高速洗浄機編 廃プラ洗浄ライン 2022Kfairの展示から

2023年のドイツデュッセルドルフでのKfairを回って、リサイクル関係で一番気が付いたのは汚れた廃プラの洗浄に関する展示が多かったことです。

今までは、プラスチックリサイクルといいますと、(洗浄をする必要のない)綺麗な工業端材をリサイクル加工することが主流でした。

しかしながら、最近の二酸化炭素削減や気候変動への抜本的な対応を考えると、我々消費者が使用した後の(洗浄する必要がある)汚れたプラスチックをいかにマテリアルリサイクルするかということにリサイクルの重点が移ってきているということのように思います。

多くの洗浄ラインを各メーカーが展示していましたが、ヨーロッパのメーカーは外見上は似たり寄ったりですかね。

組み合わせも、洗浄するスクラップにより異なりますが、だいたい一緒のように見えました。

ここでは、洗浄ラインのなかの「高速洗浄機」だけを集めて写真撮影したものをご紹介します。

高速洗浄機の役割は、斜めにした筒の中をスクリューとブレードが高速で回転してスクラップを強くもみ洗いして汚れを落とすことにあります。

下の投入口から入ったスクラップはブレードの高速回転で上に登っていき、上から排出されます。

中のブレードのストックを写真撮影したものです。以下のようなブレードが多数配列されてスクラップを摩擦で洗いながら上へと運んでいきます。

中でブレードが回転している間に、更に水を噴射して洗浄効果を高めることができるようになっています。

下の右写真ではホースがついているのが見えます。ここから汚れにより水量を調節して噴射します。

あまり多く噴射すると水処理量が増えすぎて排水処理負荷が高まってしまいます。

洗浄水の循環と排水処理のバランスが大事になります。

高速洗浄機の中に投入するときはすでにある程度の汚れは落ちていることが前提です。

汚れが酷い時には、予備洗浄をしたほうが良いようです。

↓予備洗浄機と呼び洗浄機内のスクリュー

高速洗浄機から出たスクラップは脱水機で水分を低下させてから、グラッシュ工程やペレタイズ工程へと移行します。

村井健児

株式会社ファー・イースト・ネットワーク 代表取締役
慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現三菱UFJ)にて法人融資、株式会社宣伝会議にて環境雑誌に関わる業務を経て、2002年からプラスチックリサイクル業界で経験を積む。
2006年株式会社ファー・イースト・ネットワーク創業。プラスチックスクラップ売買、再生樹脂ペレット売買、リサイクル用機械・プラントの輸入販売を行う。

 

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