や、フタやラベルをきちんと取ったかどうかを確認されます。

いざ、ペットボトルをボックスへ。リサイクルされるのが楽しみです。

アプリで追跡

ペットボトルを無事に投入したら、ここからがこの実験のお楽しみ。自分の入れたペットボトルがどうなっているかを、アプリで追跡します

リサイクルするとキャラクターが成長

アプリでは切り株をモチーフにしたキャラクターが、ペットボトルがリサイクルされるにつれて成長していきます。最初の変化は投入した直後。

ペットボトル投入前。

ペットボトル投入前

ペットボトル投入後。芽が生えて笑顔になりました。かわいい。

 ペットボトル投入後。芽が生えて笑顔になりました。かわいい

ペットボトルをリアルタイムで追跡

自分の入れたペットボトルが今どうなっているかは、画面下部の「リサイクル履歴」から確認できます。

アプリでは切り株をモチーフにしたキャラクターが、ペットボトルがリサイクルされるにつれて成長していきます

私の出したペットボトルはアース・グリーン・マネジメントという会社で再生中。
履歴をタップすると、さらに詳しく見ることが出来ます。

私の出したペットボトルはアース・グリーン・マネジメントという会社で再生中

ペットボトルがどこの会社によって輸送され、処理され、リサイクルされたのか確認できます。

アース・グリーン・マネジメントで再生されるまでの2日間、アプリで何度もペットボトルをチェックしていましたが、リサイクルが進んでいく過程が目に見えてとても面白かったです。

可愛い子に旅をさせているような気分で、自分の出したペットボトルに自然と愛着を持っている私がいました😆

リサイクル成果を確認

さらに、左上の三本線のボタンを押して「あなたのリサイクル成果」に行くと、これまで投入したボトル数、削減したCO2の量、ボトルを投入した回数を確認することができます。

これまでのリサイクル成果がグラフで確認できます。

このように自分のエコ活動の頑張りが可視化できるので、モチベーションになります。

実証実験について

ここからは今回の実証実験や、実験のもととなるプロジェクト「BLUE Plastics」の詳細についてご紹介いたします。

今回のペットボトル回収の実証実験は、旭化成、ファミリーマート、伊藤忠商事、伊藤忠プラスチックス(CIPS)の4社が合同で実施しています。アプリを使ってペットボトルのリサイクル状況を可視化することで、消費者のリサイクル意識を高めることができるかを調査するというものです。

実験は東京都葛飾区のファミリーマート立石五丁目店に専用回収BOXを設置して、11月25日まで行われます。

実験のもととなるプロジェクト「BLUE Plastics」の詳細

アプリを使ってペットボトルのリサイクル過程を可視化。
出典:最先端のエコプロジェクトに参加しよう!BluePlastics×FamilyMart|旭化成|BLUE Plastics

資源循環を可視化するプロジェクト「BLUE Plastics」

今回の実証実験は、旭化成が2021年に立ち上げた、再生プラスチックの循環を可視化するプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics」の一環として行われています。

ブロックチェーンを活用。再生プラスチック使用率とリサイクルの流れが分かる

現在開発中のBLUE Plasticsでは、リサイクルされたプラスチック製品のバーコードを読み取ると、製品の再生プラスチック使用率やリサイクルチェーン(製品がリサイクルされた流れ)が確認できます。

「目の前の製品が、どのようなリサイクル過程を経てここまで来たか、リサイクルされた原料がどれくらい含まれているか」が分かるというものです。

BLUE Plasticsではこのようなデータの管理を、日本アイ・ビー・エム株式会社のブロックチェーン技術を使って行います。
これにより、製品が確かにリサイクルされたものであるという証明や、リサイクルチェーンを可視化して来歴の透明性を確保することが可能となります。

リサイクル証明とリサイクルチェーンの可視化にブロックチェーンを活用

リサイクル証明とリサイクルチェーンの可視化にブロックチェーンを活用。

出典:旭化成|BLUE Plastics

ブロックチェーンの技術は、透明性が高くデータの改ざんが困難なこと、システムダウンに強いことなどから、現在世界的に注目されている技術です。BLUE Plasticsではこの最新の技術を導入しています。

リサイクルをするとポイントが付与される

またBlue Plasticsでは、リサイクルをするとポイントが付与されます。これによって消費者の環境貢献行動を可視化し、行動変容を促すというものです。

今回の実証実験のアプリでも、リサイクルに出したペットボトルの本数やCO2削減量が分かり、自分のリサイクル行動が可視化されていました。それに加えてポイントを貯めることができたら、さらにモチベーションアップにつながりそうですね。

リサイクルをするとポイントが付与される

リサイクル行動をするとアプリでポイントが付与されます。

出典:BLUE Plastics Salon|旭化成株式会社

まとめ

以上が、ファミリーマートで行われているペットボトル回収の実証実験に参加してみた体験談と、実証実験のもととなる「BLUE Plastics」プロジェクトの概要でした。

今回の実証実験に際し、旭化成で資源循環プロジェクト長を務める井出陽一郎氏は以下のように語っています。

「昨年秋に、モニター120名を対象に自己申告制で行ったアプリの実験では、消費者は、『自分が返却したペットボトルが本当にリサイクルされているのか』その過程に興味があることが分かった。そこで、今回、インセンティブを伴わない形で、消費者の行動変容が起きるのかをアプリを改良して検証している。アプリを活用することで、ラベルがちゃんとはがされたペットボトルがより多く集まり、ペットボトル回収の質と量が共に向上することを期待している」

出典:ファミリーマート/ペットボトルがリサイクルされる過程をアプリで確認する実証実験

自分が出したペットボトルの行方を知りたい人のニーズに応え、リサイクルされる過程を可視化した今回の実験。
ボックスに入れたペットボトルがリサイクルされる様子がアプリで追えるのは、実際やってみて面白かったですし、「リサイクルをしている」という実感がわくので、確かに消費者のリサイクル意欲を促進してくれるものだと私は思います。

またファミリーマート環境推進グループの原田公雄氏は、以下のように話しています。

「ファミリーマートとして、独自性のあるSDGsを推進する目標があり、今回の実証実験につながった。ペットボトルが集まりやすい住宅地があり、かつ、ペットボトルを回収するルート上にある店舗として、立石五丁目店を実証実験店舗として設定した。今回の実証実験の結果を踏まえ、さまざまな可能性を検討したい」 

出典:ファミリーマート/ペットボトルがリサイクルされる過程をアプリで確認する実証実験

今回の実験は立石五丁目店のみですが、今後全国の店舗にボックスが配置されるようになったら面白いなと思います。旅先のコンビニでペットボトルをボックスに入れれば、アプリで履歴が見られるのでちょっとした思い出作りにもなりますよね。

この実験が成功して、アプリが実装される日を私は待ちわびています!

以上でございます。もしこの実験が面白い、環境のためになると思った方は是非、お友達やご家族などにシェアしていただけると幸いでございます。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

ファーイーストネットワーク

ファー・イースト・ネットワーク編集部

(株)ファー・イースト・ネットワークは、「他社ではできないリサイクル」を行うことで、地球環境の改善を目指す企業です。2004年からリサイクルビジネスを行ってきた経験をもとに、地球環境に関するさまざまなコラムを執筆し皆様にお届けします。

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